« ビッグデータに大した意味はない | トップページ | 日本語の新しい表現 »

2013年9月30日 (月)

『じろはったん』の世界

一般に、知的障害者の世界は理解しがたい。おそらく、彼らが見えるものと、一般人の見えるものとには差異があるのだろう。ところが、絵画の世界では、彼らが描いたものが、海外で高く評価されることがある。専門家には、彼らの思考・世界が見えるのだろうか。

ところで、知的障害者を描いた児童文学に、『じろはったん』というものがあるそうだ。作者は森はなという人で、教師を辞め、40年前に64歳で、この作品を出し、翌年、「日本児童文学者協会新人賞」を受賞しているという。随分と遅咲きだ。最近、文学賞を受賞した人にも高齢者はいるから、今は、それほど珍しくないかもしれないが、当時は珍しいことであっただろう。

この作品は、子供の頃に無かったので読んでいないが、大体のあらすじは次のようなものだ。戦争末期、兵庫県但馬地方の小さな村に「じろはったん」と呼ばれる知的障害者の青年がいた。本名は「山根次郎八」。優しく純粋な心の持ち主の彼は、子供たちの人気者でもある。

村の人々も、温かい眼差しを向け、見守っている。それで、一応、幸福な日々を送っていた。ところが、この村にも、戦争の暗い影を落とすようになる。幼馴染の親友は、赤紙で出征し、神戸からは疎開先として選ばれた、この村に女教師・石野文江が子供たちを引率して、やってくる。

親と離れ、戦争に翻弄される子供たちの悲しみ。だが、そういうことが分らない、じろはったんは、ただ「うれしいのう」と喜んでいる。結果的に、彼の存在が彼らを励ますことになるというような話のようだ。機会があれば読んでみたい。

人は、それぞれの存在価値や使命を持って生まれてくる。そういうことを著者は示したかったのかもしれない。姫路文学館では、平成25年10月11日より、『じろはったん』出版40周年記念として、「児童文学作家 森はなの世界」展が催される。また理解を深める、いろんなイベントが、計画されている(参考参照)。

*参考 姫路文学館  『森はなの世界』の期間中のイベント

http://www.city.himeji.lg.jp/bungaku/tokubetsutenn/morihana/morihana%20event.html

*参考

また10月12日には、姫路市文化センター大ホールにて、『じろはったん記念日』として、朗読とミュージカルが催される。出演は朗読が市原悦子、日本ミュージカル研究会・劇団JMAだ。入場料2000円(チケット限りあり。問い合わせ先・079-285-4810)

|

« ビッグデータに大した意味はない | トップページ | 日本語の新しい表現 »

姫路と播磨」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ビッグデータに大した意味はない | トップページ | 日本語の新しい表現 »