« 漢詩、高適の『田家春望』 | トップページ | これからの被災地の支援とは »

2012年3月 9日 (金)

漢詩、岑参の『韋員外家花樹歌』を読む

今回は、岑参(しんじん)の『韋員外家花樹歌』を取り上げてみる。読み下しは、「韋員外家の花樹の歌」ということになる。岑参は、節度使の幕僚が長かった人。

  今年の花は去年に似し好し

  去年の人は今年に到りて老ゆ

  始めて知る 人は老いて花に如かざるを

  惜しむべし落花 君掃うこと莫かれ

  君が家の兄弟 当るべからず

  列卿 御史 尚書郎

  朝より回れば花底に恒に客を会す

  花は玉缸を撲(う)って春酒香(かん)ばし

解釈を示すと、次のようになるだろうか。「今年の花は、去年同様、美しい。しかし、去年、その花を見た人は、今年は、歳を一つ重ねている。人は、そのように老いるのに、花は、毎年、美しい花を咲かせ、人は、とても花には及ばないことを、今更になって気付く。そう思うと、散りゆく花を惜しんで、君よ、掃除をしてくれるな。

ところで、君の家の兄弟には、とても太刀打ちできない。皆さん、列卿、御史、尚書郎という立派な地位に遇せられている。皆さんが朝廷より帰られれば、花が咲いている下に客人を招いて、宴会が開かれる。花は卓上の酒甕に落ちて、春の酒をより芳しくすることだろうよ」。

要するに、韋員外の人々を、羨望の目で称えたものだろう。多分、韋員外の人々は、岑参より若い感じがする。ただ、落ち花は掃除しないと汚くなる。その辺に、「落ちて行く人々を見捨てないで、私達は、あなた方の引き立て役に役に立ちますよ」というような裏の意があるような気もする。そうであれば、少し、卑下のポーズが強すぎる気がするなあ。でも、サラリーマンの悲哀と通ずるものがある。

*参考 出典『唐詩選』

|

« 漢詩、高適の『田家春望』 | トップページ | これからの被災地の支援とは »

古典文学・演芸」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 漢詩、高適の『田家春望』 | トップページ | これからの被災地の支援とは »