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2011年12月28日 (水)

2012年動向予測 国内編(一) 経済

今回から、2012年動向予測 国内編。

③日本経済の動向(2011年と基本的に同じ)

2011年は、ユーロの崩壊前兆の動き、米国債の格付け下落、東日本大震災等、色々あったわけだが、2012年も、その流れの影響を国内も受ける。ただ、貿易面では、欧米中心からアジア中心に転換が成功しつつあり、改善の方向にある。

しかしながら、円高の影響を受けるため、輸出産業は、従来の発想の延長では苦境につながる。経団連トップをはじめ、鉄鋼界、自動車業界、家電業界には、まだ輸出志向が強いが、アジアで競争に勝つには、市場に近いところに、工場を展開するしかない。

企業戦略としては、海外で競争に打ち勝つ戦略商品は海外で生産し、付加価値の高い商品は国内で生産ということになる。確かに、自動車とか家電商品は、国内市場では飽和状態にあるが、開発の余地がなわけではない。それは各社の知恵の出しどころであろう。

内需の方は、団塊の世代の退職による縮小再生産の流れは止まらず、不況感は止まらない流れは変わらない。ただ、国内消費が消滅したわけではない。これを不況と考えず、新たな変化と捉えればいい。すなわち、国内の需要構造が変わっただけなのだ。

残念ながら、主たる消費者が変わり、消費のスタイルが変わっているのに、企業がそれについていっていないと言うこともできる。今まで、惰性でやっていたマーケティングを根本的に見直すことで新しい需要の創造は可能であろう。ただ、目の肥えた中高年を相手にするのだから、中途半端な付加価値では、共感は得られないと覚悟すべきだ。

よって企画開発する人材の年齢構成も見直しが必要だ。まとめて具体化する作業は若い人に任せてもいいが、感覚価値については、対象とする市場と同年代か、少し上の意見を取り入れた方がいい。若い人は、それに現代的な価値を付加するか、ミックスする思考が求められる。

最終的には、比較的耐久性がよく、国内で作られた品質の良さを求めるようになるだろう。基本的に、全産業で、長く使えて、付加価値の高いモノづくりが求められる。いかに手間暇かけて、大袈裟に言えば、子孫に残せるようなモノづくりするかが、再度問われるようになる。

以上のことを整理すれば、アジア諸国には、市場に近いところで戦略商品を作り、一部富裕層には、日本から輸出する。そして、国内市場に対しては、顧客層を見直し、新たなマーケティングにより、市場を再度捉え直して、付加価値のある商品・サービスづくりをする。そうすれば、産業の空洞化は防げる。

また、貿易面では、関税で、他国からの輸入を減らすことは段々難しくなる。ただ市場開放しても、選択するのは消費者だ。国内の生産者は過度に不安を持つことのないようにしたい。もちろん、国内産業を保護しつつ国際競争力をつける必要がある。

TTPの議論が騒がしいが、基本的に市場をアジア、広くは環太平洋に広げる発想が求められる。こういう考え方は、既得権をもった古い産業は抵抗しがちだが、やる気のある企業にとっては、新しいチャンスだ。

もちろん、TTPのような多国間自由貿易の仕組みは、一挙には難しい。しかし、いつ国が市場を開放しても対応できるように準備しておくことは、企業力を強めることは間違いない。

懸念されることは、TTPは米国の無条件自由貿易の要求に近い。ところが、彼らは国内産業に多額の補助金を投じて、海外にダンピングしている。それは交易において、フェアではない。TTPへの取り組みは慎重な交渉が求められる。

いずれにせよ、市場を広げる発想は求められる。TTPに参加するまでに、多くの二国間で、FTAを成立させ、その中で、国内調整を図りながら、自由貿易(ここで言う自由貿易とは、限られた範囲内での自由貿易である。それをブロック経済と批判する人たちがいるが、戦前のブロック経済と状況は大きく異なる。また完全に理想的な自由貿易は存在しない)の有難味を享受しつつ、最終的に、多国間自由貿易に切り替えるのがベストと考える。

なお、東日本大震災に対する復興需要は、一定程度経済を押し上げるが、全体に及ぼす影響度は、小さいと見る。なぜなら、復興需要は、ほとんどが復旧事業であり、マイナスをゼロに戻す作業に過ぎない。

④原油価格の動向

原油は、毎度のことだが、予測しがたい。ユーロの崩壊の影響を受けて、アジア市場が縮小する可能性もある。その場合は、原油市場は下落する。

日本としては、資源リスクがあるため、脱原油政策を推進すべきなのだが、福島原発の事故により、日本では原発を今後、推進することは難しくなる。電力会社は、再度、火力発電に取り組んでいるが、今後も原油を使っての火力発電がいいか問われる。

それで、最近注目されているのが、天然ガスだ。シェールガスと言われるものだが、最近の技術で採掘が可能になった。米国は、シェールガスの宝庫であるので、今後、期待されるが、米国としては、資源戦略として、国内の資源は、できるだけ海外に売り渡したくないようだ。

だが、シェールガスは、別に米国だけにあるものではない。オーストラリアでも試掘されて、その権利を日本の商社が持つようだから、ある程度は輸入可能になるだろう。米国も、今後の国内経済を考えると、輸出した方が、経済の立て直しに貢献すると考えれば、狭い了見で考えてほしくない。

日米同盟と言うのなら、日本にだけは供給してほしいものだ。ただ、いずれにせよ実現までには、後数年かかるようだ。そうなれば、原油の価格に少なからず影響を及ぼすだろう。

⑤金利の動向、為替の動向、株価の動向

基本的に、これらは予測は難しい。本年から、具体的数字による予測を止める。プロのエコノミストでも、その予測は当たらないのに、流風ごとき素人では、具体的数値を当てることは不可能に近い。それは思惑の世界だからだ。もちろん、長期としては傾向があるが、単年度で予測することは不可能に近い。流風が考える傾向について、以下に少し記す。

金利の動向は、ユーロの崩壊の可能性、米国の不況、アジアの停滞などで、金利は低く抑えられる傾向が続くだろう。

為替の動向は誰も予測できない。ただ、2012年は、大きく振れるかもしれない。それはユーロの動き次第だ。円高は、ある時点で一服するかもしれない(底を打つ時期は不明)。

株価の動向も、振れ幅の大きい相場になるかもしれない。ただ、日本の株式市場は、短期的には、底を打つかもしれない。

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