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2012年7月 1日 (日)

半夏生と狂言『蛸』

今年(2012年)の半夏生は、いつもは7月2日になることが多いが、本年は、本日、7月1日だ。なお、半夏生は、一年二十四節季を更に候で区切ったひとつのこと。夏至から数えて、11日目の7月2日頃からの5日間をいう。

関西では、蛸を食して、豊作を祈る風習がある。蛸に含まれるたんぱく質やタウリン、亜鉛が疲労回復、夏バテ防止に利くということから広まった。蛸の産地の兵庫県明石市では、色々催しが計画されているそうだ。ただ、一部の地区を除いては、蛸を食する風習は、そんなに広がっていないと思っていたが、最近は、東日本でも、取り入れているらしい。

今回は、そういうこともあり、狂言『蛸』を取り上げよう。ただ、通常の狂言と多少趣が異なり、能の色彩が強い。しかしながら、題材に蛸を取り上げたところが狂言らしい。演者によっては、非常にユーモラスに演じられるらしいのだが、残念ながら、まだ舞台で観たことはない。

筑紫の僧が、播磨の国、清水の浦(現在の明石市周辺)にやってくると、蛸の幽霊が現れる。それは去年の春に死んだらしく、回向してくれと頼み、消えていく。

そこで、地の者に、そこに建てられている卒塔婆の謂れを聞いてみると、所の者は、昨年、大蛸が揚がったので、皆で食べたが祟りがあったので、慌てて卒塔婆を立てて弔ったと語る。そこで、僧が、「生蛸生蛸」と祈ると、蛸の霊が現れ、最後の有り様を語る。

大綱を曳きまわされ、遁れることもできず、捕えられ、皮を剥かれ、張り蛸にされてしまう。苦しんでいた蛸も、弔いを受けて成仏して、消えるというもの。そういうと、今の時期、張り蛸が干されている風景はよく見る。

明石の蛸は、昔から食されていたのだろう。今でも、美味しいので、時々買う。スーパーには、海外産と明石産が並んでいるが、明石産は少し高いが、色艶がいい。最近は、たこ焼きには海外産を使用されることが多いらしいが、海外でも、段々取れなくなって、価格が上がっているとのこと。今後は、蛸も高値の花になるのかな。本日は、蛸とキュウリの酢の物にして食するとしよう。

*追記

8月8日には、別途「タコの日」というのがあり、蛸供養が、蛸の産地で催されるそうだ。

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