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2012年12月25日 (火)

2013年動向予測 国際編(二) 米国・欧州

2013年動向予測 国際編(一)の続き

ⅰ 米国経済の予測は、2012年とは基調に変化がある

米国は、全体としては、まだ経済は苦しいが回復の兆しが見える。それは、昨年にも少し触れたが、シェールガス革命により、エネルギーコストが大幅に下げられることが大きい。これにより米国は資源国に転換する。その埋蔵量は今後400年分という。

最早、中東の原油は必要ないらしい。それがもし真実なら、今の米国問題はあっと言う間に解決する。米国が資源を武器に今後、国際的にどのような活動をするのか注視する必要がある。これの効果は大きく、米国の再建の大きな足掛かりになることは否めない。

また、大統領選では、オバマ氏が勝利したが、その行く手は、まだ依然厳しいものがある。ただ、この難局を乗り切れば、案外、明るい未来が待ち受けているかもしれない。将来、予測される「世界同時恐慌」にも、米国一国だけは耐えられるかもしれない。

政治面では、オバマ大統領が大統領選に勝利したが、民主党が上院、共和党が下院を制し、ねじれは解消しなかった。よって、富裕層への減税の止めることと、大幅な歳出削減ができるかは、分らない。かなりの政治的混乱はあるかもしれない。

ただ、基本的に、政策は変わらないだろう。すなわち2012年同様、米国の厳しい財政状況は変わらない。シェールガス革命による貢献は少し先だ。よって当面は、まだ長年の巨大な財政赤字、貿易赤字のツケがボディブローのように応えてくるだろう。

これは少しの経済対策で解決できるものではない。まだしばらく、日本同様、財政政策、金融政策、為替政策にしても満足のいくような対策は取れないだろう。米国経済について、資本市場関係者は、たびたび景気回復を囃すが、それも大統領選が終わったことで、やがて実態は明らかになることだろう。

米国市場は、住宅の回復傾向があることは確かなようだが、全般として、残念ながら、需要はまだ弱いままだろう。株価は上昇したり、見掛け上の経済成長はしているが、根本的なものは何も解決していない以上、過大な期待はできない。失業率8%の改善もなかなか難しいだろう。

ただ、オバマ政権は何もしなかったわけではない。皆保険につながる健康保険改革は、長い目で見れば、国民のためになるだろうし、日本がバブル崩壊後にやったような手立ては、確実に打たれている。各種軍事費用の削減にも取り組んでいることは、財政再建にプラスだろう。

出来ることと言えば、まず実業の分野を他国(例えば日本)と連携しながら、アジア市場を意識しつつ、強化すべき産業政策を明確にしていくべきだろう。製造業の強い日本企業に投資を促すことも大切だ。その上で、日本と共同でアジア市場を開拓していくことが求められる。それぞれに得意分野を活かしながら、力を合わせれば、ウィン・ウィンの関係は可能性大だ。

米国は、日本をアジアに対する軍事の足場としているが、産業分野の研究・開発における足場にしているとは言い難い。この点は、逆に言えば、あまり日本を評価していないのかもしれないが、アジアを攻略したいのなら、日本を基点とする戦略も有効と思うが、彼らは、どのように考えるか。

また内需的には、公共投資のような現業的な雇用を生む産業への傾斜政策が求められるかもしれない。米国は、日本と違い、広い国土を有し、自国の資源も豊かだ。例えば、シェールガスの採掘が技術的に可能になり、数年後には輸出可能になるかもしれない。埋蔵量は計り知れないくらいだから、米国が資源大国として生まれ変わる可能性がある。

それに、広大な未開発の地域開発余地は十分ある。人口は、移民が引き続き流入しており人口が増えるから、環境問題を鑑みながら、効率的な交通システムを作り上げる必要がある。そのためには、地域交通システムの確立が求められる。だから、日本で言う公共投資を増やせば、それなりに経済は活性化するだろう。

後は、海外の需要取り込みでは、日本同様、米国はアジア太平洋地域に期待している。それはオバマ大統領の発言からも明らかだ。アジア太平洋地域に関与することが、国内の雇用を生み出すと考えているようだ。日本は、米国と共同で、お互いの長所を活かしながら、アジア太平洋を開発していくべきだろう。

ただ、TPPへの取り組みは、日米で慎重に取り組みを研究すべきだろう。徒に日米が参加すると、国家権の侵害につながり、むしろ混乱させてしまう可能性があり、思ったほどの成果を上げられない可能性がある。米国としては、むしろ日本の製造業に進出させて、それを輸出する形態がベストだろう。

だが、今世紀はアジアの時代。もういい加減に過去の栄光は忘れた方がいいかもしれない。一歩引いて、世界を見る余裕も必要だ。何もかも、米国が関与する必要もない。今までは、米国は世界の超大国という自意識過剰のように思える。

もちろん、近い将来、米国の復活はありえないことではない。それはシェールガス革命がもたらすだろう。そうなれば、それなりの役割を果たし、求められるだろう。それにユーロ、中国の劣化で、相対的に浮き上がることも考えられる。だが、最早、アジアへの関与なしでは、米国の成長もあり得ないのは確かだろう。

ⅱ 欧州経済、低迷基調変わらず(基本的に、記事内容は2012年と変わらず)。

基本的に、いずれユーロは崩壊すると見て間違いなさそうだ。崩壊の中身はいろんなシナリオが考えられる。一番可能性が高いのは、まず縦の北部と南部の分化。いわゆる野球で言う一軍と二軍に分れるという見方。更に、ドイツ、ベネルクス三国、オーストリアのみ残る見方などある。いずれにせよ、ユーロは、長期的には持たない。

よって、それを前提に、物事を運ぶ必要がある。ユーロは短期間に組織を拡大したことが禍を招いていると言われる。いわゆる、モザイク仕様になってしまったのだ。問題になったギリシャは1981年、ポルトガルとスペインが1986年に加入している。加盟国が急拡大してのは、2004年以降のことだ。

これは当初から理念だけで走り過ぎたことが、すでに問題を孕んでいたということだ。実務や運営について十分に検討されたのか疑問が残る。もちろん、米国からの不幸な事件もあった。リーマンショックがユーロ運営組織にひびを入れたのが実情だろう。モザイク・ユーロは脆く、いずれ遅かれ早かれ崩壊する。

現在、いろんな試みがなされているが、根本的な解決方法は見当たらない。各国共に、大幅な増税と歳出削減が求められるが、果たして、どこまで可能なのか。更に、根っこの問題として、ユーロの南北問題、ユーロ通貨と非ユーロ通貨の問題、財政の統一の難しさ、ユーロの東西の経済レベルの格差、失業率の増大による社会不安等を抱えており、これを解決する方程式は今のところない。結局、回りまわって、元の木阿弥になるしかないのではないか。

経済の実態は深刻だが、少し騒ぎすぎの感もある。国により、差がある。ただ、かなりの部分で実態のない金融取引という虚業経済が蔓延った結果の反動が来ているのは確かだ。日本のバブル崩壊同様、経済が回復するには相当の時間を要する。ユーロ経済には、しばらく期待できない。日本は官民共に、ここに無駄なエネルギーを投入することは避けたい。

日本は、貿易依存度が低い上、ユーロへの輸出に占める割合が10%弱だが、その比率の高い、ブラジル(18%)、中国(15%)、インド(15%)、韓国(15%)から間接的には影響は受ける。ただ、それほどに騒ぐ必要はない。ユーロ市場からは、早めに撤退すればいい。すでに片足は抜いているところも多い。

このように基本的に、老いた欧州は、大きく期待できる市場ではなくなりつつある。労働者の既得権が改革を阻む可能性が高い。彼らが国家の危機を感じるまで続くだろう。それに社会保障も重荷だ。果たして社会保障改革はできるのだろうか。これは日本としても、注視したい。よって社会保障関連ビジネスも順次縮小していくだろう。

結論として、2013年には、全体的に経済は更に縮小していくだろう。外部からは、ユーロ市場を含む西欧市場が当面(最低10年程度か)無くなったと考えた方がいい。欧州は、しばらく世界の中で、まだまだ漂流する可能性が高い。

次回に続く。

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