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2012年12月30日 (日)

2013年動向予測  国際編(七) 日本外交

2013年動向予測 国際編(六)の続き

②日本の外交(概ね2012年の見方と変えていない。記事は一部付加)

日本は民主党政権から自民党政権に交代したが、民主党の野田政権の外交は、一応支持できた。自民党の曖昧な外交を修正したのは評価できる。ただ政権交代により、自民党安倍政権の外交手法は変わるかもしれない。それでも外交に関しては、基本的に変わらないだろう。それを踏まえた上で、外交の諸問題を記してみよう。

基本は、日本人が安全保障をどのように考えるかが外交と密接な関係がある。以前、米国の有力者が、日本の立場での安全保障の選択肢を考えると、次の4つのようになると指摘していた。

 イ、中立で国連に頼る

    国連の役割は依然として重要だが、限界がある。

    中立を守るためには、自前で国を守る必要がある。

 ロ、中国の同盟国になる

    問題点は、領土をはじめ、いろんな強権的要求が

    中国からなされる可能性が高いこと。

         同盟を維持しようとすれば、

    国家としてのプライドは捨てなければならない。

    あるいは、強い対立に発展する可能性が高い。

 ハ、核兵器開発により、核政策による抑止力を図る

    問題点は、周辺国家を不安定にさせる。

    核が不必要に拡散していく可能性を高める。

    戦後、営々と築いて世界に認められた

    「平和国家」というものを捨て去ることが

    プラスになるとは言えない。

 ニ、日本が米国と同盟を続ける

    問題点としては、

    米軍が駐留するコスト負担が生じる。

    米国の経済等各政策に引きずられがちとなる。

    地域協定などで不平等が生じ、

    国民に不信感を植え付ける。

    日本の防衛の主体性を損なう。

大体、以上の観点から、国民も日本をいかに守るかを考えねばならない。そのことを頭に置いた上で、2012年に起った事象について見てみる。日本を取り巻く安全保障問題は非常に厳しい状況にある。

まず、鳩山政権で日米関係が怪しくなったところに、大震災で傷ついている日本を叩けとばかりに、韓国は竹島問題を持ち出し、中国は尖閣諸島を侵略しようと動き出した。ロシアも、巧妙に資源を餌に日本にアプローチしている。北方領土は返さないつもりだろう(ロシアは一旦確保した領土は基本的に返さない国だ)。

そういう危機的状況を勘案した上で、21世紀は、基本的には、アジアを中心として、環太平洋に経済のウエイトが高まる。当面、中国、インドを中心として、その周辺国家の成長に期待がかかる(但し、中国は今後10年間くらいは調整期に入るだろう。更に政権運営を誤れば、共産党政権の雲行きも怪しくなる)。今後の外交は、やはり発展途上国、後進国の人口ボーナス期の見極めが大切と思う。

全体としては、先進国の財政破綻の波の影響を受けながらも、数十年は、成長していくだろう。すなわち、ASEANプラス3(日中韓)、ASEANプラス6(日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランド)、APEC、そして最近、騒がしいTPPへと拡大していくイメージだ。その中で、TTP(環太平洋戦略的経済連携協定)の名が表すように、環太平洋地域が世界経済の中心になっていく。そこで、米国と中国が綱引きしているのが実情だ。

日中関係は悪化しているが、米国は最早、中国を敵対的ではない戦略的パートナーと考えており、競争者と位置付けていることも考え合わせ、日米関係では、外交戦略転換が求められる時期に入っている(但し、この考え方は、大きく変わる可能性もある。それは米国がシェールガス等により国の再建に目処が立った時だろう)。

他方、日本政府は、米国の外交戦略を注視しつつ、現実的な視点で、米国と話し合う必要がある。たとえば、米国の外交姿勢としては、対中国に対して、戦略的パートナーと位置づける一方、中国を牽制することを発想する。TPPも、その一環だ。

ただ、TPPの中身は曖昧で、内容によっては、日本の国益に反するところが難しいところだ。国家権の侵害になるようなら、TPPのやり方は望ましくない。他の方法を考えるべきだ。しかしながら、日本としては、いろんなケースを想定し、最悪の場合の手も打っておく必要がある。

米国外交は合理的かと言えば、必ずしもそうでないだろう。本音(功利)のためには、柔軟に、ある意味、ご都合主義で建前(理想論)を簡単に捨てる(*注)。日本は、彼らの表向きの発言をまともに受けすぎて、振り回されてきた。米国は、基本的に、理想より功利(ビジネス)が優先する国だと考えておいた方がいい。理想は駆け引きの手段に過ぎない。

現在は、米国も財政状況が厳しいので、日米間の諸案件がスムースに進まないことも考えられる。彼らが望むことに対しても、小さな誤解を招かないように、お互いの国益がプラスに働くように、オープンにコミュニケーションを以前にもまして密にすべきだろう。

そのような環境下、日本は、従来、アジアで、概ね純粋に地域に貢献する活動をしてきたから、日本があらゆる地域経済統合グループに関与することによって(必ずしも参加ではない)、地域の発展促進が可能と判断する。そのためには、日本は、まず民間と協力しつつ、情報を整理分析して、アジア外交を強化すべきだろう。

そして、米国は、日本をアジアの窓口として、代理店とする位置づけが望ましい。米国的なアジア・アプローチではなく、日本的なアジア・アプローチを主体として、米国にもビジネスには、参加してもらうやり方が望ましいだろう。日本が緩衝の役割を果たせばいい。それが、政経軍における新しい日米の同盟のあり方だ。

米国は最終的に、ビジネスができて成果が出れば、それでいいはずだ。そういう意味で、彼らはジャパン・アプローチを尊重すべきだ。後は、米国が、どれだけ日本を信用するかということに尽きる。

更に、インドとは、中国を牽制する意味でも、将来は、米印同盟も視野に入れておかなければならない。日本は、日本で、日印同盟も将来的には描いておく必要がある。それは結果的に、日米印同盟で、膨張する中国を牽制することにつながる。その方がTPPより有効だろう。

もちろん、それは中国に敵対するものではないことは確かだ。これは膨張する中国に対して、懸念を示すアセアン、東南アジアの人々の安寧のためだ。それは、アジアの安定と平和を意味する。

また、米国は、いずれ日本駐留部隊を、海外に持っていく。その結果、日本としては、自衛隊など防衛力の再点検と再整備が求められる。国を守るのは外国の軍隊ではなく、自国の軍隊であると再認識する必要がある。もちろん、国民の認識も改める必要がある。以上のことを整えて、同盟をどうするか考えなければならない。

また日本の外交は、米国との同盟は必要だが、米国の外交を補完する役割を担うべきであろう。戦後は、日本外交は何を考えているのか、よく分からないと米国側からクレームが来たようだが、巧みな外交を展開した。

例えば、米国と敵対的な国とも外交ルートを常に確保していくことは大切である。何でもかんでも、米国に追従すればいいというのは、子供の外交である。米国とはコミュニケーションを密にしながら、日本の外交も改めて本格的な脱皮が求められる。それには、自らのオリジナルの情報入手に基づく世界の情報分析の強化による、あるべき外交戦略の確立が必要だ。つまり、インテリジェンスの充実が求められる。

その他では、欧州(ユーロ)が主体となって、作ってきた各種仕組みや世界的な規制は一旦捨て去ることが求められる。欧州による規制事項は、彼らにとってメリットがあっても、他の諸国には、あまりメリットがない。にもかかわらず、日本の官僚たちは、何もかも受け入れてきた経緯がある。

21世紀のアジアの時代には、それに相応しい新しいルールを、日本等アジア(米国はオブザーバーとして参加もしくは主体的に参加)が主体となって、作る必要がある。欧米が作った世界標準が世界に通用すると考えるのは幻想だと気づくべきだろう。これからのアジアに相応しいルール作りに日本の主張を明確にすべきだろう。

*注

米国は、戦前・戦後を通じて、ご都合主義外交だ。あるいは二面外交ということかもしれない。すなわち、チャンス・タイミングに合わせて適切な決断が政治トップが出来ないということだ。

理由は、あまりにも選挙大量の資金を産業界に依存するからだろう。結果的に、あらゆる外交政策に於いて、産業界の意向を汲むため、政策執行がずるずると遅れたり、実効性の薄い政策になり、相手国に対して、不信感を与えてしまう。そして、残念ながら、彼らは、それに気づいていない。あるいは鈍感だ。

以上で、2013年動向予測   国際編 了。

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2012年12月29日 (土)

2013年動向予測 国際編(六) ブラジル・ロシア・中東

2013年動向予測 国際編(五)の続き

状況は2012年とあまり変わらない。ただ、資源国である、ブラジル・ロシア・中東は、今後、資源価格の変調により、概ね苦境に立たされる可能性がある。さらに米国のシェールガス・シェールオイルが増産されると、さらに価格は下落する厳しい状況が待ち受けている。以下では触れないが、オーストラリアも同様の傾向を示す。

ⅷ ブラジルは、やや変調に

2014年にサッカーワールドカップ、2016年オリンピック開催も、南米で初めて決まっているので、それまでは期待できる。ただ、ここへ来て、主要貿易国である、欧米と中国の変調から影響を受けている。資源価格の下落は、辛い。救いは農業は2012年は好調だったことだが、天候に左右されるので、2013年は分らない。

更に、資源価格の下落に伴い、国内消費がおかしくなりつつある。もともと貯蓄率が低く、基本的に中産階級、低所得層の借金体質が悪化しつつある。負債が返せなくなっている。支払いが滞っているのだ。また耐久消費財の普及が一応終わりつつあることも、国内消費が振るわない原因の一つと考えられる。

いろんな課題も発生している。インフレ抑制→金利高→レアル高になっている。レアル高により、製造業が収縮する。日本と同じような課題だ。日本と同様、レアルが過大評価されると、政府は、租税政策により、税率の引き下げにより、市場活性化に取り組み、一応の成果を得るが、いつまで続くか分からない。

逆に、レアル安になるとインフレの原因になる。海外市場の悪化で、交易条件が上がっても、輸出は停滞する。ユーロが不安定で、彼らが資金を引き上げれば、どの新興国同様、危機が迫る。

対応するには、外資に依存する資金調達も脆弱過ぎるので、国内の貯蓄率を高める政策が求められる。現在は、ラテン国家特有の貯蓄率が低すぎる。これは今後のブラジルの発展を占うものだ。家計の借金体質を改められるだろうか。

また電力、輸送のインフラ整備も課題だろう。政府は、道路と鉄道のインフラ整備に30年間で、1330億ドル投資を行う計画を立てている。ただ、従来の例からして、計画通り物事が運ぶかどうか危ぶまれている。これはラテン気質が禍しているのだろう。ただ意欲は評価できる。

その他に、労働市場整備、社会保障の問題もある。成長期の一時的な落ち込み期にありがちな不正や汚職の横行の問題もある。ただ、これらは成長期の国にあるプラスの課題だ。現在、苦しんでいる先進国のマイナスの課題とは、大きく異なる。一つ一つ、課題を解決していけば、案外、明るいブラジルの未来が見える。

それに、資源国からある程度、脱皮していることもあり、中間層の厚みもあり、内需が成長する限り、急激な落ち込みはないかもしれない。でも、今の間に国の経済の質を高めることは有効だろう。成長のピークはかつて2020年頃と見られていたが、ここで若干停滞しても、政策次第では、更に伸びる可能性がある。

ⅸ ロシアは成長鈍化

ロシアは、ユーロと一体で考えなければならないのは変わらないのは2012年と同じ。資源需要先のユーロが依然厳しい状態が続くので、ロシア経済は停滞するのは変わらない。更に米国のシェールガス生産が追い打ちをかける。2013年は、より厳しくなるだろう。ロシア経済はすでにピークアウトした。資源以外の産業は育っておらず、資源国としての宿命として、プレの激しい経済は続く。

その結果、現在の中間層は27%程度で、今後の拡大を期待しているが、ここへ来て、内需もおかしくなっている。これは高齢化の影響も大いにある。原因は投資の減少と個人消費の減少だ。この流れは当面変わるまい。やはりユーロの悪化の影響は大きい。今後、原油や天然ガスの上昇余地は少なく、むしろ下落しかねない。

結局、ロシアはユーロ崩壊後を睨んだ戦略としては、アジアに進出するしかない。ユーロの購入価格と途上国の購入価格は差があるが、新たな南下政策が始まったと見てよいだろう。中国以外に、日本、朝鮮半島、東南アジア諸国にも触手を伸ばしている。

すでに彼らの行動に見られる諸々の駆け引きは、それを裏付けている。朝鮮半島の横断鉄道へのアプローチ、日本に対する北方領土を餌にしたエネルギー資源の売り込み、ベトナム・ミャンマーへのアプローチなどがそれだ。

日本との関係では、メドベージェフ前大統領が北方領土を訪問するなど、一種の焦りも感じられた。これは日本にロシアに関心を持ってもらいたいという気持ちがあったのかもしれない。つまり、米国が中国を警戒するように、ロシアも中国を警戒している。そのためには、日本を取り込みたい思いがあるかもしれない。

ところが、メドベージェフ前大統領の北方領土訪問は、日本との1993年の取り決めを無視したものであり、日本からは当然、反発を食らい、また世界的にも信用を失墜した。日本には、スターリンの亡霊は生きている。そういうやり方が日本に不信感を増幅させる。

ロシアは、日ソ不可侵条約を一方的に破棄して、北方領土を不当に占拠して、現在に至っている。結局、大統領の北方領土訪問は、ますます日本の不信感を高めただけだろう。そして、世界から、何をやるかわからないという疑念の目で見られている。

確かに、プーチンが大統領に復帰して、メドベージェフは首相になった。だが、これは誤魔化しのようにしか見えない。役割を変えたと言っても、その中身は変わらない。彼らが北方領土を返還しない限り、日本としては、政治でも、ビジネスでも相手にしないことだ。いずれにせよ、日本としては、政経共に期待できる相手ではないことは確かだ。

ロシアは、日本からスターリンの亡霊を取り除く努力をしないと、日ロ関係の改善はなされないだろう。ただ日本にとって、言えることは、この国が苦境に陥った時のみ、各種交渉相手たりうる。原油価格が急落すれば、体制が崩壊するとの予測もある。その点は、冷静に対処しなければならない。その時に、初めて交渉相手たりうる。その機会をじっと、うかがうべきだろう。

最後に、ロシアを市場として見れば、どうかという問題がある。WTOに加盟したので、有望市場だと指摘する向きもある。ビジネス的には大変遅れていて、汚職にまみれている。今後、透明性のある市場作り、市場へのアクセス改善等が求められる。

またロシアは物価が高く、低価格品に対する需要は旺盛なようだ。また人口はそれほどでもなく、今後は更に高齢化の波にさらされる。そういう意味では、医療や医薬品の分野では、ビジネスチャンスが広がる可能性もある。

ⅹ 中東情勢

中東の不安定さは、エジプト、リビアを始め、民衆が立ち上がっているが、スムーズに民主化への道を歩むかは疑問視されている。ムスリムと軍部の対立は深刻だ。自然環境の厳しい国家は、必ずしも民主主義がいいとも言えない面がある。概して強いリーダーが求められがちだ。民主化の道には、今後、紆余曲折があるものと予測される。

しかしながら、結局、中東のことは、中東に任せるしかない。米国も、シェールガス・シェールオイルの自国生産により、中東には、かつてほど関心を示さなくなるかもしれない。その時、彼らはどうするべきか。イスラエルとアラブの対立は深刻だが、彼らは無知ではない。中東には中東の知恵者がおり、彼らに任せれば、それなりに収まるだろう。

先進国は、基本的に、貧困の解消に手を差し伸べればいい。中東の問題は、人口の増大と貧困の存在だ。それを解決し、落ち着くには、まだしばらく時間がかかる。しかし、いずれ中東(イスラム)市場が形成される。新しい産業を根づかせるため、今から、次世代、次次世代のビジネスを徐々に根付かせていくことが求められる。日本にとって、ビジネスチャンス到来だ。

すなわち、中東諸国全体を見渡せば、原油に代わる産業の振興が必要だろう。雇用を増やし維持するには、資源国から脱皮する必要がある。また人口増大に対応するインフラ整備も待ったなしだ。更に医療システムの充実も求められる。これらすべて、日本企業に可能なものばかりだ。

また、アラブ諸国では、日本の商品は、自動車、家電、機械等、高く評価されている。それなのに、日本企業はビジネスとしては中国、韓国等に遅れている。価格面で負けているからだ。日本としては、競争しない戦略も求められる。すなわち日本らしさの輸出だ。特に高齢者、女性市場は有望市場だろう。ビジネスを成功させるには、現地化を進め、現地マーケティングセンター、商品開発センター、人材育成センター等を作る必要があるだろう。

以上。

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2012年12月28日 (金)

2013年動向予測 国際編(五) 東南アジア

2013年動向予測 国際編(四)の続き

ⅶ 今後の期待が大きい東南アジア諸国

東南アジア関係は、様々な課題を抱えつつも、中国に代わる投資先として、更に注目を集めるだろう。

●インドネシアは、かつてのイメージと異なり、投資の対象として、今後、更なる有望国だ。インドネシアは、すでに日本とは輸出入の関係では高い比率だ。天然資源中心の貿易だが、今は過渡期かもしれない。米国のシェールガス・シェールオイルの増産に伴い、資源価格は下落する。そのため、資源は輸出せず、内需に活用の方向で検討しているようだ。

2億2千万人の人口を活かすには、産業の高度化とインフラの整備が必要だろう。まず、日本と同様、海運体制と道路整備、鉄道建設、電力需給に対応できるように発電所建設をやる必要がある。日本としては、これらのインフラ整備の協力と、更なる商材開発が求められる。

インドネシア政府とインフラ整備で開発計画は合意されている。ジャカルタ首都圏投資促進特別地域構想で、工業団地群の改善、都市環境整備、複数ゲートウェー、低炭素エネルギーの開発など。

国内市場が成長すれば、いずれ大きなマーケットになる。もちろん途上国にありがちな課題は多い。富の分配も偏っているだろう。失業や貧困問題は、解決していない。賃上げの要求も厳しい(賃金改定の時期は毎年1月)。高度成長期には止むをえないことかもしれない。

ただ、インフレと賃上げ率のバランスが悪い。中途半端に高い賃金を提示する日本企業も原因がありそうだ。巧みな労使交渉が求められる。政府はインフレを、いかに適正水準に抑えるが問われている。それでも、少しずつ全体として、よくなっていることは見逃せない。

また燃料補助金の問題もある。現在、インドネシアは資源輸入国だが、資源国時代の燃料補助金の廃止に踏み切れずにいる。エネルギー料金の値上げに踏み切ったが、産業界の強い反対で挫折。これがインフラ整備のネックになっている。2014年に総選挙があるが、それまでに解決できるかどうかが、この国の将来を占うことになる。

また多民族、多宗教、多地域をまとめる政治手法は注目に値する。日本も、現在のインドネシアの統治手法は、十分参考になるだろう。

●マレーシアは、今後、鉄道の可能性が指摘されている。車や空の交通が先行しているが、観光客を呼び込むためには、鉄道の整備も求められる。日本からは、廃止車両のブルートレインをJRが譲渡しているが、システム面での整備が求められる。

日本は、中国旅行者に代わる観光需要に期待している。イスラム国家ゆえ、宗教儀式に配慮が必要だが、それをしっかりすれば需要開発は可能だろう。

●台湾は、かつてほど中国と対立しておらず、現在、特に経済面では、持ちつ持たれつの関係だ。米国が囃したてるほど関係は悪くない。2012年の中国の主席交代による政治的日中関係の悪化を見越して、日台関係を、より深めようとする企業が出てきても不思議ではない。特に、中小企業は台湾企業との提携により、中国や東南アジアのビジネスを展開できる可能性を考慮すべきだろう。

ただ、台湾は少し中国に入れ込みすぎたことが懸念材料だ。勢いのある企業も、少し間違えれば破綻の可能性もある。これにより中国の関与が強くなり、いろんな面で経済が弱体化するリスクを内包している。台湾の指導者は中国リスクを勘案して、中国との取り組みを考えなければ、今後、日本企業の進出は難しいかもしれない。

●タイでは、初の女性首相が誕生したが、バックはしっかりしているものの、その政策運営には疑問点が多い。多分にポピュリズムに走る傾向が強く、あまり長続きしない感じもする。今後、どのように修正していくか。

経済政策的には、基本的には、洪水対策と交通インフラの強化が求められる。洪水対策は、日本も協力するようだが、日本企業は、やや過大に進出している感じもする。ただ東南アジアでネットワークを展開する上で、重要な地点であることは間違いない。

すなわち、タイ企業は、海外展開に熱心だ。東南アジア地域経済統合を目指したASEAN経済共同体(AEC)の発足が2015年だから、それに向けて存在感を示そうとしているのだ。この共同体の人口が6億人だから、それに対して意欲を示すのも、よくわかる。

インドネシア、ベトナム、フィリピン、マレーシア等に投資しているが、ミャンマーにも触手を伸ばしている。企業グループにもよるが、概ね海外の比率を50%以上に引き上げたいようだ。更に、AEC内の観光客を取り込もうと、国内にも投資している。

●ミャンマーは、スーチー氏が米国に経済制裁の緩和を求めたことで、米国が方針転換したことで、この国への投資が注目されている。ミャンマーは、まだまだインフラが整っておらず、ミャンマーへの直接投資もいいが、タイ経由での投資と、当面、両方検討すべきだろう。

ただミャンマーは、豊かな資源を持ち、水力発電も期待できることから、エネルギー不足のインドはミャンマーに期待しており、日本が、その面で協力することは可能だろう。日本とインドとの関係でも、ミャンマーへの進出は有効だ。

●ベトナムは、人口が8600万人もいるのに、未だ公共交通機関が発達していない。日本政府は新幹線とかの話を持っていくが、まだ早い感じだ。一般の公共交通機関の充実が先だろう。また日本は、電力不足の解決のために原子力発電を輸出しようとしているが、使用済み核燃料の処理について、まだ何も解決していないのに、輸出は不適当だろう。ベトナムには、原子力とは別のエネルギーシステムを提案すべきだろう。

ベトナムは、今後、観光政策も睨んで、公共交通網の整備が必要で、日本としても協力できることはすればいい。また社会主義政策として、ガソリン価格を政府が補填するやり方は、国際収支を悪化させる。普通の経済原則にあてはめるべきだ。

ただ、ベトナムの経済のピークは終わったようだ。今後、経済は徐々に落ちていくだろう。現在、すでにバブル崩壊して、銀行は不良債権処理に追われている。物価上昇を抑えるため、金融引き締めをしたが、それが効きすぎて、景気が極端に悪化している。かつて日本が辿った道だ。しばらく、ベトナム市場としては期待できないだろう。復活するには相当時間がかかると見てよい。

●バングラディッシュも注目していいだろう。ただ貧困の解決には時間がかかる。政府の腐敗も気にかかる。日本企業は繊維関係で進出がやや多いが、それ以外ではは、まだ大きな期待はできない。

フィリピン等、その他の東南アジア諸国も注目を浴びるだろうが、ここでは割愛する。

次回に続く。

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2012年12月27日 (木)

2013年動向予測 国際編(四) 中国・朝鮮半島

2013年動向予測 国際編(三)の続き。

ⅴ 中国は成長の限界。実質マイナス成長へ。

中国は人件費高騰もあり、インフレの問題もある。金利を上げてインフレを抑制すれば、内陸部のインフラ整備が遅れ、成長率に減速がかかる。表面上の成長率は6%ぐらいになっても、「実際(実質という意味だけではない)」の成長はマイナスになる可能性が高い。既に内情はバブル崩壊し始めているかもしれない。

また、尖閣問題で、中国は政経一体と改めて確認した。国内体制が危うくなると、反日、抗日という日本攻撃は、彼らに都合よく出てくる。そもそも、歴史的には、戦前、日本の関東軍は、中国共産党とは、ほとんど戦っていない。戦ったのは国民党とだ。

むしろ、関東軍は、中国共産党と組んで、国民党と戦った事実がある。毛沢東は、そういった事実は全て隠して、歴史を改ざんしているので、本来、彼らに日本を攻撃する根拠はない。中国共産党は歴史的には、中国を支配する根拠は薄い。党の存在基盤は極めて怪しいものなのだ。

その歴史の捏造をして共産党政権を成立させた毛沢東でさえ、尖閣諸島については日本の領土と認めているので、本来、中国と間に領土問題は存在しない。現在の中国共産党政権は、それを捻じ曲げて、領土問題化させて、日本の領土を掠め取ろうとしている。これは、まさにギャング並みの行為だ。日本は、そういう不信感があるので、尖閣諸島を巡る問題で、日中関係は極度に悪化している。残念ながら、現在の中国共産党に国民党を率いた蒋介石のような哲学を持った人物はいない。

今回、尖閣諸島がらみで、中国政府主導で、進出している日本企業に対する破壊活動にが行われ、日本は完全に中国から心が離れた。中国は、まともな国とは決して言えないだろう。中国が、日本に信頼回復されるには、相当長い時間がかかるだろう。多分、共産党政権が崩壊するまで、積極的な再進出はリスクが高すぎて、進出できない。企業も中国に投資することは投資家から歓迎されない。

確かに、未だに呑気な企業もあるが、日本企業の投資は減り続けている。しかしながら、日本企業は、尖閣の問題がなくても、中国から徐々に撤退を始めていた。それは人件費の上昇だ。これにより、採算が全く合わなくなっている。更に産業スパイ等により日本の技術を奪い取るなど付き合うメリットは何もない。知的所有権に関する感度の低さはどうしようもない。

また中国の独特の商慣習に日本企業がついて行けない面がある。制度の問題も、属人的だし、賄賂の要求も強い。制度の解釈は、人によって、どうにでもなる。また制度の度重なる変更も問題だ。更に手続きの煩雑さもある。政経一体の進め方は民主主義資本経済を大いに損なう。市場の大きさに惑わされると、大きな損失を被ることになる。

根本的なことを言えば、これは途上国に多いことだが、中国は、複雑すぎて、時間の浪費が莫大だ。時は金なりということを考えるとロスが大きすぎる。特に大きい問題は、文書で残す習慣がないから、担当者が変われば、以前の約束は反故にされたりする。結局、中国に進出しても、思ったほど儲からない。儲けているところは悪いことをしているとも言える。まともなビジネスにはならない。更に、反日暴動コストまで考えなければならないとしたら異常だ。

次に、いつとは言えないが、バブル崩壊が予想される(すでに実質崩壊しているという見方もある)。新しい体制は、改革派から保守派に代わった。これは民衆の動きを反映したものだろう。これの意味することは、改革を止めることだ。その止め方によっては、局地的バブル崩壊はあるかもしれない。

確かにバブル崩壊は局地的だが、その影響は中国全土に波及するだろう。その時、中国政府に打つ手は考えられているのだろうか。経済が破綻すれば、中国共産党政権そのものの存立も危うい。中国と関わることで傷を負わないようにすることは大切だ。

最初に記したように、中国共産党の成り立ちは、毛沢東が歴史の改ざんをしたという党の存在基盤も極めて怪しいものだ。いずれ中国人民は騙されていたことに気づくだろうが、近い将来、特権階級の腐敗もあり、中国共産党政権の崩壊もあり得ないことではない。

特権階級の腐敗は尋常ではない。例えば、次のことが挙げられる。一、中国の政府高官が海外の銀行口座に多額の預金を有する。二、米国のパスポートを持つ中国人官僚。三、米国に住んでいる中国人高官の家族の多さ。四、ロサンゼルスにある「妾村」がある事実等が米国マスコミから指摘されている。

それほどに、中国共産党幹部は腐敗している。これらを知れば、生活苦の中国人民は、いずれ黙っていないだろう。現在は大きな地殻変動の波が来ていると言える。今でも、生活破壊された人民による、中国全土で暴動が絶えないが、その極に達するのがいつになるのか、注意深く観察し続けなければならない。

結局、中国を経済で太らせても、民主主義経済体制側には、あまり貢献しない。見方を変えれば、中国人民にも貢献しない。最早、中国を政経共に準同盟先と考えるのは止めざるを得ない。日本企業が進出するメリットは何もない。FTAも全く意味を為さない。また米国は、米国債を持つ中国のバブル崩壊を望んでいないかもしれないが、それを止めることはできないだろう。

ⅵ 朝鮮半島情勢

朝鮮半島情勢は楽観視できない。韓国、北朝鮮共に弱体化しているからだ。

まず韓国は、貿易比率が高く、欧米の低迷は、大きく影響を受けている。今は自動車、家電関係は、日本の企業より活力があるが、偏っており、それらが傾けば国全体の運営も危うくなる。韓国にとっては、今後、より厳しい経済運営が求められるだろう。

特に、国内農業を説得して、各国とのFTAを推進してきた効果が逆作用する可能性もある。また海外の資金に頼った結果、流出すれば、大きな打撃を受けるだろう。すでに国内は貧富の拡大が大きくなっており、治世の混乱が生じるかもしれない。

彼らは、内政が困難になると、日本を非難して逃げ込むが、そんなやり方では何も解決しない。危機に陥ると、日本の過去を攻撃して、憂さを晴らすパターンだ。日本とは竹島領土問題で争っているが、そんなことに時間をかけるべきでないだろう。ましてや、慰安婦問題は論外だ。すでに両国間で解決済みのことで、慰安婦問題は韓国政府の問題だ。

裏読みすれば、韓国経済は既に危機に陥っているともいえる。格差の拡大、若年労働者の失業の多さ(100万人とも)、ユーロ危機に伴う輸出企業の不振が、国家の不安定さを物語る。

大統領選では、初めて女性大統領が生まれたが、儒教社会では、男のやっかみもあり、足を引っ張られて、政権運営は楽ではないだろう。前大統領の政策をどれほど修正するかは、まだ見えない。

更に、北朝鮮との関係は複雑だ。韓国の経済悪化に伴い、統一問題は微妙だ。経済格差がある限り、統一は困難だが、韓国経済も不振になれば、その糸口も消える。最早、それどころではないというのが、経済の実態だろう。

北朝鮮は、地下資源と限られた農産物以外、経済を支える産業が存在しない。北朝鮮の経済は実質崩壊しており、現体制を維持できるか疑問がある。金正恩による新しい体制は未だ確立しているとは言えず、やや危うい面がある。

経済開放体制を目指したかに見えたが、軍部と妥協して、ミサイルの実験をしたものだから、国際社会から再度、見放されつつある。体制維持を考え、慎重になったかもしれない。だが、新指導者は世界における国の置かれた状況を把握しているのだろうか。また富が中央に集まるだけでのシステムでは、国の発展はない。

新体制が、どのような方向に進むのかは予測しがたい。状況に応じて、臨機応変に対応するしかないだろう。ただ日本としても、最悪の事態を想定しつつ、この国が開放体制に移行する場合の付き合い方の研究も必要だろう。

全体としては、朝鮮半島全体は、不安定になる可能性が高い。周辺諸国は、それを望まないが、何が起こっても仕方ない。将来、中国と共に、東アジア混乱の要因になる可能性が高い。日米は、それに備えて、大所高所で、どうするべきか慎重に考える必要がある。

次回に続く。

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2012年12月26日 (水)

2013年動向予測 国際編(三) インド・パキスタン

2013年動向予測 国際編(二)の続き

ⅲ インド経済は、問題を抱えながらも順調に

インドは魅力的だが、すぐ帰りたくなる、と言われる。それほど気象条件は厳しく、環境もよくない。混沌としていると言える。それだけに簡単には行かない。言い換えれば、底なし沼でビジネスするようなものだ。

だが、これは、裏を返せば、ビジネスチャンスが大きいということ。そこから蓮の花のようなダイヤモンドの原石が発見される確率は高い。それまでは大変だが、辛抱強く年月をかけて取り組むしかない。

それに、インドは親日的だし、世界最大の民主主義国家であり、中産階級は3億人おり、ビジネスは体制が違い反日感情の強い中国より、考えようによっては、はるかにやりやすいはずだ。ただ、民主主義国家ゆえ、中国のように一気には進まないことも覚悟しておくことも必要だ。また厳しい自然環境から導かれた若干ちゃらんぽらんな国民性に慣れることも大切だ(人間の本質ではないかもしれない)。

現在、12億人の人口を抱え、インド経済がピークに達するのは、2040年頃と言われる。若年人口の多さ、貯蓄率の高さ、内需の高さがインド経済の強みだ。まだまだ可能性が大きい。2050年には、人口が17億人になり、GDPは約28兆ドルとなり、世界第3位になり、日本の4倍程度の規模になると予測されている。

もちろん、景気の波は、どの国にもあるように、上げ下げはある。現在は、インフレとインフレ抑制の狭間で、当局は揺れている。インフレを放置すれば、生活困窮者が増え社会が混乱するし、そうかと言って成長しなければ、豊かにはならない。

だが、成長に伴いインフレを引き起こすと、賃金引き上げに伴い健全な成長を阻害する。これは途上国共通の悩みだが、人材のレベルを徐々に切り上げていけば、今後も順調に成長すると予測される。

日本とは、戦前から関わりは深い。インドの独立を日本は支援した。大東亜戦争に日本が負けたのが、1945年8月15日。インドが独立したのは、何の因縁か、その2年後の1947年8月15日だ。そして、1952年にインドと国交を樹立した。インドは、その後社会主義国になったが、近年、民主主義国に転換したため、日本としてもビジネスが期待されるようになった。

2011年の輸出入を合わせた貿易額は、1兆4000億円強だ。更に、日印EPA(経済連携協定)は合意しているので、それも日本企業のインドビジネスを後押している。すでに日本は、ここ3年の累積投資額は、増え続けている。

景気の変動の大きさ、低収益性、権利意識から来る労働組合の運動、各種訴訟の多さなど、多少の波風が吹いても、この流れは変わらないだろう。急いだ成果を求めず、インド人の知恵を活かしながら、じっくり取り組むことが求められる。

日本としては、今後、特にインフラへの貢献は、インド側も期待しており、大きいはずだ。道路、電力、水、港湾、鉄道など。日本は、少しずつ貢献している。インフラの面では、すでに、デリー・ムンバイ産業大動脈に、戦略的グローバル・パートナーシップの強化が示されている。

インドは、社会資本を充実させるための資金が不足しており、これをどう調達するかが問われている。具体的には、日本はすでに45億ドルの円借款などの金融支援を決め、水関係処理、環境、電力、鉄道、交通、ITの事業を推進する。

なお、外国直接投資を増やすための規制緩和も、国内の抵抗も強いようだが、徐々に進んでいる。総合小売業、航空業、保険業、年金、放送業、電力業も、その方向にある。

インフラ整備後は、インフラをベースに物流、保管の整備が求められるだろう。十分に、物が行き渡らない物流面のネックもある。流通改革が望まれる。また、ネット通販は拡大しており、彼らに信頼される仕組みの提供が求められる(なお、カード決済は普及していないので、当面は、代金引換対応だ)。

その他に、農産品の廃棄が問題になっており、多くの人口の胃袋を満たすためには、廃棄ロスを無くすことが大切だ。灌漑設備による農産品の生産拡大と共に、この面でも、日本企業の参画の可能性は高い。

更に、医療・衛生等も日本の進んだシステムを持ちこむことによって、社会を改善することに貢献できるだろう。インドは、あまりにも偏った薬品に頼り、薬品漬になっているという。日本も医療において薬品の依存度が高いと言われるが、インドは抗生物質等に偏っていると言われる。そのため病が複雑化している。

その一方で、インドの後発医薬品の輸出基地になりつつある。「世界の製薬工場」と言われている。それは価格競争力があるからだ。すでに世界4位で、シェア20%だ。品質はよくないとされるが、日本の製薬会社と組んで、品質を上げていく可能性も高いので、今後の注目点だ。

最近問題になっているのが、自殺者の多さ。インドでは、メンタルヘルスの管理が普及しておらず、この点での日本の貢献も可能であろう。医師不足の解消のためには、遠隔医療システムの導入も考えられる。早く、適切な医療体制の構築が急がれる。

今後の問題としては、成長に伴うひずみが生じることだろう。例えば、都市と地方の格差は広がるばかりで、田舎は放置されている。また全国にインフレの問題は深刻だ。地方は、都市の発展伴うインフレの被害も受ける。燃料価格の高騰は、一般庶民の生活は苦しめている。

資源開発に伴う環境汚染問題や自然破壊等が問題になる可能性がある。進出企業は、地元の長期的利益を鑑みながら、利益の還元が求められる。インド政府は、一つ一つ丁寧に解決していく必要があるだろう。都市と地方の均衡政策は、必須だ。日本企業は、この面でも協力は十分可能だろう。

このように、インドは、日本にとって、中国より大きなビジネスの可能性を秘めている。ちなみにインドの人口の7割は農村である。今後は、都市部への人口集中はこれからも進んでいくと考えられる。その都市の整備も含め、ビジネスチャンスは拡大するだろう。それに伴い、農村の思考も都会化すると考えられる。

更に、もう一つの視点として、インド、ミャンマー、タイの関係も見ておく必要がある。三国を結ぶハイウェーの建設が予定されており、これはインドの中国に対する鞘当てとも取れる。ミャンマーへは中国から影響力を強めており、国境がらみで、インドは警戒している。日本は、インドの立場も踏まえて、タイとの関係強化、ミャンマーに進出することは意義あると言えるだろう。

総合的に判断して、日本のビジネスは、インドと合うと判断する。確かに、成長率の鈍化傾向は最近見られるが、長期的視点で捉えれば問題ない。欧米企業のように結論を急ぐべきではない。ただ注意すべきは、トップ決済が重要だということ。インドとの交渉においては、今の今が大切なのだ。インド人は概して気が短い。よって即断即決できる決裁権のある人を交渉の場に立てなくてはならない。

また、より良いパートナーを得ることは、インドでも同様に大切だ。進出の成果はパートナー次第だろう。インド人は、哲学的に優れており、彼らと競争するより、その優秀性を活用することの方が望ましい。彼らからアイデアをもらえばいい。

そして、他国はインド住民の生活を無視した進出をしているところもあるようだが、進出させてもらうという気持ちは大切だ。問題点としては、英語と日本語の壁をいかに打ち破るかということだろう。そのためには、日本で、彼らが住みやすい環境を整えて、日本進出を促し彼らとの交流を深めるべきだろう。

また外交関係では、日印安保協力の拡大を推進している。これは日米同盟の深化の一環とも受け取られている。そういう意味でも、日本にとって、インドは重要な国だ。

なお、注意すべきこととしては、カースト制度は厳然と生きており、身分社会であることに変わりはない。都市部では若干、それは意識されなくなりつつあるが限られる。よって日本的に変な平等主義を持ち込むと、組織運営はうまくいかないことに留意すべきだろう。

ⅳ パキスタンは成長の可能性が大きい

パキスタンの可能性について、ほとんどの経済評論家は論じないので、インドに隠れて、あまり注目されないが、魅力的な市場を持つ。インドネシア同様、イスラム教国だ。

現在の人口は約1憶8000万人。国連の予測だと、2030年に2億6600万人に達するという。更に2050年には3憶3500万人になるらしい。国自体も若く、これから更に増えていく生産年齢人口の多さが魅力だ。

インドのようにカースト制度もなく、権利意識が薄いので、労働組合が存在しないのも、経営者にとってメリットだ。それに日本に親日的だという。その理由は、日本が政府開発援助を純粋にパキスタンのために投じてきたことを彼らは分っており、日本に好意的だ。

戦後の廃墟から復興を成し遂げた上に、日本の商品の信頼性への尊敬と憧れもある。更に、戦時中、日本が幸いにも、軍が進駐していないことも好意的な原因の一つらしい。日本企業は、インド市場攻略と共に、隣国のパキスタン市場にも注目すべきだろう。

なお、旧東パキスタンは、現在、バングラデシュだが、日本政府は貧困撲滅のために援助しているが、国の腐敗が激しく、思うようになっていない。当面、バングラデシュよりパキスタンに注目した方が賢明だろう。

以上。次回に続く。

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2012年12月25日 (火)

2013年動向予測 国際編(二) 米国・欧州

2013年動向予測 国際編(一)の続き

ⅰ 米国経済の予測は、2012年とは基調に変化がある

米国は、全体としては、まだ経済は苦しいが回復の兆しが見える。それは、昨年にも少し触れたが、シェールガス革命により、エネルギーコストが大幅に下げられることが大きい。これにより米国は資源国に転換する。その埋蔵量は今後400年分という。

最早、中東の原油は必要ないらしい。それがもし真実なら、今の米国問題はあっと言う間に解決する。米国が資源を武器に今後、国際的にどのような活動をするのか注視する必要がある。これの効果は大きく、米国の再建の大きな足掛かりになることは否めない。

また、大統領選では、オバマ氏が勝利したが、その行く手は、まだ依然厳しいものがある。ただ、この難局を乗り切れば、案外、明るい未来が待ち受けているかもしれない。将来、予測される「世界同時恐慌」にも、米国一国だけは耐えられるかもしれない。

政治面では、オバマ大統領が大統領選に勝利したが、民主党が上院、共和党が下院を制し、ねじれは解消しなかった。よって、富裕層への減税の止めることと、大幅な歳出削減ができるかは、分らない。かなりの政治的混乱はあるかもしれない。

ただ、基本的に、政策は変わらないだろう。すなわち2012年同様、米国の厳しい財政状況は変わらない。シェールガス革命による貢献は少し先だ。よって当面は、まだ長年の巨大な財政赤字、貿易赤字のツケがボディブローのように応えてくるだろう。

これは少しの経済対策で解決できるものではない。まだしばらく、日本同様、財政政策、金融政策、為替政策にしても満足のいくような対策は取れないだろう。米国経済について、資本市場関係者は、たびたび景気回復を囃すが、それも大統領選が終わったことで、やがて実態は明らかになることだろう。

米国市場は、住宅の回復傾向があることは確かなようだが、全般として、残念ながら、需要はまだ弱いままだろう。株価は上昇したり、見掛け上の経済成長はしているが、根本的なものは何も解決していない以上、過大な期待はできない。失業率8%の改善もなかなか難しいだろう。

ただ、オバマ政権は何もしなかったわけではない。皆保険につながる健康保険改革は、長い目で見れば、国民のためになるだろうし、日本がバブル崩壊後にやったような手立ては、確実に打たれている。各種軍事費用の削減にも取り組んでいることは、財政再建にプラスだろう。

出来ることと言えば、まず実業の分野を他国(例えば日本)と連携しながら、アジア市場を意識しつつ、強化すべき産業政策を明確にしていくべきだろう。製造業の強い日本企業に投資を促すことも大切だ。その上で、日本と共同でアジア市場を開拓していくことが求められる。それぞれに得意分野を活かしながら、力を合わせれば、ウィン・ウィンの関係は可能性大だ。

米国は、日本をアジアに対する軍事の足場としているが、産業分野の研究・開発における足場にしているとは言い難い。この点は、逆に言えば、あまり日本を評価していないのかもしれないが、アジアを攻略したいのなら、日本を基点とする戦略も有効と思うが、彼らは、どのように考えるか。

また内需的には、公共投資のような現業的な雇用を生む産業への傾斜政策が求められるかもしれない。米国は、日本と違い、広い国土を有し、自国の資源も豊かだ。例えば、シェールガスの採掘が技術的に可能になり、数年後には輸出可能になるかもしれない。埋蔵量は計り知れないくらいだから、米国が資源大国として生まれ変わる可能性がある。

それに、広大な未開発の地域開発余地は十分ある。人口は、移民が引き続き流入しており人口が増えるから、環境問題を鑑みながら、効率的な交通システムを作り上げる必要がある。そのためには、地域交通システムの確立が求められる。だから、日本で言う公共投資を増やせば、それなりに経済は活性化するだろう。

後は、海外の需要取り込みでは、日本同様、米国はアジア太平洋地域に期待している。それはオバマ大統領の発言からも明らかだ。アジア太平洋地域に関与することが、国内の雇用を生み出すと考えているようだ。日本は、米国と共同で、お互いの長所を活かしながら、アジア太平洋を開発していくべきだろう。

ただ、TPPへの取り組みは、日米で慎重に取り組みを研究すべきだろう。徒に日米が参加すると、国家権の侵害につながり、むしろ混乱させてしまう可能性があり、思ったほどの成果を上げられない可能性がある。米国としては、むしろ日本の製造業に進出させて、それを輸出する形態がベストだろう。

だが、今世紀はアジアの時代。もういい加減に過去の栄光は忘れた方がいいかもしれない。一歩引いて、世界を見る余裕も必要だ。何もかも、米国が関与する必要もない。今までは、米国は世界の超大国という自意識過剰のように思える。

もちろん、近い将来、米国の復活はありえないことではない。それはシェールガス革命がもたらすだろう。そうなれば、それなりの役割を果たし、求められるだろう。それにユーロ、中国の劣化で、相対的に浮き上がることも考えられる。だが、最早、アジアへの関与なしでは、米国の成長もあり得ないのは確かだろう。

ⅱ 欧州経済、低迷基調変わらず(基本的に、記事内容は2012年と変わらず)。

基本的に、いずれユーロは崩壊すると見て間違いなさそうだ。崩壊の中身はいろんなシナリオが考えられる。一番可能性が高いのは、まず縦の北部と南部の分化。いわゆる野球で言う一軍と二軍に分れるという見方。更に、ドイツ、ベネルクス三国、オーストリアのみ残る見方などある。いずれにせよ、ユーロは、長期的には持たない。

よって、それを前提に、物事を運ぶ必要がある。ユーロは短期間に組織を拡大したことが禍を招いていると言われる。いわゆる、モザイク仕様になってしまったのだ。問題になったギリシャは1981年、ポルトガルとスペインが1986年に加入している。加盟国が急拡大してのは、2004年以降のことだ。

これは当初から理念だけで走り過ぎたことが、すでに問題を孕んでいたということだ。実務や運営について十分に検討されたのか疑問が残る。もちろん、米国からの不幸な事件もあった。リーマンショックがユーロ運営組織にひびを入れたのが実情だろう。モザイク・ユーロは脆く、いずれ遅かれ早かれ崩壊する。

現在、いろんな試みがなされているが、根本的な解決方法は見当たらない。各国共に、大幅な増税と歳出削減が求められるが、果たして、どこまで可能なのか。更に、根っこの問題として、ユーロの南北問題、ユーロ通貨と非ユーロ通貨の問題、財政の統一の難しさ、ユーロの東西の経済レベルの格差、失業率の増大による社会不安等を抱えており、これを解決する方程式は今のところない。結局、回りまわって、元の木阿弥になるしかないのではないか。

経済の実態は深刻だが、少し騒ぎすぎの感もある。国により、差がある。ただ、かなりの部分で実態のない金融取引という虚業経済が蔓延った結果の反動が来ているのは確かだ。日本のバブル崩壊同様、経済が回復するには相当の時間を要する。ユーロ経済には、しばらく期待できない。日本は官民共に、ここに無駄なエネルギーを投入することは避けたい。

日本は、貿易依存度が低い上、ユーロへの輸出に占める割合が10%弱だが、その比率の高い、ブラジル(18%)、中国(15%)、インド(15%)、韓国(15%)から間接的には影響は受ける。ただ、それほどに騒ぐ必要はない。ユーロ市場からは、早めに撤退すればいい。すでに片足は抜いているところも多い。

このように基本的に、老いた欧州は、大きく期待できる市場ではなくなりつつある。労働者の既得権が改革を阻む可能性が高い。彼らが国家の危機を感じるまで続くだろう。それに社会保障も重荷だ。果たして社会保障改革はできるのだろうか。これは日本としても、注視したい。よって社会保障関連ビジネスも順次縮小していくだろう。

結論として、2013年には、全体的に経済は更に縮小していくだろう。外部からは、ユーロ市場を含む西欧市場が当面(最低10年程度か)無くなったと考えた方がいい。欧州は、しばらく世界の中で、まだまだ漂流する可能性が高い。

次回に続く。

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2012年12月24日 (月)

2013年動向予測 国際編(一) 概要

2012年も、年末も大詰めになってきた。恒例の来年2013年の動向予測を、厚かましく出してみよう(笑)。但し、毎年のことだが、単に情報を主観的に切り取って整理しただけで、予測というほどのものではない。もし、お暇なら読んでみて(笑)。なお、本年より国際編のみとし、都合により国内編は中止します。

それでは、以下に、感じた点を、記してみよう。便宜上、Ⅰ、国際経済、Ⅱ、日本の外交に分ける。

Ⅰ 国際経済

まず国際情勢の概要を見ていく。2012年は、世界主要国では、選挙により、国家指導者の大幅な変更があった。今後の経済は、新しい指導者の下に展開されていく。ただ、総合的に見て、世界経済は2012年同様、全般的にアップダウンしながらも、低迷を続けるだろう。多くの国が、低迷あるいは、なべ底景気が続くと判断して間違いなかろう。

米国は、全体としては、依然として経済状態は苦しいが回復の兆しが見えないこともない。それは、昨年にも少し触れたが、近い将来、シェールガス革命により、エネルギーコストが大幅に下げられることが大きい。これにより米国は資源国に転換する。その埋蔵量は今後400年分という。

最早、中東の原油は必要ないらしい。それがもし真実なら、今の米国問題はあっと言う間に解決する。米国が資源を武器に今後、国際的にどのような活動をするのか注視する必要がある。これの効果は大きく、米国の再建の大きな足掛かりになることは否めない。

ただ、現状の経済は、大統領選では、オバマ氏が勝利したが、その行く手は、当面まだ厳しいものがある。しかしながら、この難局を乗り切れば、案外、明るい未来が待ち受けているかもしれない。将来、予測される「世界同時恐慌」にも、米国は耐えられるだろう。

欧州はユーロが、ギリシャの不安定化に発し、デフォルト(債務不履行)から、若干、脱しつつあるように見えるが、根本的なものは何一つ解決していない。急激に作り上げたモザイクのユーロの再生は発想の転換をしないと、回復は困難だ。現在は、不安定下の一時的な安定だろう。依然、不透明な状況が今後も続くだろう。このトンネルを抜けるのは容易ではない。

急激か、緩やかかどうかは別にして、これらの地域は、アップダウンしながら確実に落ちていくのは止められない。2013年も、ユーロは更に悪化し、ずるずると不安定に展開され続けると見て間違いはなかろう。ユーロの悪化が、世界に多かれ少なかれ影響していくことは変わらない。結局、今後、破綻の連鎖、混乱、再生ということになるだろう。

日本としては、アジアに基盤を確実なものとしながら、より多面的、重層的に展開することが望まれる。もちろん、それは楽な展開ではないだろう。ある部分は捨てる勇気も必要だ。つまり中国市場だ。

中国は人件費高騰もあり、インフレの問題もある。金利を上げてインフレを抑制すれば、内陸部のインフラ整備が遅れ、成長率に減速がかかる。バブル崩壊は時間の問題だろう。尖閣問題で、中国は政経一体と改めて確認した。中国を経済で太らせても、民主主義経済体制側には、あまり貢献しない。最早、中国を準同盟先と考えるのは止めざるを得ない。

今後は、インド、東南アジアの成長率が高まる可能性が高い。ただし、インフレが、成長を抑制するのは途上国に見られる共通の現象だ。それらをうまく運営できるようにアドバイスするのは日本の役目だろう。日本としては、インドを中心に東西の国々を見ていく仕組みが重要だ。結果的に、日米印トライアングル同盟の推進につながるだろう。

現状、TPPに参加することは、日本にとってメリットはないが、市場を環太平洋に拡げていく意識は、仮に海外と直接関わりが無くても、国民一人一人が持つべきだろう。環太平洋地域への一つ一つの国ごとに、日本の貢献が、これからの日本の将来を決めていくことになる。結局、日本人全体の意識を変え、国内改革を急ぐ必要がある。

その他の国々の状況は、日本にとって、2012年とあまり変わらない。言えることは、資源国は、米国のシェールガス、シェールオイルの増産によって、厳しくなっていくことだろう。日本にとって、資源戦略の再構築は、非常に大切になってきた。過去の戦略を大幅に変更する必要がある。

次回に続く。

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2012年12月23日 (日)

適正利益とは

先日の新聞記事で、ある消費者金融のトップが、適正利益で利益を取り過ぎないことが大切と主張していた。裏には株主の過剰な配当要求が減っていることがあるようだ。企業は、株主、得意先、従業員、協力企業から成っている(広い意味では、顧客・エンドユーザーも含めるが)。

企業を存続するためには、利益を確保しなければならないが、利益配分が過剰に偏ると、企業の存続自体、危うくなると分ったのであろう。更に将来のリスクに備えて、内部留保も必要だから、経営者にとって、利益の配分には十分気を配らなければならない。

それでは適正利益とは、どの程度を指すのだろう。それは業界によって異なるかもしれない。それでも、社会全般との平均にも配慮せざるを得ない。特別の業界だけ、過剰な利益を計上し続けるのは、ある意味、異常であろう。それは健全な姿ではない。

経営者は、常々、適正利益について、考え続けることが大事なのかもしれない。それによって、今後の事業のあり方さえ、見通すことができる。やっと適正利益の大切さについて気づいた、先に上げた消費者金融は、業績を上げるかもしれない。

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2012年12月22日 (土)

時計を忘れる

先日、時計を忘れて出かけたので、腹時計で外食することになった。でも、時間はぴたりと昼食時間(笑)。最近は、皆さん、携帯を持ち歩いているから、時計を持っていることになるのだろうが、流風は、ほとんど携帯を持ち歩かない。必要性を感じないからだ。

だが、時計も携帯も持たないと少し不安になった。でも、時間に縛られないで過ごすことも、たまにはいい。もちろん、そうは言っても、現代人は時間で管理されていることも確かだ。

しかしながら、人は、時間管理から解放される時を持つことも大切と感じた。土日には、時計や携帯を持たずに行動してはいかがだろうか。

*追記

因みに、自由時間のことではないが、エジソンは、仕事も勉強も時計を見てはならないと指摘している。

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2012年12月21日 (金)

古美術と落語『初音の鼓』

昔、知り合いになった年輩の人は美術品収集家だったが、その人が言うには、「美術商は、いつもいいものを提供してくれるとは限らない。あまり価値のないものを高く売りつけてくることが多い。ところが、10回に1回くらいに本当に価値ある作品を持ち込んでくることがある。美術商との付き合いには捨て金が必要だ」と。

美術品の収集には全く興味もないし、そんな物を買う金もないが、今でも彼の語った言葉だけは記憶に残っている。これは多分、情報収集でも同じことが言えるのだろう。価値ある情報とは、そのようにして入手できるのだろう。

ところで、落語に、顧客の殿様を騙す出入りの道具屋の話がある。道具屋の吉兵衛は、庶民に人気のあった、あの赤井御門守に出入りしていた。ただ持ちこむものは、少し怪しい物。例えば、久米仙人の越中ふんどしとか、わけのわからないものばかりだった。

そして、今回は、珍物として、「初音の鼓」を持ち込む。そして、口上は「この鼓を叩きますと、傍らにいる者が、狐の鳴声を発するという、不思議な鼓です」と売り込む。試しに、赤井御門守がポンと叩くと、吉兵衛はコンと鳴く。

馬鹿らしいと思うのだが、そこは赤井御門守。「これは面白い鼓じゃ。いか程だ」。「はい、百両でございます」。「よしよし、それなら買い取らせる。後ほど参れ」。吉兵衛は、喜んで帰路につくのだが、ふと不安になる。

もし殿が家来衆を呼んで、鼓を鳴らしても、家来衆にシャレが分らなければ、事の次第がばれてしまう。そこで、家老の三太夫に頼んで、「一声鳴くごとに一両」という裏工作をして買収する。

そして、三太夫は、吉兵衛は赤井御門守の御前にまかり越し、殿様がポンと鼓を叩くと、三太夫はコンと鳴く。殿様は、これには面白がって、ポンポン、ポンポンと続けさまに叩くと、三太夫は必死になって、コンコン、コンコンと応じた。

これを見ていた殿様は、「これ、吉兵衛、このたびは、その方が叩いてみよ。そうすれば約束の金を下げ使わすぞ」と言う。そこで、止むなく、吉兵衛がポンと叩くと、殿様がコンと応じた。

そういうことで、殿様が、「それでは約束の金をつかわそう」。「ありがとうございます」と吉兵衛が得意になっていると、一両しかない。「恐れながら、お約束の代金は百両でございます。ここには一両しかございません」と吉兵衛が言うと、殿様は「いやいや、一両でよいのだわ。予と三太夫の鳴き料は差し引いてあるぞ」。

要するに殿様は、全てお見通しだったということ。うまく騙されたように演じていた。もちろん、三太夫から御注進があったことは確かだろう。それでも、吉兵衛を咎めてはいない。庶民のユーモアの分る殿様であった。赤井御門守のモデルが誰であったかははっきり分らないが、落語に度々登場する、この殿様は愛すべき人で庶民に人気があったことは確かだろう。このようなところに、情報が集まるのも一つの事実である。

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2012年12月20日 (木)

今年の調理器具の買い替え 2012

今年は、久しぶりに調理器具を買い替えた。一つは先日も記したようにフライパン。大変いい具合だ。買い替えるごとに進化している。道具が変わるだけで、料理が楽しくなる。うまい具合に出来上がるのだ。どうも従来使ったていたフライパンと少し構造が違うようだ。いずれにせよ大正解だ。

もう一つは、まな板。古い木製のまな板を使っていたが、さすがにもう限界と買い替えた。木の香りがして、いい。畳と何とかは新しいものがいいというが、まな板も付け加えた方がいいかも(笑)。

小鍋も二つ買い替えた。どちらも、安物に近いが、以前使っていたものより、若干煮えるのがはやいように思う。料理によっては不都合だろうが、簡単料理には相応しい。

後は、やや古くなったオーブントースターをどうするか。電気代節約のため、夏場は使用を控えていたが、冬には、やはり必要。ただ、網の部分がぼろぼろ。網を取り替えたら使えそうな気もする。新年を迎える前に買い替えようかな。ただ、最近のオーブントースターは、少し大きすぎる。企業側としては付加価値を付けたいのだろうが、少し迷惑だ。

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2012年12月19日 (水)

マスコミは選挙予測を禁止せよ

マスコミの選挙予測は本当に必要だろうか。今回の衆議院選挙では、マスコミが圧倒的に自公優勢を伝えたため、投票率が非常に低い結果になった。確かに、そのような報道がされれば、投票しても無駄という判断をする人は増えるだろう。

ところが、政党によっては、投票率が低い方が当選確率が高くなるところもある。マスコミの選挙予測によって、特定の政党が有利になるとすれば問題ではなかろうか。そこにはマスコミに作為があると思われても仕方ない。

今後は、選挙の公示期間中は、マスコミによる選挙予測は禁止されるべきではないか。今は、情報社会で、マスコミが選挙予測することは、正しい選挙を歪めかねない。投票行動によい影響を与えるとは思えない。むしろ歪めることになりかねない。

投票箱は、候補者にとっても、選挙民にとってもビックリ箱であるべきで、投票する前から結果らしきものが分っては少しも面白くない。投票率を上げるのを妨げているのは、選挙公示期間中のマスコミの選挙予測報道にあることは間違いないだろう。

*追記

このように論じても多分、言論の自由を盾に、マスコミは自主規制できないだろうから、法律で、選挙公示期間中のマスコミ選挙予測の禁止を定めるしかないかもしれない。

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2012年12月18日 (火)

小便される

犬を散歩させるのはいいが、リリースして、放し飼いされるのは迷惑なことだ。また犬はあちこちに尿を撒き散らすのも困る。先日も、家の前で小便をされた。飼い主は知らんぷり。嫌な感じ。便の場合は、飼い主が処理する例が増えたが、尿の場合はそのままだ。野良猫の放尿同様、不愉快なことだ。それに、あの臭いはくさい。

そういうと、「小便された」という隠語があった。流風の若い頃は、使っている人もいた。時々、販売店の応援に行くと、店の人がよく言っていたが、初めは意味が分らなかった。後で確認すると冷やかし客のことを指しているようだった。

今でも、この言葉を使っているのだろうか。これの本来の意味は、契約成立がしているのに、どちらかが一方的に破棄することを指す。転じて、冷やかしの客が物を買わないことを指す。昔は、大体、小道具、古道具屋などで使われたようだ。

流風などは、契約破棄は、あまりしたことがないけれど、冷やかしという意味での「小便する」のは度々だ。冷やかしを通じて、人は世の中の物の価値を知っていくのだから、「小便される」のも、商売をする上では仕方ないことだけれど、犬や猫の小便は勘弁願いたいものだ。

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2012年12月16日 (日)

粋と野暮

粋と野暮のどちらがいいかと問えば、多くの人は粋がいいと答えるかもしれない。粋は洗練された感じで、野暮は、野暮ったいと表現されるように、田舎臭さが抜けない感じだ。ところが、長い人生で見てみると、無事生き残るのは、野暮な方であるらしい。

それは粋人は、過度におしゃれに金を使うからだろう。女性のおしゃれは、ある程度仕方ないが、男は、あまりおしゃれに金を使わない方がいい。女性は外見で粋人に騙されやすいが、気をつけた方がいいと思う。余計なお節介かな(笑)。

まあ、パートナーをお持ちの女性は、旦那がおしゃれに気を使うようになったら、少し怪しいと疑わねばならぬ(笑)。ということは、男は、いつも野暮に振舞えないということか。残念ながら、男は分りやすいね。仮に流風が、その立場になっても、誤魔化せないだろうな。でも、その心配はなく、ずっと野暮で通せそうだけれど。

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2012年12月15日 (土)

商売人と景気

よく景気が悪いから、国に何とかしてくれと言っている経営者を見受ける。こういう経営者は商売人ではないと断定できる。商売人は自分の懐具合と相談しながら商売する。常に採算が合うように仕組む。だから他人をあてにしたりしない。

すなわち才覚がすべてなのだ。ところが、最近は自分の才覚を棚に上げて、他者に依存しようとする経営者がいる。確かに大企業ともなると、所帯が大きいので、国のちょっとした政策が経営に影響を与えるかもしれない。

しかしながら、中小企業の場合は、そうではないだろう。経営者が採算を合わせることに執着していないから、経営に問題が起こる。そのような経営者は往々にして従業員の雇用を守らなければならないとか言い訳をするが、経営が最終的に左前になっては、何にもならない。

特に大企業の下請けをしている中小企業の経営者に商売人の精神を取り戻す必要があろう。そうしないと、いつまでも国は無駄な中小企業を一時的に延命するだけで、税金の無駄遣いをしなければならない。採算が合わなくなったら、余裕を残して店をたたむのが賢明だ。そして、発想を変えて、次のチャンスに備えるのが商売人の生き方だろう。景気は自らの中にある。

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2012年12月14日 (金)

リスク大きい集中投資

十年くらい前、株式投資を始めた時、IT企業華やかりし頃だったが、ネット証券会社のトップが集中投資が望ましいと言っていたので、その通りにすると大きな損失を出した。それ以降、投資は分散投資にしているが、証券会社は、このように投資家を惑わして、自らは自己売買で儲けている。要するに証券会社に、たかられたということだ。

初期に出した損失額は、未だに埋まらないが、株式投資に限らず、集中投資は、大きな成果が期待されるけれど、大きな損失も十分あり得る。流風は頭では分かっていたのに、なぜ、そのような大きなミスをしたのだろうか。投資に対して未熟な考え方であったかもしれない。あるいは、やはり気の迷いがそうさせたのかもしれない。

今では、羹に懲りて膾を吹く状態(苦笑)。結局、その他の投資で利益を上げたので、プラスマイナスゼロ。つまるところ、銀行に預けていれば、わずかの利子でも得られたのに、それもパー。でも、投資は、これくらいがいいようだ。高い授業料だったが、頭の体操にはなったのだから。

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2012年12月13日 (木)

腹中の見込み

交渉事で腹中の見込みを洩らしてはならないとよく言われる。ただ全く話さないと交渉が前に進まない。相手に聞かないと分らないことがあるからだ。それには、こちらの情報や考え方をある程度、伝えなければならない。では、どの程度話せばよいか。先人は次のように言っている。

  腹中の見込み三つ、あらば、少なくとも、

  その中の決め手一つは決して洩らすな。

これは、ユダヤ的投資についても言える。マスコミで発言する金融・投資関係者の言葉も、彼らが、そのように発言していると理解しておれば、判断が間違うことは少ない。

*追記

若い人の中には、何も情報を提供せずに情報だけ得ようとするが、これでは情報は得られない。提供する情報の取捨選択は必要だが、相手の関心ある情報を提供することはしなければ、交渉事にはならない。

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2012年12月12日 (水)

角を矯めて、、、

角を矯めて、牛を殺すということわざがあるが、人間も同様である。現在、大学が問題になっているが、全ての人が学問が必要なわけではない。最低限の読み書き計算ができれば、それぞれの分野で研鑽すれば、世の中は渡っていける。

世の中、学問をすれば却って駄目になる人々もいるのだ。人によっては学問より実践を早く優先した方がいい場合がある。人々と早く接して、人の本質を早く知れば、度胸もつく。学問をすれば、ああだこうだと考えて判断が遅れる。

実践をした後で、足らざることを学んでもいい。あるいは、足らざるを学のある者で補えばいい。今の日本に求められる人材は度胸のある、図太い人物だろう。そういう人間は、多くの人と接する中で、人を見極める能力を養っていく。

それが決断力につながる。国家として、学問が必要な人材は全体で30%もあれば十分だ。企業も、人を採用するに際して、本当に大卒だけを採用するのがいいのか考えなければならない。

*追記

昔は女性は夫が仕事を失っても食えるように、手に職をという家庭教育がなされた。現代は、女性に限らず、男女共に手に職を持った方が有利なようだ。

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2012年12月10日 (月)

大谷を落とした日本ハム

花巻東高の大谷翔平君の日本ハム入団が決まったようだ。彼は大リーグに行くと言っていたが、日本ハムは、敢えてドラフトで指名していた。他球団は、リスクを感じて、どこも指名したなかったから、日本ハムはギャンブルに勝利したと言える。

このことは、企業の営業にも参考になる。有力先で、どうしても落とせない場合があるとする。その有力先が使う業者との結びつきは強く、新たな業者が入る隙はない。そうした時、営業はどうするか。何回行っても無駄だから諦めるか、それとも根気よく説得して顧客として確保できるか。

営業だったら誰でも一度は悩むことだ。有力先に労力をかけても落とせなかったら、ロスが大きい。それなら、他の顧客をコツコツと回って、成果を積み重ねた方が堅実だ。だが、有力先を落とせれば、営業成績は効率よく上がる。そのどちらが良いとも一概に言えない。

さて、日本ハムは、どのようにして大谷翔平君を落としたのだろうか。まず栗山監督の熱意。「北海道から日本一」というメッセージや、かつてダルビッシュがつけた番号を用意。そして、50枚に及ぶプレゼン。

そこには高校生から大リーグに行くリスクが書かれていたようだ。入団後の育成方針も、もちろん、示されていたのだろう。若手の育成では日本ハムは実績と定評がある。多分、彼の両親が、まず反応するだろう。外堀を埋めれば、後は本人の意向次第。

日本ハムは、ドラフト指名後、段取りよく仕事をこなした。それがよい結果を招いた。これは球団全体の勝利だろう。日本ハム、おめでとう。球界の宝として育てて欲しいものだ。そして、考えるに、仮に阪神タイガースが指名していたら、彼は果たして入団を決意しただろうかということ。戦略と組織力の差を感じる。

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2012年12月 7日 (金)

大欲、小欲

現役時代、下請け工場の社長さんから、「流風さんは、欲がないから困る。もっと欲を出してもらわねば、ついて行かれない」と言われた。流風にすれば、少しショックであった。別に、流風に欲が無かったわけではないが、外側から見ると、そのように見えたのだろう。

人間、欲を丸出しにすれば、その人間性が問われるが、そうかと言って、欲のなさすぎる人間は信用できないということであろう。人間は欲を持つことによって前に進んでいく。マズローの五段階欲求のように、欲の段階を登りながら、周辺とバランスを取りながら、人は成長もする。

自分自身のための金欲、物欲のような小欲もいいし、社会、国家、広くは世界のために尽くすという大欲もいい。欲を出すのは、人間生活に必要だ。そして、その欲をほどよく調整させながら歩いていくことを人は学ぶ。

今の日本に足りないものは、多分、欲だろう。満たされた気になって、寡欲になっていないか。まだまだやるべきことはあるだろう。ハングリー精神を取り戻し、日本全体が、もう少し欲を持てば、活気づくことは間違いなかろう。

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2012年12月 6日 (木)

日本の安全保障の選択肢

米国の有力者が、日本の立場での安全保障の選択肢を考えると、次の4つのようになると指摘していた。多分に米国的見方と言えないこともないが、流風的には納得できるものなので、備忘録として記す(解説は流風が一部付加)。

一、中立で国連に頼る

    国連の役割は依然として重要だが、限界がある。

    中立を守るためには、自前で国を守る必要がある。

二、中国の同盟国になる

    問題点は、領土をはじめ、

         いろんな強権的要求が中国から

         なされる可能性が高いこと。

         同盟を維持しようとすれば、

    国家としてのプライドは捨てなければならない。

    あるいは、強い対立に発展する可能性が高い。

三、核兵器開発により、核政策による抑止力を図る

    問題点は、周辺国家を不安定にさせる。

    核が不必要に拡散していく可能性を高める。

    戦後、営々と築いて世界に認められた

    「平和国家」というものを捨て去ることが

    プラスになるとは言えない。

四、日本が米国と同盟を続ける

    問題点としては、米軍が駐留するコスト負担が生じる。

    米国の経済等各政策に引きずられがちとなる。

    地域協定などで不平等が生じ、

         国民に不信感を植え付ける。

    日本の防衛の主体性を損なう。

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2012年12月 5日 (水)

高齢者市場再点検 その十

今回の高齢者市場再点検は、高齢者の学びについて。もうかなり前のことだが、暇だったので、大学の有料公開セミナーに参加した。有料と言っても、6回ほど講義があって、確か1万円くらいから2万円程度。行ってみると、高齢者の方ばかり。なるほど彼らは知的好奇心は高いのだと知った。

だが、隣の席にいる方の話を聞いてみると、これらの講義を聞いても、それを活かす場所がないとのこと。大学生は就職して社会に出て、大学で学んだものが幾許か役に立つであろう。ところが、高齢者は大学で学んで新しい知識を身につけても、そこで終わり、となりがちだ。その人は、所詮、退屈しのぎだと、笑っていた。

また全国に多くの高齢者大学があると思うが、同じことかもしれない。このことで気づいたのは、高齢者は、教えられるより、むしろ教える側に立った方がいいのではないかということ。長い人生経験や仕事で得た知識を広めるのもいいだろう。若い人には、利害関係がないので、いいアドバイスができるはずだ。

それが有料がいいのか、ボランティアがいいのか分らないが、高齢者に場を提供し、若い人たちに何かを伝えたり、相談に乗ってあげれば、お互いメリットは大きいのではないかと思う。高齢者にしても若い人と交流できれば、生活にハリができるというものだろう。そういう交流の場を作ることがビジネスチャンスとしてあるかもしれない。

*追記

高齢者市場再点検の記事については、今回で一応終了します。後日、また気づいたことがあれば、追加で記します。

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2012年12月 4日 (火)

高齢者市場再点検 その九

今回の高齢者市場再点検は、リフォームを考えてみたい。

老い先短くなると、人間、掃除もしなくなるようだ。確かに両親の場合も、そのようであった。流風が実家に帰って、時々掃除を頼まれたが、あまり掃除をしていない雰囲気だった。確かに小さい掃除は母がやっていたようだが、大きな掃除となると、身体がきついからと言って、放置状態。

そうかと言って、業者に頼むのを母は嫌ったから、最悪の状態。人間、清潔な状態を保つことは健康にもいいことは分っていても、段々できなくなる。ただ、高齢者が、掃除、部屋の模様替え、リフォームをやらなくなると、危ないようだ。

ということは、日頃から、それをやってもらう人の確保が必要だ。昔のように、多世代同居は少ないから、業者に頼むことも考えておかなければならない。

細かい掃除は毎日、中ぐらいの掃除は1週間ごと、大きな掃除は1か月ごとにして、年末の大掃除はパスしていいだろう。部屋の模様替えは3か月毎。それらをできることとできないことを整理して、業者に頼めばいい。

ただ業者の選別はなかなか難しい。便利屋に頼むのはいいとして、結構料金が高い。お掃除サービスも、基本的に金持ち相手のビジネスだから、一般は使うことはなかなか難しい。となると、専業ではなく、副業的にやっている業者が望ましい。

シルバーセンターに頼むのもいいが、どれくらいの技術を持っている人が来るかわからないし、どれくらい身元もしっかりした人か不明だ。家の中に入れるには、それなりに信用できる人でなければならない。その辺が、難しいところ。

またリフォームは、マンションの場合は管理会社が修繕計画を立ててくるから、外観に関しては、それほど気を配ることはないが、内装に関しては、やはり10年サイクルでのリフォームが望ましい。室内環境の改善は健康にとても大切だが、高齢者は、やや無頓着な人が多い。そうすると、室内はすすけてきて、気分も晴れやかにならないはずなのだが。

それは戸建てでも同様だ。戸建ての場合は、自分で修繕計画を立てなければならないが、一般には、あまりそういう意識が薄い感じだ。それは高齢者も同様。長い間、リフォームもせず、朽ちるままの家に住んでいる高齢者もいる。

お金がない場合は致し方ないが、そうでない人も、同じ傾向がある。そこにリフォーム業者が営業できているかと言えば、そうではないだろう。彼らは需要がどこにあるか、分りかねている雰囲気だ。たまに、家の外観状態に見て、訪問販売がくるくらいだ。

やはりリフォーム業者は日頃からのお付き合いが大切と思う。ということは、便利屋のような付随事業(例えば、掃除、家具の移動、不要家具の処理代行、ごみ処理代行、庭の木々の手入れ等)が必要だと思う。そこから、家の室内の状況が把握できるわけだから、計画的な修繕計画というプレゼンテーションが可能になる。

高齢者にとっても、それがリーズナブルな価格であれば、有難いことだし、活用するかもしれない。リフォーム業者は長期的な視点で、サービス前ビジネス(ビフォアサービス)をすることが問われているのではないか。町の電気屋さんならぬ、町のリフォーム屋さんが求められる。

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2012年12月 3日 (月)

日本列島エネルギー改革計画の必要性

日本銀行が金融緩和しても、経済がよくならないのは、実体経済における企業の資金需要が弱いからだ。だから日本銀行が、どんなに金融緩和しても、景気はよくならない。結局、日本に求められるのは、日本列島改造論のような、新しい「ニューディール政策」誘導で、資金需要を生みだしていく必要がある。

そこで、自民党は、これから起こる大災害の防災・減災を見越して、「国土強靭化政策」を打ち出したのだが、問題は、日本は、どこで大災害が起きるか予測できないことである。すなわち、全ての地域において、大災害の可能性がある。よって、「国土強靭化政策」は、かなり無理がある。

それより、大災害には、起った後で、迅速に確実に対処できる国のシステムが優先される。日本には、非常時の行政システムの確立ができていない。平時と異なる体制を作り、非常時対応のスピード化を図ることの方が大切だ。そのような危機管理システムを優先すべきなのだ。

となると、これでは、新しい「ニューディール政策」には、つながらないから、何か別の政策が求められる。基本的には、福島原発事故後、日本は原発依存することは、かなり難しいと判明したので、別のエネルギーシステムに切り替える必要がある。

もちろん、従来の天然ガスや石炭を利用した火力発電の効率化というのも含まれる。電力の発電・送電・配電の分離も、もちろん必要だ。原発の廃炉・使用済み核燃料の無害化処理も、後ろ向きだけれど、これも政策の一部だろう(*注)。これらを全て含んだエネルギー政策が新たな資金需要につながるはずだ。

後は、エネルギー供給の地域化だ。地域も、独自の地域エネルギーのあり方を考えるべきだ。つまり各地に相応しく、非常時も想定したエネルギー供給システムを拡大していくことだ。このことを政府は徹底して推進することにより、国内の資金需要は発生すると考えられる。何も円高の時に、FTAやTPPを推進する必要はない。エネルギー改革で国内需要を高めればいいのだ。

次期政権では、国内でやらなければならないことは、あれもこれもと考えずに、エネルギー改革一本に注力すべきだろう。そして民間に資金需要がつくように政策誘導していくことが求められる。国は優先順位をつけつつ、基幹エネルギー政策を再編すると共に、規制緩和により地域ごとのエネルギー調達ができるような仕組みを確立が望ましい。

*注 (平成26年1月10日追記)

ただ、現実的には、原発の廃炉・使用済み核燃料の無害化処理は難しそうだ。研究レベルでは、残す必要があるかもしれないが、核のゴミ処理システムが確立しない限り、原発の再稼動は後世に禍根を残す。子孫に負担が残らないようなエネルギーシステムを作る必要がある。

今、最も必要なのは、天然ガスや石油、石炭を利用した効率的かつ環境に優しいエネルギーシステムであることは明らかだが、安倍政権は、「現状」と妥協して、原発再稼動を促している。それを将来を観た政治ではない。

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2012年12月 1日 (土)

お金は生きている

以前記した「生き金、死に金」を教えてくれたのは、亡き母だが、母は彼女の父から常々教えられたと言っていた。そして、もう一つ言っていたのは、「お金は生きている」ということ。だから、お金を粗末に扱ってはなりませんと、よく注意された。

子供時代は、駄菓子を買う、お小遣いの小銭をポケットに入れて、友達と遊び呆けている内に、無くすことがたびたびあったからだ。「お金は失わないようにしないといけないのはもちろんだけれど、粗末にすれば、お前に、お金が集まらなくなる。それだと欲しいものも買えないから嫌だろう」と諭された。

このことは、社会に出ても同じことで、財布に、お札をきれいに同じ方向に並べて、小銭はできるだけ、小銭ごとに整理する。そういう習慣のある方は、概して、お金に困らない人が多かったと思う。

お札や小銭をポケットに入れている人は、今でも、時々見受けられるが、お金に頓着しない人は、お金が集まらないだろう。そういう人たちは往々にして、大きなお金を望むが、多くは得られないことが多い。

日本では、時々、企業の内部留保が大きく、活用されていないと批判されるが、儲けているところは、内部留保をちゃんとやっているところだ。お金を大事に扱えば、お金は喜び、お金は無理なく、集まってくるのかもしれない。

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