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2011年12月29日 (木)

2012年動向予測 国内編(二) 政治

2012年動向予測 国内編(一)の続き

⑥日本の政治動向

日本の政治は、長い混沌の時期を過ごしている。長期、自民党政権のマンネリ政治が続いた結果、保守勢力が大きくなりすぎて、国家の勢いが停滞した。それに飽きた国民が民主党政権を選択したが、何分、政権に不慣れ。それでごだごたしている。

選挙でマニュフェストを乱発したが、国にお金がないから、夢物語になって崩壊。でも、こんなことで国民は怒らないかもしれない。民主党のマニュフェストは半信半疑で受け取っていたから、ある程度、予測していた。未経験の政権運営は、確かに困難だろう。

鳩山政権では自らの気負いから、足元をすくわれ、同盟国の米国に不信感を与え、沖縄問題を複雑にした。それに代わった菅政権では、東日本大震災と福島原発事故と、前代未聞の災害処理対応に追われ、本来の政治は何もできなかった。

菅前首相の場合は、原発事故対応でいろいろ批判されているが、基本的に胆力が不足していたようだ。財務大臣とか外務大臣等、主要の大臣や党の主要な役職の経験もなく、首相になった、その苦労は分かる気がする。ただ現実は待ってくれない。確かに、民主党政権は、ついていないかもしれない。だが運を引き寄せるトップでもなかったのだろう。

それに、国会は、衆議院では民主党が大勢を握るものの、参議院では、野党が多くを握るため、いわゆる、ねじれ現象が生じている。これは国民の選択で、そうすることで、与野党の政策がより練られると思ったが、大きな勘違いであった。国民も、大いに反省しなければならない。

国会のねじれは、国民にもメリットが小さいと分った。日本の政治は、そこまで熟成していない。結果的に、与野党で足の引っ張り合い。国民は、ねじれの選択は、今更、誤ったと判断するが、どうしようもない。せいぜい次の選挙から改めるだけだ。

さらに民主党では、政争のための内部抗争。そういうところで、野田首相が選ばれた。彼は言葉を選び、慎重な政権運営を心掛けている。そういう政権運営は、どうしても官僚重視のやり方になる。もちろん官僚の出す提案がすべて悪いとは言えない。優先順序を決めるのは政治家だ。問題は、それができるかにかかっている。

例によって、マスコミは、重箱の隅を突っつくようなことをして、足を引っ張るが、海外のメディアは、自国の国益を考えない日本のマスコミの後進性を笑っている。いい加減、大人の報道をしてほしいものだ。政治家を調子に乗らない程度に褒めて使うことも必要だ。

基本的に野田政権は続くだろう。続けざるを得ない。慎重な政策運営をすれば、彼を辞めさせる理由は見つからない。それに国民は短期政権はメリットが国民にもないということを自民党政権から続いた過去の短期政権で嫌というほど味わった。

経済政策は停滞し、外交も、短期だと成果は全く出ない。海外から相手にされない状況が続き、官僚が、ちまちました外交を続けると、日本にとって、マイナスだ。

消去法で選ばれた野田首相だが、地味ではあるが、彼の話していることはわかりやすいし、論理的にも誤りが少ない言い回しをしており評価できる。多分、海外も評価しているのは、そういうところにある。

ただ、民主党の広報の弱さは未だ解消していない。何をやりたいのかを十分、国民に広報すれば、マスコミも、おいそれと、いい加減な批判はできなくなる(もちろん、完全な政策などはありえないので、批判しようとすればできる)。

アキレス腱があるとすれば、民主党の支持母体の労働組合だろう。特に官公労は問題が大きい抵抗勢力だ。国家公務員の人件費削減に対しても抵抗しているが、これを許すことはできない。彼らに対する交渉力が、どのように発揮されるか。

国の予算は、社会保障と国と地方の公務員の直接・間接の人件費より成り立っているのが実態だろう。赤字国債を出して、公務員の俸給を支払っている。公務員の人件費の7.8%の削減をしなければ、いずれ30%、40%のカットが待ち受けているのに呑気すぎる。財政のことが理解できたら、本来、抵抗できないはずだ。

もちろん、公務員と言ってもピンからキリまである。比較的高給を取っている上級職公務員に、まず切り込む必要があるかもしれない。そんなことを言えば、やる気に影響すると言われるかもしれない。でも、このような状況を作ったのは上級職公務員だ。

消費税を上げて財政再建に取り組むのなら、公務員の人件費カットにも協力すべきだろう。民間企業では、すでに倒産しているのだから、俸給がもらえるだけありがたいのだ。

しかしながら、もっと大切なことがある。それは公務員の役職を大幅になくすことである。国や地方は、国民に奉仕する公共サービスであるのだから、本来、国民満足のためには、いち早く国民の意見を吸収して、それを活かす組織でなければならない。

そのためには、ピラミッド組織では駄目で、フラットな組織にする必要がある。組織を簡素化して、役職を整理する必要がある。そうすれば、副次的効果として、人件費は大幅に圧縮できる。先進的な地方自治体では、すでに成果を上げている。俸給カットにも工夫がいるのだ。

人件費カットの問題点は、カット分は、国債残高を減らすことに使われるべきということ。その他の予算に振り替えるのなら、カットの効果は薄い。民主党政権は、そのことを理解していないことを危惧する。

⑦政界再編は起こるか

民主党の人たちは、やっと政権のうまみを多くの人が感じ始めている。政権にいなければ、やりたいこともできないと。ただ、一部の議員たちが、消費税アップをマニュフェスト違反として、離党するらしいが、選挙目当ての離党は、あまり宜しくない。私利私欲の人たちだろう。

多分、その他の非主流勢力は、政権を手放すデメリットを感じて、政権を何とか維持しようとする力が働くかもしれない。その場合は、政界再編の可能性は薄くなる。今の流れだと、多分、そのようになる。政界再編は、当面ないと見る。

ただ、民主党の代表は2年任期と短い。野田氏は、管首相辞任を受けて、代表選を勝ったので任期は、2012年9月までだ。次回の代表選から3年程度に伸ばすようだが、それでも短いだろう。政権党は、首相が代わる時だけ、代表選をやればいいのだ。

未だに、野党の時の仕組みを継続するのは全く理解できない。また選挙をするのだ。政治日程は詰まっているのに、呑気に選挙する。代表選の仕組みを変え、民主党は、代表の任期を4年にすべきだろう。そうしないと、いつも政権が、党内権力闘争のため、浮き足だち、ごたごたしているイメージはぬぐえない。早く党規を改正すべきだろう。

他方、野党の自民党も、若返りを図りつつあるが、政治理念的には保守系、自由主義系、リベラル系の三つがあり、政策的に、ぼやけてしまう。それに、党の改革派を潰している。改革派には、比較的優秀な議員がおり、彼らが腐ってしまえば、自民党の将来はない。

さらに野党としての資金繰りも悪化し、早く政権に戻りたいから、その辺で、齟齬が生じる可能性が高い。貧すれば鈍する典型であろう。よって早く解党した方が自民党にとってよいだろう。自民党よ、さようならというフレーズがいずれ流れてくるだろう。新党を作って、新しい理念の下に、集結させれば、一大勢力を作るのに、そんなに時間はかからないだろう。

その場合は、政界再編の機運が起こる。自民党が解党せず、何もやらなければ、ただただ衰退して、万年野党になるだろう。それは公明党も同じだ。公明党には、政策提言できる人材がおらず、存在価値は薄く、賞味期限が終わっている。同じく解党して、現在の支持母体にとらわれない新党を作って、人材を広く集めるべきだろう。

みんなの党は、今後の政局の要になる可能性が高い。大阪では、大阪維新の会が勢力を伸ばしており、その主張は通じるものがある。極論も多いが、政策の練り直しがなされて、実際的なものにバージョンアップがされれば、勢力は伸長するだろう。

⑧財政再建のための歳出削減

自民党政権は、減税で歳入を減らしておきながら、歳出を逆に膨らまして、財政を極端に悪化させてしまった。基本的に、国際経済の動きを十分に理解していなかったためで、財界に突き上げられて、政治家の経済音痴が招いたと言えるだろう。最近の財界と言うのは、どちらかというと、目先しか見ていない。政治献金がらみで、彼らの言葉を信じたのが、大きな間違いであった。

民主党政権は、税収構造をかつての仕組みに戻して税収が増えるようにしておくとともに、歳出削減に踏み込む必要がある。それは政策の整理であろう。優先順序を明確にして、事業を整理するしかない。

残念ながら、2012年度の予算では、それができていない。東日本大震災や福島原発事故処理に追われて、それどころでなかったことは分るが、政治的妥協もしくは官僚との交渉負けの感じは拭えない。

また、民主党政権は、折角、事業を整理・効率化して財源を見つけても、また新しい政策に投じており、これでは財政再建はいつまで経っても達成されることはない。やるべきことは、まず見つけてきた余剰財源で国債残高を減らすことが求められる。

昔、発行したものが利率が低いとか高いとか、みみっちいことは言わずに、早期償還も辞さない覚悟で臨むべきだろう。そして、その減り方の状況を国民に示すべきだ。そうすれば国民に国の努力が認められる。国債残高が積み上がる限り、国は何もできないと国も国民も知るべきだ。

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