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2011年10月 5日 (水)

波乱万丈の千姫の一生

戦国時代、政略結婚で、多くの子女は無理やり結婚させられている。ただし、皆が皆、不幸せかと言うと、決してそうではなく、幸せな時を、一時的かもしれないが過ごしている女性も多い。ただ概して波乱万丈の人生を送っている(*注)。

千姫も、その一人かもしれない。彼女は、信長の血をひいて、美貌であったと伝えられる(「千姫絵姿」による。茨城県の弘経寺蔵))。その彼女は徳川二代将軍秀忠と、大河ドラマでも取り上げられた、あの江(ごう)の長女として、1597年、4月11日生まれる。ここから彼女の波乱に満ちた歴史が始まる。

彼女は、7歳で、徳川家の政略結婚に利用される。相手は、豊臣秀吉の子、秀頼だ。仲は良かったという。彼女は面食いで、秀頼が、美丈夫だったからという。世にも珍しい美男美女の組み合わせだ。

だが、幸せは続かない。実家の徳川家が、豊臣家を滅ぼすために、大阪城に攻め寄せる。だが、この時、秀頼の妻として、夫や淀と共に、籠城。その後、慶長20年(1615年)、大阪夏の陣では、大阪城も落城し、秀頼と死別し、千姫も後を追うつもりだった。

ところが、家康が、「救出させれば、千姫をやってもよい」と、坂崎出羽守に命じて、脱出させたと言われている。しかしながら、脱出した千姫は、救出時、火傷を負った坂崎出羽守を嫌い、相手にしなかったと伝えられる。

ただ、実際は、秀頼が、千姫に逃げよと命じ、豊臣方の紀伊新宮城主の嫡男、堀内久氏に、徳川方に届けさせたのが事実とも云われる。坂崎出羽守は、単に、秀忠に引き渡しただけのようだ。どうも、ここら辺は、歴史小説家が事実を知らずに作り話をした可能性もある。

そして、彼女は、江戸への帰路の途中に、桑名藩藩主、本多忠政の子、忠刻に一目惚れ。1616年、この時代には、珍しい恋愛結婚をする。家康も、政略結婚に使った負い目もあり、認めたのだろう。また千姫が、忠刻の母、熊姫(ゆうひめ)といとこ同士だったことも影響しているようだ。年齢差の大きい、いとこということになるが、それが幸いしたのかもしれない。

元和3年(1617年)、本多家の転封に伴い、多額の持参金と共に、姫路城西の丸に移り住む。1618年、長女の勝姫を生み、1619年、男の子を生む。それが長男、幸千代だ。残念ながら、幸千代は3歳で、1621年病没。その嘆きは、大きかった。書写山円教寺に葬る。

姫は、その後、男子出生を強く望み、男山千姫天満宮を建立し、羽子板を奉納。西の丸長局の廊下から朝夕、遙拝したという。残念ながら、その願いも叶わず、1626年、夫は病の床に。父親の本多忠政は、廣峯神社の拝殿等を修復し、平癒を祈願したが、その甲斐なく若くして病没。書写山円教寺に葬る。

千姫は江戸に戻り、落髪。天樹院と称する。姫路城にいたのは、10年程度ということになる。1628年、長女の勝姫を当時、鳥取藩主の池田光政に嫁がせている。1666年2月6日、千姫没。享年70歳。

*注

「波乱万丈」については、「波瀾万丈」が正しいのではないかという指摘を受けたが、広辞苑によると、「波乱万丈」もありとある。但し、一般的には、「波瀾万丈」がよく使われているかもしれない。

*追記

千姫は、結婚した相手が二人とも若くして亡くなっているので、いろんな噂が立つ。世間は何かとうるさい。例えば、男殺し、淫乱等々散々。でも、実際はそんなことはなく、我がままだったかもしれないが、自分が惚れた男には命がけというようなタイプではなかったか。

後、母親の愛情に飢えていた弟の家光が千姫を慕い、相談相手になり、蔭から支えた、その人柄が偲ばれる。

*参考

その彼女を扱った『江の娘 千姫展』が、姫路文学館で、開館20周年として、記念特別展が開かれる(この催しはすでに終了しています)。副題は、「愛とかなしみに生きて」である。

展覧会では、千姫の生涯を、「戦国の姫君~徳川家と豊臣家のはざまで~」、「白亜の新天地~姫路城での十年」、「慈母として~落髪以後~」のコーナーで順次紹介する。

その他には、「徳川秀忠千姫宛書状」、「本多忠刻太刀」、「千姫 徳川秀忠宛消息」、「千姫奉納羽子板」も展示。

   『江の娘 千姫展』  姫路文学館 

           http://www.city.himeji.lg.jp/bungaku/

           北館特別展示室及び南館ギャラリー

     期間 平成23年10月7日より11月27日まで

     開館時間 午前10時より午後5時まで。

*追記

なお、姫路文学館の、近くに(本当は傍と言った方がいいかも)千姫天満宮がある。今回展示してある羽子板のあるところだが、ここには、恋愛成就祈願の羽子板形の絵馬を奉納すると、いいことがあるそうだ。多分(笑)。

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