理屈と現実
戦前の経営者で、後に政治家にもなった人が、面白いことを言っていた。うまい譬え方だったので紹介しておく。
彼が言うには、「一尺のひもを三等分するには、理屈では、0.333...となって割り切れないので、不可能と思いがちだが、現実は、ひもを三つ折りして切っても、どこからも文句はでない」と。
頭で考える理屈と、世の中の現実は異なる。その辺をよく理解して、世渡りすることは大切と説いたのだ。頭では理屈で、できないと思って、やらないのではなくて、皆の納得を得れば、大抵は可能となるのが世の中だ。
その辺の機転と割りきりの臨機応変は、世渡りでは大切だ。若い時は、理屈をこねるが、現実は、世の中を処するには、人と協議する中で、進んでいく。大人になっても、案外、忘れがちだが、意味するところは深い。
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