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2011年12月27日 (火)

2012年動向予測 国際編(五) 日本外交

2012年動向予測 国際編(四)の続き

②日本の外交(概ね2011年の見方と変えていない)

21世紀は、基本的には、基本的には、アジアを中心として、環太平洋に経済のウエイトが高まる。当面、中国、インドを中心として、その周辺国家の成長に期待がかかる。今後の外交は、やはり発展途上国、後進国の人口ボーナス期の見極めが大切と思う(*注)。

全体としては、先進国の財政破綻の波の影響を受けながらも、数十年は、成長していくだろう。すなわち、ASEANプラス3(日中韓)、ASEANプラス6(日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランド)、APEC、そして最近、騒がしいTPPへと拡大していくイメージだ。

その中で、TTP(環太平洋戦略的経済連携協定)の名が表すように、環太平洋地域が世界経済の中心になっていく。そこで、米国と中国が綱引きしているのが実情だ。日本としては、両方に参加して、世界がうまく回るように仕組めばいい。それぞれの国には国益があり、その調整を合理的にやればいい。

米国は合理的かと言えば、必ずしもそうでないだろう。本音(功利)のためには、柔軟に、ある意味、ご都合主義で建前(理想論)を簡単に捨てる。日本は、彼らの表向きの発言をまともに受けすぎて、振り回されてきた。米国は、基本的に、理想より功利(ビジネス)が優先する国だと考えておいた方がいい。理想は駆け引きの手段に過ぎない。ただ、そればかりだと、多くの国はついて来ない。

その点、日本は両方の気持ちが分かるので、両者の妥協点を引き出しやすい。日本は、従来、アジアで、そのように活動してきたから、日本があらゆる地域経済統合グループに参加することによって、前進が可能と判断する。以上のことを、一般国民も頭に入れて、外交を考えるべきだろう。

さて、次に世界の政治動向を見てみると、以下のことがわかる。すなわち、2012年は国際的に選挙の多い年だ。すなわち、中国の国家主席が交代する。韓国(12月)、ロシア(5月)、フランス(5月)、インド(7月)の大統領選挙もある。そして、2012年11月には、米国の大統領選挙だ。

国際情勢は流動的だが、大きな枠組みが変化するわけではない。確かに、中国との関係は難しくなると予測されるが、「戦略的互恵関係」として、淡々と付き合えばいい。隣国故、歴史的には長い付き合いだ。そこでは、各種、いろんな問題が生じるのも致し方ない。

中国との純粋な同盟は無理だが、そうかと言って、敵対関係になることは望ましくない。そのことは中国も理解しているだろう。その上で、多重的かつ多面的な交流を促進する必要がある。ただ、国家主席の交代は、日中関係を難しく複雑になるのは間違いないだろう。

しかしながら、2012年は、日中国交正常化40周年であり、また以前のように政冷経冷とはならないだろう。政治的に、いかなる変化があっても、経済界は、ビジネスを、淡々とやればいい。ただし、総合的にみると、日本にとって、当面、ややメリットが薄くなる傾向は避けられない。後は、中国の出方次第だろう。

次に、米国の大統領選で、指導者が変われば、日本への対応は若干変わってくる可能性もある。米国も財政状況が厳しいので、日米間の諸案件がスムースに進まないことも考えられる。ここは、小さな誤解を招かないように、コミュニケーションを以前にもまして密にすべきだろう。

それに米国は最早、中国を敵対的ではない戦略的パートナーと考えており、競争者と位置付けていることも考え合わせ、日米関係では、外交戦略転換が求められる時期に入っている。日本としては、いろんなケースを想定し、最悪の場合の手も打っておく必要がある。それには、自らの情報入手に基づく世界の情報分析の強化による、あるべき外交戦略の確立だ。

そのためには、日本は、まず民間と協力しつつ、アジア外交を強化すべきだろう。そして、米国は、日本をアジアの窓口として、代理店とする位置づけが望ましい。米国的なアジア・アプローチではなく、日本的なアジア・アプローチを主体として、米国にもビジネスには、参加してもらうやり方が望ましいだろう。それが、政経軍における新しい日米の同盟のあり方だ。

米国は最終的に、ビジネスができて成果が出れば、それでいいはずだ。そういう意味で、彼らはジャパン・アプローチを尊重すべきだ。後は、米国が、どれだけ日本を信用するかということに尽きる。

他方、日本政府は、米国の外交戦略を注視しつつ、現実的な視点で、米国と話し合う必要がある。たとえば、米国の外交姿勢としては、対中国に対して、戦略的パートナーと位置づける一方、中国を牽制することを発想する。TPPも、その一環だ。

そのためには、インドとは、中国を牽制する意味でも、将来は、米印同盟も視野に入れておかなければならない。日本は、日本で、日印同盟も将来的には描いておく必要がある。それは結果的に、日米印同盟で、膨張する中国を牽制することにつながる。

もちろん、それは中国に敵対するものではないことは確かだ。これは膨張する中国に対して、懸念を示すアセアン、東南アジアの人々の安寧のためだ。それは、アジアの安定と平和を意味する。

また、米国は、いずれ日本駐留部隊を、海外に持っていく。その結果、日本としては、自衛隊など防衛力の再点検と再整備が求められる。国を守るのは外国の軍隊ではなく、自国の軍隊であると再認識する必要がある。もちろん、国民の認識も改める必要がある。以上のことを整えて、同盟をどうするか考えなければならない。

また日本の外交は、米国との同盟は必要だが、米国の外交を補完する役割を担うべきであろう。戦後は、日本外交は何を考えているのか、よく分からないと米国側からクレームが来たようだが、巧みな外交を展開した。

例えば、米国と敵対的な国とも外交ルートを常に確保していくことは大切である。何でもかんでも、米国に追従すればいいというのは、子供の外交である。日本の外交も改めて本格的な脱皮が求められる。

その他では、欧州(ユーロ)が主体となって、作ってきた各種仕組みや世界的な規制は一旦捨て去ることが求められる。欧州による規制事項は、彼らにとってメリットがあっても、他の諸国には、あまりメリットがない。にもかかわらず、日本の官僚たちは、何もかも受け入れてきた経緯がある。

21世紀のアジアの時代には、それに相応しい新しいルールを、日本等アジア(米国はオブザーバーとして参加もしくは主体的に参加)が主体となって、作る必要がある。欧米が作った世界標準が世界に通用すると考えるのは幻想だと気づくべきだろう。これからのアジアに相応しいルール作りに日本の主張を明確にすべきだろう。

*注

これらの国との関係をビジネスだけで考えると、多くの困難がある。それは資本不足であろう。ビジネスは、基本的に金持ちに売れという原則がある。金のないところには物は売れるが回収するのには苦労がいる。

但し、外交は、ビジネスの線路を敷くようなもの。長期的に国家にメリットがあると判断されるのなら、それは望ましいことだろう。多くの経済連携は、短期的には日本にメリットがないことが多いが、将来の「得意先」を育成するつもりで取り組む必要がある。

また、人口が多くても、今後、発展するとは限らない。特に教育の遅れのあるところは、国が発展する可能性は薄い。所詮、一部の権力者による独裁政権が、はびこるだけで、そこにビジネスメリットを長期的に見つけることは困難だ。

以上で、2012年動向予測   国際編 了。

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