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2012年3月 4日 (日)

送別の漢詩『春夜、友人に別る』

最近、大学の秋入学が騒がれているが、日本は、春がスタートするに相応しい。国際化に合わせることも大切だが、単なる迎合なら、あまり意味はない。大学の国際化は必要だが、あまりビジネス中心に考えるのも、どうかと思う。

さて、そのことはさておき、春は新しい出会いと共に、別れの季節でもある。それを題材にした漢詩は多い。今回は、その中で、『唐詩選』に載っている陳子昂(ちんすごう)の「春夜別友人」を挙げておこう。訓み下しでは、「春夜、友人に別る」となる。

  銀燭 青煙を吐き

  金尊 綺筵に対す

  離堂 琴瑟思い

  別路 山川繞(めぐ)れり

  明月 高樹に隠れ

  長河 暁天に没す

  悠々たり洛陽の道

  此の会 何れの年にか在らん

蛇足の解釈としては、次のようになるかもしれない。

「銀色の燭が放つ火の光は、青い煙を吐いている。それに照らされて金色の酒壺は、華麗な宴会の前で、見事に美しい光を放っている。送別の宴会が開かれている部屋では、琴や瑟を使って、別離の曲が奏でられている。これから君が行く道々には、多くの山河があることだろう。今、明月は落ちかかり、高い樹に隠れて見えなくなった。天の川も、とうとう、夜明けの空に姿を消してしまった。洛陽までの道程は遠い。ああ、このようにして、君と、再び、見(まみ)えるのは、いつのことになるのだろうか」

陳子昂は、富豪の生まれだったが、彼らにありがちだが、少年の頃、ぐれて、任侠の世界に憧れ、博打にのめり込む。しかし、郷里の学校に入り、更生し、学問に励んだという。この詩の友人が誰であるかは分っていない。

3月には、卒業して、進学したり、あるいは就職したりして、多くの人が別れを迎える。社会人も、転勤等で、親しい同僚と別れがあるかもしれない。会うは別れの始めなのだ。しかし、新しい出会いもあることは確かだ。人生に於いて、それは仕方ない。

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