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2011年6月10日 (金)

葛の葉姫の物語

先日のブログでは、兵庫県佐用町に、陰陽師、蘆屋道満と安倍晴明の塚があることを記した。その安倍晴明の出生の秘密を物語にしたものがある。安倍晴明の母親は、実際は分からないけれと、物語では、葛の葉とされる。

浄瑠璃や歌舞伎で、よく演じられる。事実と創作と入り混じっており、どこまでが事実かは不明ではあるが、話としては面白い。今回は、浄瑠璃『蘆屋道満大内鑑』をベースに、流風の覚えとして、記してみよう。話の人間関係を記すと以下のようになる。

一、天文博士、加茂保憲は、弟子として、安倍保名と蘆屋道満がいる。

二、安倍保名は、小野好古の家来で、蘆屋道満は、左大将橘元方の家来だ。

三、桜木親王(後の村上天皇)の妃には、好古の姫・六の君、元方の姫がなっており、親同士争っている。

四、小野好古の執権は、左近太郎照綱、橘元方の執権は、岩倉治郎大輔だ。

五、蘆屋道満の父は、蘆屋将監で、妹は花町。彼女の夫は左近太郎。

六、岩倉治郎大輔の娘、筑羽根は、蘆屋道満の妻だ。

七、加茂保憲の後妻がおり、彼女の兄が岩倉治郎大輔。

八、安倍保名の家来として、与勘平がいる。

九、葛の葉は、信太庄司の娘で、榊の前の妹だ。

十、榊の前は、天文博士、加茂保憲の養女になる。

十一、岩倉治郎大輔に仕えている家臣、石川悪右衛門は、榊の前や葛の葉の従兄。

十二、安倍保名と榊の前とは許婚の間。

十三、安倍晴明の幼児期の名前は、童子丸。

これでも、分かりやすく記したつもりだが、さらっと読んだので、間違っているかも。別に、実際の人間社会の人間関係からすれば、大したことないのに、加齢に伴い、すっと理解できない哀しさ(*注)。まあ、元々、頭がよくないから仕方ない(苦笑)。

また、どのような筋になっているかは、ここでは記さないが、人間社会の縮小図でもあり、共感できる部分も多い。よくできた話で、いつか鑑賞に行きたい。

*注

凡そ、家系図にしても、女性は、すぐ理解するのに、その点、男は、すぐ混乱する。流風より数段賢かったと思われる父も、母や伯母が話す遠い親戚の複雑な家系図は、何回も確認していた。

その点、女性同士は、お互い、すぐ理解できるようで、傍から聞いていたら、ちんぷんかんぷんの話も、当人たちは、いつも盛り上がっていたのを思い出す。芝居で、人間関係が複雑なものが女性に受けるのは、そういうこともあると思う。

*追記

関西で、「きつねうどん」のことを、「しのだ」とも言うけれど(最近は、あまり言わなくなっている)、これは狐の化身「葛の葉姫」から出たものとされる(大阪府和泉市信太森葛葉稲荷神社)。

   恋しくば 尋ね来て見よ 和泉なる

          信太の森の うらみ葛の葉

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