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2012年10月 5日 (金)

萩の開花 2012

今年も萩の花が咲き始めた。毎年、開花後、根元から枝を切り落としても、翌年には、また勢いよく新しい枝を伸ばし、可愛いピンクの花を咲かせる。萩は昔からある花なので、歌にもよく詠われている。『古今集』の播州関係では、藤原敏行朝臣の次の歌がある。

  秋萩の 花さきにけり 高砂の

    をのへの鹿は 今やなくらん

      『古今集 二百十八番』

解釈は不要であろうが、例によって蛇足的に記すと、「秋萩が咲きだした。そういうことで、少し離れたところにいる(兵庫県)高砂の尾上の鹿は、ちょうど、それに呼応するように鳴いている」。萩と鹿の関係は、萩は鹿の花妻と呼ばれることから、こういう歌ができる。

まだ見たことはないけれど、鹿は萩の花に寄り添って、離れようとしないらしい。この歌では、離れている萩という妻を恋しがって、鹿という夫が鳴いている、としている。愛しい人には、すぐにでも会いたい気持ちと重ねている。

*追記

ちなみに『万葉集』には、丹比真人の歌として、舞台は奈良だけれど、次のようなものがある(一六〇九番)。

  宇陀の野の 秋萩しのぎ 鳴く鹿も

    妻に恋ふらく 我れには増さじ

解釈は、「奈良の宇陀の野に秋萩をかき分けて鳴いている鹿も、私が妻に恋焦がれることと比べれば、とても及ぶまい」という感じ。丹比真人については、よく分かっていないらしい。

 

 

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