迷惑行為と漢詩 『少年行』
若い時、その溢れたエネルギーの持って行き方を誤ると世間の迷惑になり、叩かれる。それは暴走族もそうであろうし、やんちゃな奴がやる暴力行為もそうだ。今回、USJで、迷惑行為を働いた関西の大学生も、彼らと何ら変わることがない。残念ながら、勉強はできても、常識がない。彼らも、広く世間を見て、ボランティア活動でもやることだ。
さて、漢詩に『少年行』と題したものがある。作者は中唐の人で、令孤楚という人。若い時から優れていたようで、節度使になっている。ただ、彼も、若い時、自分のエネルギーを持て余していたようだ。
少小より辺頭にて放狂に慣る
番馬に●(*。さん)騎して黄羊を射き
如今 年老いて筋力無し
独り営門に倚りて雁行を数ふ
* ●は、馬偏に尸の下に子が三つ。つまり馬+孱
若干分らない言葉があるので、かなり独断的に意訳すると、次のようになるかもしれない。
「子供の頃、遊牧民族との境界辺りで、危険を承知で、暴れまくっていた。彼らが乗るような小さい裸馬に騎乗して、彼らが飼っている羊を追っかけ、射たりしていた。今では、老いて、最早、そんな力もない。ただ、陣所の門に寄り掛かって、子供がやるように、雁の群れの数を追っている」てな感じ。
迷惑行為を働いた大学生も、いずれ、そういうことを感じる時が来るだろう。
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