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2012年1月24日 (火)

『截金(きりかね)の人間国宝展』を鑑賞

金箔を使った工芸展があると聞いて、早速、見に行ってきた。それは明石市立文化博物館で開催されている『截金(きりかね)の人間国宝展』だ。截金とは、薄く打ち延ばされた金箔や銀箔を竹の刀で切り取り、それらを様々に張り付けて、模様を作る技法だ。

日本には、飛鳥時代に伝わり、元々は仏像や仏画に施された。その華やかさは、やがて平安文化を支える重要な要素になる。ただ、高度技術のため継承が難しく、仏師を中心とする人々のみに受け継がれてきて、衰退の域にあった。今回は、それを大正・昭和期に、途絶えていた技法を復活させた二人の人間国宝にスポットをあてて、展示してある。

その人間国宝とは、齋田梅亭(さいたばいてい。1900~1981)と西出大三(にしでだいぞう。1913~1995)のお二人だ。

齋田は、西本願寺御用の截金師の家に生まれ、京都市立美術工芸学校で図案を学ぶ。元々、そういう環境に生まれた彼は、兄に師事する。やがて、仏画の装飾では飽き足らず、木の特性を生かし、屏風、衝立、筥や茶器に、精密な幾何学模様を施した作品を世に出していく。

西出大三の方は、東京美術学校で彫刻を学ぶ。在学中に截金に触れ、消えゆく伝統の技が滅んで行くのを惜しみ、独学で研究し、復元していく。自ら木に施した彫刻に、彩色した上に、截金を載せていく。

二人が截金を手掛けた経緯は全く異なり、その表現も異なるが、精密さという意味では共通する。そして、精密さをベースに、優雅な美しさという妙なる調和がある。それは厳しい環境下で生みだされている。

金箔は、風や湿気が大敵であるため、作業場は酷な状況での作業になり、そこでの作業は大変な集中力が求められる。お二人の苦闘の跡がうかがえる作品ばかりだ。観覧者は高齢の女性が多かったが、若い女性も一見の価値があるだろう。

それにしても、この博物館は、次々と流風を刺激してくれる展覧会を催してくれる。大きな博物館ではないけれど、企画がいいと、展覧会に行って鑑賞すると満足感は大きい。今後の企画にも期待大だ。

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