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2012年11月11日 (日)

TPPとアジア太平洋地域の各種地域経済協力機構について

TPP(環太平洋経済連携協定)の議論が賑やかで、野田首相は、野党との立場を明確にするため、交渉参加を表明している。それは自民党が反対しているため、選挙がらみで、財界へのアプローチと捉えられる。そこで、国民からわかりにくい、TPPの背景を整理してみようと思う。

アジア太平洋地域には、TPP以外に、各種地域経済協力機構が存在する。参加している国々は次のようだ(*注)。

●東南アジア諸国連合(ASEAN)

  タイ、フィリピン、カンボジア、ラオス、ミャンマー

  インドネシア、マレーシア

  シンガポール、ブルネイ、ベトナム

●東南アジア諸国連合プラス3

      プラス3は、韓国、中国、日本

●東南アジア諸国連合プラス6(RCEP)

      プラス6とは、

  プラス3にインド、オーストラリア、ニュージーランドを加えたもの。

    2015年妥結見通し。

  約20兆ドル市場

  対象人口は34億人

また、厳密には環太平洋ではないが、重要な経済協力機構として、次のものが存在する。

●サンパウロ・ラウンド

  ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチン、キューバ

  エジプト、モロッコ

  インド、インドネシア、マレーシア

  韓国

一応、以上のようになるのだが、、これらを推し進めすぎると、ブロック経済につながる危険性を孕んでいる。参加各国の経済レベルが、ある程度、確立されれば、解散する必要がある。そして、新たな段階での、経済協力機構化(グループ化)が求められる。

因みに、TPPの現在の参加国は次のようになっている。

●環太平洋経済連携協定(TPP)

  マレーシア、シンガポール、ブルネイ、ベトナム

  タイが2012年交渉参加表明

  オーストラリア、ニュージーランド

  米国、チリ、ペルー、カナダ、メキシコ

  2013年妥結目指す

  約20兆ドルの市場規模

  対象人口は7億人

TPPは、これらの組織の参加国としては、すでに枠が一杯な状況だ。これらの組織は大体十カ国が限界だからだ。それに大国の米国が直接のメンバーとして参加しており、異様な感じがする。日本も、直接参加するのは、やはりおかしいと言えよう。

参加というより、プラス方式でいいと思う。すなわち、参加というより関与。機構整備に協力すればいい。明らかに国力が異なるわけで、メンバー間の力の不均衡は否めない。よって、米国が望むような成果は得られないだろう。

TPPの米国の意図は、様々に伝えられるが、基本的に輸出をアジア地域に増やしたい気持ちがあるのだろう。ただ、現在の参加国の状態はばらばらで、どういう意図で参加しているのかぼやけている。

それに、まずASEAN全体の市場整備には時間がかかり、未整備の段階で、TPP参加国だけを囲い込んでも、あまり成果は望めない。日本は、今、まずASEAN全体の市場整備に傾注すべきであり、まだTPPの段階に至っていないことを米国に伝えるべきだ。

また米国と日本との経済関係は、二国間で話し合えばいいことで、TPPで複数国になれば、関係が、複雑になるだけだろう。現状、日本のTPP参加にあまり意味はないと決論できる。

*注

他に、アジア太平洋経済協力会議(APEC)があり、WTOの精神に似通うが、残念ながら、既に、有名無実化している。本来は、APECの主旨が正しい。

今はFTAのような、やり方が全盛で、たくさんできているが、結局、世界市場を切り分けるようなもので、あまり望ましくない。TPPはFTAの延長のようなものだが、単に「環太平洋国家」というだけで集めており、国のレベルがばらばらで、その哲学が見えないことが致命的だ。下手をすれば、中身は異なるが、ユーロの二の舞になりかねない。

 

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