« 山片蟠桃のこと | トップページ | 若い人の生活設計 »

2012年6月 2日 (土)

清水公照という人

清水公照の作品が見たくなり、先日、「姫路市書写の里 美術工芸館」に行ってきた。ここには清水公照の泥仏が約300体展示されている。その他にも、彼が制作した壺、皿、花器、書画などが展示されていた。

清水公照と言っても、十年くらい前に遷化されているから、若い人は御存じないかもしれない。彼は、東大寺第207世、208世別当だった僧だ。かつて彼の講話を聞いたような記憶があるが内容は覚えていない。きっと、皆を笑わせていただろう。庶民には、身近なお坊さんと思っていた人が多い。

不思議な人格の持ち主で、彼がいると人が集まり、お金も集まった。それゆえ、東大寺大仏殿の昭和大修理も成し遂げられた。庶民との接触を大切にし、洒脱なおしゃべりで、人々を魅了し、昭和の「良寛」として親しまれた。

ただ、彼は、若い時から、そうであったわけではなく、50歳を過ぎて、東大寺幼稚園園長に就任してから、大きく変わられたようだ。すなわち、園児たちと触れ合うことで、何かを得られたのだ。園児たちは、屈託がなく自由で、絵を描かせても、紙粘土の人形を作らせても、捉われのないものを作る。

それに触発されて始めた彼の絵や紙粘土を陶土に置き換えて作った人形の制作や絵付けは、どこかユーモラスで、温かみがある。見ていて、ほっとする感じだ。ところが、彼の家族のよると、私生活は神経質で、謹厳実直であったという。作品内容は、全く逆の感じだ。作品に自分とは逆のものを求めたのかもしれない。確かに、そういうことはあるだろう。

いや、そうではなく、かつて、「芸術は爆発だ」と言った芸術家もいたが、彼の本質は、芸術に現れているのかもしれない。家族には、神経質に見えても、本当は楽天家だったのかもしれない。そうでなくては、あんな大事業は成し遂げられない。自分の本質は、案外、作品に出てしまうものらしい。

*参考 姫路市書写の里 美術工芸館

姫路駅より、神姫バス「書写ロープウェイ」行き終点下車。約25分かかる。降りて、歩いて3分。今の時期は、書写山の麓にあるので涼しい。竹藪の中にある。また、ここから、ロープウェイに乗って、書写山円教寺に行くのもいい。一般的には逆コースらしい。つまり、ロープウェイ上り→円教寺→ロープウェイ下り→レストラン・食事→姫路市書写の里 美術工芸館。

|

« 山片蟠桃のこと | トップページ | 若い人の生活設計 »

姫路と播磨」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 山片蟠桃のこと | トップページ | 若い人の生活設計 »