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2012年12月30日 (日)

2013年動向予測  国際編(七) 日本外交

2013年動向予測 国際編(六)の続き

②日本の外交(概ね2012年の見方と変えていない。記事は一部付加)

日本は民主党政権から自民党政権に交代したが、民主党の野田政権の外交は、一応支持できた。自民党の曖昧な外交を修正したのは評価できる。ただ政権交代により、自民党安倍政権の外交手法は変わるかもしれない。それでも外交に関しては、基本的に変わらないだろう。それを踏まえた上で、外交の諸問題を記してみよう。

基本は、日本人が安全保障をどのように考えるかが外交と密接な関係がある。以前、米国の有力者が、日本の立場での安全保障の選択肢を考えると、次の4つのようになると指摘していた。

 イ、中立で国連に頼る

    国連の役割は依然として重要だが、限界がある。

    中立を守るためには、自前で国を守る必要がある。

 ロ、中国の同盟国になる

    問題点は、領土をはじめ、いろんな強権的要求が

    中国からなされる可能性が高いこと。

         同盟を維持しようとすれば、

    国家としてのプライドは捨てなければならない。

    あるいは、強い対立に発展する可能性が高い。

 ハ、核兵器開発により、核政策による抑止力を図る

    問題点は、周辺国家を不安定にさせる。

    核が不必要に拡散していく可能性を高める。

    戦後、営々と築いて世界に認められた

    「平和国家」というものを捨て去ることが

    プラスになるとは言えない。

 ニ、日本が米国と同盟を続ける

    問題点としては、

    米軍が駐留するコスト負担が生じる。

    米国の経済等各政策に引きずられがちとなる。

    地域協定などで不平等が生じ、

    国民に不信感を植え付ける。

    日本の防衛の主体性を損なう。

大体、以上の観点から、国民も日本をいかに守るかを考えねばならない。そのことを頭に置いた上で、2012年に起った事象について見てみる。日本を取り巻く安全保障問題は非常に厳しい状況にある。

まず、鳩山政権で日米関係が怪しくなったところに、大震災で傷ついている日本を叩けとばかりに、韓国は竹島問題を持ち出し、中国は尖閣諸島を侵略しようと動き出した。ロシアも、巧妙に資源を餌に日本にアプローチしている。北方領土は返さないつもりだろう(ロシアは一旦確保した領土は基本的に返さない国だ)。

そういう危機的状況を勘案した上で、21世紀は、基本的には、アジアを中心として、環太平洋に経済のウエイトが高まる。当面、中国、インドを中心として、その周辺国家の成長に期待がかかる(但し、中国は今後10年間くらいは調整期に入るだろう。更に政権運営を誤れば、共産党政権の雲行きも怪しくなる)。今後の外交は、やはり発展途上国、後進国の人口ボーナス期の見極めが大切と思う。

全体としては、先進国の財政破綻の波の影響を受けながらも、数十年は、成長していくだろう。すなわち、ASEANプラス3(日中韓)、ASEANプラス6(日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランド)、APEC、そして最近、騒がしいTPPへと拡大していくイメージだ。その中で、TTP(環太平洋戦略的経済連携協定)の名が表すように、環太平洋地域が世界経済の中心になっていく。そこで、米国と中国が綱引きしているのが実情だ。

日中関係は悪化しているが、米国は最早、中国を敵対的ではない戦略的パートナーと考えており、競争者と位置付けていることも考え合わせ、日米関係では、外交戦略転換が求められる時期に入っている(但し、この考え方は、大きく変わる可能性もある。それは米国がシェールガス等により国の再建に目処が立った時だろう)。

他方、日本政府は、米国の外交戦略を注視しつつ、現実的な視点で、米国と話し合う必要がある。たとえば、米国の外交姿勢としては、対中国に対して、戦略的パートナーと位置づける一方、中国を牽制することを発想する。TPPも、その一環だ。

ただ、TPPの中身は曖昧で、内容によっては、日本の国益に反するところが難しいところだ。国家権の侵害になるようなら、TPPのやり方は望ましくない。他の方法を考えるべきだ。しかしながら、日本としては、いろんなケースを想定し、最悪の場合の手も打っておく必要がある。

米国外交は合理的かと言えば、必ずしもそうでないだろう。本音(功利)のためには、柔軟に、ある意味、ご都合主義で建前(理想論)を簡単に捨てる(*注)。日本は、彼らの表向きの発言をまともに受けすぎて、振り回されてきた。米国は、基本的に、理想より功利(ビジネス)が優先する国だと考えておいた方がいい。理想は駆け引きの手段に過ぎない。

現在は、米国も財政状況が厳しいので、日米間の諸案件がスムースに進まないことも考えられる。彼らが望むことに対しても、小さな誤解を招かないように、お互いの国益がプラスに働くように、オープンにコミュニケーションを以前にもまして密にすべきだろう。

そのような環境下、日本は、従来、アジアで、概ね純粋に地域に貢献する活動をしてきたから、日本があらゆる地域経済統合グループに関与することによって(必ずしも参加ではない)、地域の発展促進が可能と判断する。そのためには、日本は、まず民間と協力しつつ、情報を整理分析して、アジア外交を強化すべきだろう。

そして、米国は、日本をアジアの窓口として、代理店とする位置づけが望ましい。米国的なアジア・アプローチではなく、日本的なアジア・アプローチを主体として、米国にもビジネスには、参加してもらうやり方が望ましいだろう。日本が緩衝の役割を果たせばいい。それが、政経軍における新しい日米の同盟のあり方だ。

米国は最終的に、ビジネスができて成果が出れば、それでいいはずだ。そういう意味で、彼らはジャパン・アプローチを尊重すべきだ。後は、米国が、どれだけ日本を信用するかということに尽きる。

更に、インドとは、中国を牽制する意味でも、将来は、米印同盟も視野に入れておかなければならない。日本は、日本で、日印同盟も将来的には描いておく必要がある。それは結果的に、日米印同盟で、膨張する中国を牽制することにつながる。その方がTPPより有効だろう。

もちろん、それは中国に敵対するものではないことは確かだ。これは膨張する中国に対して、懸念を示すアセアン、東南アジアの人々の安寧のためだ。それは、アジアの安定と平和を意味する。

また、米国は、いずれ日本駐留部隊を、海外に持っていく。その結果、日本としては、自衛隊など防衛力の再点検と再整備が求められる。国を守るのは外国の軍隊ではなく、自国の軍隊であると再認識する必要がある。もちろん、国民の認識も改める必要がある。以上のことを整えて、同盟をどうするか考えなければならない。

また日本の外交は、米国との同盟は必要だが、米国の外交を補完する役割を担うべきであろう。戦後は、日本外交は何を考えているのか、よく分からないと米国側からクレームが来たようだが、巧みな外交を展開した。

例えば、米国と敵対的な国とも外交ルートを常に確保していくことは大切である。何でもかんでも、米国に追従すればいいというのは、子供の外交である。米国とはコミュニケーションを密にしながら、日本の外交も改めて本格的な脱皮が求められる。それには、自らのオリジナルの情報入手に基づく世界の情報分析の強化による、あるべき外交戦略の確立が必要だ。つまり、インテリジェンスの充実が求められる。

その他では、欧州(ユーロ)が主体となって、作ってきた各種仕組みや世界的な規制は一旦捨て去ることが求められる。欧州による規制事項は、彼らにとってメリットがあっても、他の諸国には、あまりメリットがない。にもかかわらず、日本の官僚たちは、何もかも受け入れてきた経緯がある。

21世紀のアジアの時代には、それに相応しい新しいルールを、日本等アジア(米国はオブザーバーとして参加もしくは主体的に参加)が主体となって、作る必要がある。欧米が作った世界標準が世界に通用すると考えるのは幻想だと気づくべきだろう。これからのアジアに相応しいルール作りに日本の主張を明確にすべきだろう。

*注

米国は、戦前・戦後を通じて、ご都合主義外交だ。あるいは二面外交ということかもしれない。すなわち、チャンス・タイミングに合わせて適切な決断が政治トップが出来ないということだ。

理由は、あまりにも選挙大量の資金を産業界に依存するからだろう。結果的に、あらゆる外交政策に於いて、産業界の意向を汲むため、政策執行がずるずると遅れたり、実効性の薄い政策になり、相手国に対して、不信感を与えてしまう。そして、残念ながら、彼らは、それに気づいていない。あるいは鈍感だ。

以上で、2013年動向予測   国際編 了。

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