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2011年7月 1日 (金)

低成長下の社会保障

「税と社会保障の一体改革」案では、2010年代半ばまでに消費税を10%に上げるとしている。条件として、景気が好転することとしているが、これはかなり困難なことである。日本国内の状況、海外市場の動向は不透明である。

確かに、消費税は、好景気の時に上げる方が、国民の納得は得られやすいし、流風も、拙ブログで主張してきた。しかしながら、国内、国際経済共に不透明であるので、残念ながら、このことに拘ることは難しくなる。景気動向は、ある程度、無視して消費税は上げることになるだろう。

そうしないと、国債残高の多い日本は、世界から信任されず、国債の下落に伴う金利上昇になり、悪いインフレを引き起こす可能性が高い。デフレも続くと困るが、インフレも望ましくない。そうであれば、消費税の増税は、国民としても呑まざるを得ない。再度、国内の問題を整理すると次のようになる。

一、人口構成の問題

平成22年の総人口は、1億2805万6千人だが、その内、65歳以上の比率は23.1%であり、15歳以下は13.2%である。今後は更に人口構成が逆ピラミッド化していく。すなわち、少子高齢化に伴い、現役世代の減少は、社会保険の加入者の減少や税収を低下させていく。

二、国内雇用と低成長

人口動態の変化と国内市場の成熟化に伴い、国内市場は、今後も低迷する。企業は、途上国等市場が拡大していくので、そちらに成果を求めようとする。初めは輸出を拡大するが、いずれ市場に近い所で、展開することが求められるので、国内雇用の増大にはつながらない。すなわち、海外展開すればするほど、国内の雇用は損なわれる。

三、労働形態の問題

非正規雇用が半数近く占める現代、現行制度では、低所得のため、彼らが高齢者になった時、適切な社会保障を受けられなくなる可能性がある。

以上のように考えれば、現役世代の社会保障は、相互扶助的に、世代を超えて支え合うしかない。そのためには、消費税を社会保障に目的化して、目的税とすることが求められる。

ただ、現在の民主党の主張に憂慮するとしたら、社会保障の範囲を拡大解釈することだろう。基本的に、社会保障は、医療、介護、年金に限定すべきだろう。それ以上に拡大解釈するなら、流風は積極的に支持しない。

ただ、現状を放置すれば、国は予算を組めなくなる可能性もある。消費税のアップは止むをえないだろう。ただ上げる年を不明確にしたのはいけない。2014年までなのか、2015年までなのか、2016年までなのかが不明なら、国民の行動計画も、やりにくい。

民主党の一部の反対意見の議員に配慮したものだろうが、国民には迷惑なことだ。少なくとも、いついつから、これくらい上げると明言して欲しい。そして、「税と社会保障の一体改革」の内容について、全ての国民が理解できるように、くどいくらい広報するべきだろう。少なくとも、地デジの広報くらい頻繁に、やってもらいたい。

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