自智の人
世の中、頭のいい人もいれば、悪い人もいる。但し、それは単に学歴で判断できない。学歴があっても、頭の悪い人はいる。反対に学歴がなくても、頭のいい人もいる。結局、それを分けるのは、智恵ということのようだ(ちなみに昔の人は、智慧と表記した)。
また智恵は、山下亀三郎氏によると、他智と自智とに分けられるそうだ。他智は、学問等知識のこと。すなわち、書物や、他者の話から情報を取ること。自智は、自らの判断で、他智を活かすこと。
彼によると、他智の人は、自智の人を使えないが、自智の人は、他智を使える。これは政治家と官僚の関係に近くないか。政治主導はいいが、官僚をうまく使うことは可能だ。そのためには、政治家は、官僚より広く世間のこと(民心)を深く知らなければならない。
現在の日本の政治家に不足しているのは、そういうことではないだろうか。そして、国民は、選挙ばかり気にしている政治家に碌な人物はいないことを再確認しよう。
*追記
国民の意見は、世界的視野、国家的視野に欠ける場合もあり、いつも彼らの意見が全て正しい訳ではない。あるべき姿を国民に説明し、民心を理解しつつ、国民にとって辛いことも説明する努力を怠ってはならない。国民迎合政治が、一番危険な政治だということを、政治家も、国民も、忘れてはならない。
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