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2012年11月 3日 (土)

義一氏が選んだ商人道の言葉 その二

今回の藤本義一氏が選んだ商人道の言葉として、「立身に限りあり、欲に限りなし」という言葉を取り上げよう。彼によると、出典は『商人生業鑑(しょうにんなりわいかがみ)』にある言葉だ。

要するに、人間の命には限りがあるから、出世にも限度があるが、人間の欲は限りないということ。これは、つまり事業は目先だけで考えず、長期にわたって、じっくりと稼げるように仕組むべきだと言いたいらしい。短期的利得を優先とすると、どうしても同業者に不義理して、それが回りまわって、自分の事業に悪影響をもたらす。

そういうと、関西の家電企業(シャープと、三洋電機を吸収したパナソニック)が全滅で、大変な赤字を出しているが、これは、あまりにも限られた事業に集中して、大きな利益獲得に目を奪われた結果であろう。こういうことは欧米の企業に多いのだが、日本の企業が経営方式を欧米風に準じたため、とんでもないことになっている。やはり利益は牛のよだれの如く出さなければならない。

更に、日本は国内市場が大きかったので、それに安住した結果、奢りから時代の流れが読めず、途上国のライバル企業を疎んじ、国際的戦略の欠如から危機に陥ったと言える。結局は、商売の基本を忘れ、日本的経営を放棄した机上の数値経営をしたことが危機を大きくしている。

言い換えれば、、自分を見失って、過剰に競争をして、市場のニーズと合致しないものを大量に供給するから、こんな事態になったのだろう。顧客の見えないところで商いをするから大きな失敗をする。

やはり顧客の見える範囲内で、しっかり顧客の要望を確認しながら、じっくり商いをすすめる方が失敗は少ない。企業も、身の程を弁えれば、短期の大きな利益を追いかけたりしない。つまるところ、関西の家電各社の失敗は、自分の在任中に成果を上げたいという私欲を持つサラリーマン経営者の悲劇とも言える。

正しい欲はいいけれど、身の程を忘れた欲は、大きな禍をもたらすことを経営者は忘れてはならない。

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