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2011年10月14日 (金)

万年青と落語『おもと違い』

日中はまだ暑い日が続くが、朝晩は、少し涼しくなってきた。全体として、例年より、少し温かいかもしれない。まだ木の植え替えは不向きかもしれない。ただ、一部植えかえしてみたところ、問題が無いものもある。

昨年、繁殖し過ぎた万年青(おもと)を株分けしたが、その後、今のところ、あまり大きくは成長していないので、今年は株分けの必要はなさそうだ。また実は、まだ青い。もうすぐ赤くなるのだろう。聞くところによると、この実は漢方薬に使われるらしい。

万年青は、木の根元に根締めに使われるが、縁起のいい植物だ。父も、「万年、家が栄え続ける」と信じて植えたらしい。父は占いを信用しなかったが、いろんな縁起を担ぎながら、人は生きていくらしい。また花言葉は長寿、母性の愛だ。

ところで、落語にも、万年青を扱ったものがある。それが『おもと違い』。早とちりしたことで大騒ぎする話だ。一応、あらすじを示すと以下のようになる。

ある大工の棟梁が、知り合いの家の前を通りかかると、そこの女房に呼び止められる。「あら、どうしたんだい、そんなに急いで。素通りしないで、ちょっとお寄りでないか」と言うので、「しばらく、兄貴とこは行っていないのに、ここに寄ったことを知られたら、ちょっとまずいんですよ」と返す。

それで、女房が怪しんで、「なぜ、無沙汰してんだい」と聞くと、「へえ、この間のこと、兄貴からオモトを預かったんだが、どうやら私が馬鹿やって、それを叩き殺して埋めてしまったんですわ。それで、ついつい兄貴のところには来にくい。だから、私がここに寄ったことは、くれぐれも内緒にしてくれ」と言って去る。

ところが、それを使いに来ていた田舎者の権助が聞いていて、勘違いする。「これはえらいことを聞いてしまった。あの人は、確か旦那の所にも出入りしている大工の棟梁だ。おもとさんという預かった娘を叩き殺して埋めたとか。これは早速、旦那に注進しなければ」と思い、去る。

そして、家に戻って、主人に見聞きしたことを伝えるのだが、主人の方は、「おもとからは今朝手紙が来ている」と納得しない。ところが、権助が、色々煽るものだから、主人も、「おもとは、元々親戚の娘で、預かっていたが、それを棟梁の所に頼んだのに、なんてことをやってくれたのだ」と疑念の気持ちが大きくなって、「家から縄つきを出すのもよくないので、棟梁の兄貴のところで訴えてもらおう」と権助に棟梁の兄貴の所に使いを出す。

その話をすると、棟梁の兄貴もびっくりして、すぐ棟梁を呼びつけ、「すぐに自首しろ」などと問い詰める。それを言われた棟梁は、合点がいかず、言い返し、掴み合いの喧嘩直前。「お前、もう一度聞くが、人を一人殺したそうじゃないか。叩き殺したと言ったそうだな」

「それはとんだ勘違いだ。俺の殺したのは、預かった万年青の鉢を横川の川上質屋へ預けて金を借り、それで借金を埋めたんだ」と。「なんだ、お前、あの万年青を川上質屋に叩きこんだのか」

権助は、それを耳にすると、「川上か。それじゃ今頃、流れたんべ」と言うと、「心配するな。利上げ(*注)してある」とオチ。

世の中、聞き違い、見間違い、言い違い、勘違いなど、そそっかしい人のいろんな間違いで、騒動を起こすことが多い。聞きかじったことを勘違いして、要らぬ噂を流して喜んでいる人たち。また商業主義に流されて、煽り記事を書くマスコミの若手の未熟な記者たちも大いに反省すべきだろう。これなどは、見当違いと言うのだろう。

*注

「利上げ」とは、質屋言葉で、利子だけ払って、期限を延ばしてもらうこと。念のために記せば、「流れ」とは、期限までに返せず、担保の質が流れること。

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