« 自分のことは自分でやる | トップページ | 雑穀御飯の効果 »

2013年7月22日 (月)

説得の仕方

池田輝政が亡くなった時、追い腹しようとする家臣がいた。それは輝政に目をかけられていた側近の伴玄札だ。周囲も、あやつならやりかねないと案じていた。輝政の長子の利隆も、彼に注意をするように、かねがね臣下に申しつけていた。

すると、予測の通り、葬式の当日、玄札は死装束姿で現れ、自決しようとした。それを周囲が必死に引き止め、刀を奪い取った。こういうことは、武家社会ではよくあったようだ。彼は、暴れて抵抗したが、さすがに利隆が出てくると、静かになった。

玄札は自分の思いのたけを伝えたが、利隆は許そうとしなかった。そして、次のように語ったと云う。

「お前の気持ちは分らぬでもないが、私のことはどうでもいいのか。お前が自害すれば、先君は明君だったが、世継は、駄目だったから、絶望して死んだと世間は捉える。そうなれば、新藩主に心服するものがいなくなり、藩政は混乱するだろう。そうなってもいいか。そんなことをするくらいなら、私をしっかり支えてくれ」と。

このことを聞いて、玄札は追い腹を思いとどまったと云う。お家大事ということが、彼にも説得できたから、犬死を防ぐことができた。死んでしまったら終わりだ。人を活かすということは、こういうことだろう。

*参考文献 『決断の一言』

|

« 自分のことは自分でやる | トップページ | 雑穀御飯の効果 »

姫路と播磨」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 自分のことは自分でやる | トップページ | 雑穀御飯の効果 »