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2013年9月22日 (日)

ぶどうと葡萄

ぶどうの美味しい季節になってきました。先日買った巨峰も大変うまかった。ぶどうには、小粒のタイプと巨峰のような大粒タイプがあるが、最近は、大粒の物をよく買う。大粒と言えば、巨峰の他にマスカット、ペリーなどがある。

なぜ大粒にこだわるかというと、剥いて食べるため。ぶどうの皮には農薬(殺菌剤)が塗布されているので、それを流水で10分くらい流し洗いすることが望ましいとされている。そして皮を剥いて食するのだが、小粒だと、それが難しい。結局、口の中で、中身を食して皮と種を出すのだが、それがよくない。

もちろん、毎日、大量に食さなければ問題ないという人も多い。確かに、あまり神経質になってしまうと何も食べられないだろう。ただ、小さい子供さんたちには配慮したいものだ。大人も、体が弱っている人には、あまり薦められない。

さて、ぶどうを題材にした小説は、海外にもあるが、今回は、昔の人は、よく読んだ有島武郎の『一房の葡萄』があるが、それを取り上げる。彼はクリスチャンであったが、その影響の強い自伝のような内容だ。一応、童話という扱いだが、教師のあり方を説いた教訓書に近い。

ご存じない方の為に、若干内容を記すと、主人公は横浜の山手にあるミッション系スクールに通っていた。彼は絵を描くことを得意としていた。そこの教師は外国人ばかり。同級生も西洋人が多く、その中に、西洋絵の具を持っている友達がいた。

それを使うと、どんな絵も、うまく描けると錯覚を覚えるほど。主人公は、それが羨ましくて堪らない。だが、高くて買ってもらえそうにない。ある日、教室に彼を残して誰もいないことをいいことに、魔が差し、ついに、その絵の具を二本盗んでしまうが、後で大騒ぎ。教室には、主人公しかいないことが分かって、問い詰められ、ばれてしまう。友達たちは、主人公を二階にいる教員室の担任の女の先生に突き出す。

主人公は先生に事実を問われるが、泣きだしてしまう。しばらく彼を見つめ、やがて他の生徒を返してしまう。そして、「絵具は、もう返したか」と主人公に問い、うなづくと、反省していることを確認し、この部屋に待機するように言い、二階の窓から手の届く、一房の葡萄を、もぎ取り、彼に渡す。

しはらくして、彼女が戻ってくると、「みんな帰ったので、あなたも帰るように」と言い、更に「明日、必ず登校するように。あなたの顔を見ないと悲しい」と付け加え、まだ食していない葡萄をかばんに入れてくれる。

この後も、話は続くのだが、ここら辺で止めておこう。要するに教師のあり方を描いている。子供の誤りにも優しく配慮する。子供が健全に成長するかどうかは、一つの「事件」を、いかに取り扱うかということにかかっているということかもしれない。「ぶどう」は美味しいけれど、「葡萄」の話は、少し考えさせられる。

*追記

最終的には、この女性の教師は、短時間に、子供たちを和解させ、仲良くさせていくのだが、その手法は記されていない。ただ、最後に、二人に握手させ、葡萄を一房ずつ与えている。

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