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2013年7月 4日 (木)

日本にとって諸悪の根源は時価会計

日本の経済状態はデフレが依然続いていることは明らかだ。日銀が、金をばら撒き、インフレを起こそうとしても、なかなかそのようにはならない。むしろ、インフレが起これば、国は収拾のつかなくなる可能性の方が高い。

そもそも日本のように成熟社会では、物は行き渡り、追加の需要は起きにくい。とすれば、残りはサービスの分野だが、これは水商売に近い。よって景気に及ぼすのは気まぐれだ。サービスの分野が、いくら大きくなっても、乗数効果は小さく、インフレを引き起こすことはあり得ない。

そこで、日本全体を見れば、お金が余った状態になる。金融資産に余裕のある企業や個人が、金融投資をしているのが、今の状況だろう。要するに、お金で、「お金」という商品を買っている。それが上がった、下がったと騒いでいる。

その背景は、バブルの頃、簿価会計がバブルを引き起こしたとして、時価会計を導入したことにある。時価会計は、企業価値が大幅に変動する。利ザヤを稼ぐには、相場が激しく上下する方が好都合ということで、そこに目を付けた海外投資家が、日本株に投資し、その株主比率が高くなり、彼らの要求が強くなった。所謂、「モノ言う株主」だ。彼らは、配当の増額等を要求するようになった。

大企業のサラリーマン経営者たちは、彼らの言うことを無視できないので、配当を増やさざるを得ないと判断。ただ企業価値は変動するので、それをカバーするために、従業員への分配を少なくし、内部留保を確保するように、保身的に動く。

すなわち、企業経営者は、企業価値の変動をカバーするために、内部留保厚くするようになり、その結果として、損益分岐点を下げるため、人件費の変動費化をして、非正規雇用を増やしたり、正社員の労働分配率は低く抑えるようになっている。こうして見てくると、結果的に、諸悪の根源は時価会計ということになっている。

米国では、時価会計は、景気の状況によって止めることができる仕組みがある。ところが、日本は簿価会計から時価会計に変更しても、それを止める仕組みはない。頑なに決まったことだとして、このルールを守ろうとするから、経済がおかしくなる。国や世界の経済の状態は変わるから、それに合わせてルールを変える必要があるのに、それに対応できない。こんなところにも硬直的な官僚的システムが禍している。

日本再生の道は、時価会計の見直しであり、そこからすべてが始まると言って過言ではないと言える。ヘリコプターマネーでは、投資家を喜ばせても、国の再建にはつながらないだろう。

*追記

小泉政権の時、労働者派遣法が改正され、大企業は正社員をリストラ整理し、派遣等間接人員を増やした結果、彼らの所得は低く放置されている。また正社員も、過剰な負担を押し付けられ、所得が上がらない状況が続いている。時価会計の導入と労働者派遣法の改正は、リンクしている。

*追記

もちろん時価会計を止めたからと言って、急に事態は好転しないだろう。それには時間がかかる。だが、日本の経営者たちは、もう少し落ち着きを取り戻し、本来あるべき人の育成に時間をかけて、ビジネスを発展させる日本的経営になるかもしれない。それは昔のような日本的経営ではなく、少しバージョンアップさせた日本的経営が可能になる。

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