日本の貧困とは
最近、日本でも、貧困率が語られるようになった。厚生労働省の発表したデータ(平成21年)によると、一人世帯で年収112万円以下を相対的貧困と言うらしい。貧困率は16%と指摘する(*参考)。
この貧困率は、相対的貧困率と呼ばれるもので、「全国民の等価可処分所得の中央値の半分に満たない国民の割合」を指すとのこと。要するに、他者と比較した相対的な貧困率なのだ。よって、この貧困率が、絶対的貧困率とは異なり、それほど重要とは思われない。
それに、このデータは、預貯金、不動産などの資産、あるいは現物給付は考慮されていない中途半端なデータだ。このような怪しいデータで、一部の学者、官僚は大騒ぎするが、それは厚生労働省の思うつぼだ。他者との比較で貧困を問題にするのは、行き過ぎであろう。それは学者等の数字遊びに過ぎない。
また、人々の生活の価値観は異なり、何が幸せで何が不幸かなど、金銭だけで測れない。もちろん、絶対的貧困はなくさなければならないが、今の日本で、生活レベルは様々だが、食うに困ることはないだろう。
もちろん、生活に本当に困っている貧困層(傷病者等)は救済されなければならない。そして、その仕組みはすでに整っている。ただ、どの程度の生活レベルを基準にするかで、この問題は、大きく違ってくる。
地方に行けば、いわゆる相対的貧困に相当する人々は多く存在するが、彼らは生活保護を受けていない。質素な生活と地域力で何とか生活できるのだ。また途上国の貧困層からすれば、日本の貧困は、ハングリー精神を喪失した甘えにしか映らないだろう。
*参考
厚生労働省のデータによると、世帯別貧困率は次のようだと言う。ただ、すでに述べたように、このデータは、預貯金、不動産などの資産、あるいは現物給付は考慮されていない。あくまでも、フローの所得の範囲内でのデータ比較に過ぎない。
大人1人 50.8%
子供貧困率 15.7%
子供がいる現役世代 14.6%
大人のみ2人以上 12.7%
(注) 大人とは18歳以上
子供とは17歳以下
現役世代とは18歳から65歳までを指す
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