対日米国外交の基本戦略と日本
大きくタイトルに、「対日米国外交の基本戦略」なんて掲げてしまいましたが、一般人に、日本に対する米国の外交戦略など分るはずもありません(笑)。ただ、感じたことを記してみます。米国の外交を見てみると、基本的に、よくぶれる。どこかの国の政治家とよく似ています。そして、ご都合主義です。
そして、よく考えると、それは、米国は、まず自国さえ、安定的であれば、他国はどうでもいいというような考え方があるのではないでしょうか。更に、自国を安定的に運営するには、関係各国は不安定な方がいいという考え方に、どうも落ち着くようだ。まあ、こういう考え方は欧米各国に共通する考え方ではありますが。
日本の例で、述べますと、今、揉めている尖閣列島の問題も、彼らの方針は、時代により、ころころ変わっています(*注1)。つまり自国の都合のいいように、本音を隠して、日本や中国に言質を与えています(*注2)。それで日本や中国は、お互いの主張をして、振り回されます。多分、米国は、しめしめとほくそ笑んでいることでしょう。
韓国との竹島問題も、曖昧にし続けたのも、米国が関与している。ロシアとの北方領土も問題も、そのようです。これらの国々とは、米国からすれば、日本は、あまり仲好くして欲しくないということのようです。ということで、日本は隣国と、いつもトラブルの要因を孕んでいる。
これは、まるで女性の嫉妬のようです。それも、かなり強烈な焼もち体質です。すなわち、米国にすれば、日本は、米国だけを見つめておればいい、という感じです。周辺の他国に色目を使うな、接近するな、そんなことをすれば痛い目に遭うわよ、と言っているようなものです(笑)。
ところが、日本の政治家は、一般の男がそうであるように、女性(米国)の嫉妬を無視して、呑気そうに、勝手に動くものだから、米国と齟齬をきたす。その結果、米国から、大変な嫌がらせ、報復措置を受ける。戦後の日本と米国の関わりは、そのように説明できる。そういう関係が、ずっと続いている。
いい加減に、日本の政治家も、分りそうなのに、学習効果なく、自分を出したがる(いわゆる自主外交)。もちろん、全てにおいて従米主義がいいとは言わない。ただ、米国の外交戦略をじっくり見極め、根回しが足りないと感じるのは流風だけだろうか(*注3)。
*注1
尖閣問題の遠因は、田中角栄首相が作ったとも言える。彼は米国と相談せずに、日中国交回復をし、米国を激怒させた。それにより、米国は、尖閣諸島について、発言がぶれるようになる。また、田中角栄首相は、中国に対して、尖閣問題があるような発言をして、結果的に中国に誤解させている。
*注2
ただ、日本とは日米安保条約を結んでいる関係上、日本が尖閣諸島を実効支配する限り、米国は、尖閣諸島がらみでは日本を守るだろう。
*注3
日本が、米国の外交戦略をきちんと見極めていれば、そんなにトラブルは生じないはずだ。彼らは、基本的に、他国の意見を聞かないが、それなりの対応の仕方はあるはずだ。ところが、外務省も、米国派(アメリカンスクール)という人たちがいながら、きちんと彼らの政策を読み切れていないところに、日本の政治の不幸がある。
すなわち、彼らの政治特性、考え方、外交戦略をきちんと把握する必要がある。それには対象の米国の分析だけでは不十分なことははっきりしている。ところが、官僚社会は縦社会だから、横からの情報(米国の関係各国。友好的、非友好的国家全て含む)を無視しがちだから、正確な情報が得られないことが起る。これは戦前、戦後を通じて変わっていない。外務省の情報戦略を改革する必要に迫られていることは間違いない。
*平成24年10月20日追記
タイトルが少しおかしかったので、少し変更しました。それに伴い、本文も少し修正しました。
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