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2014年1月 5日 (日)

平成26年の干支~甲午(きのえうま)

今年、平成26年の干支、甲午(きのえうま)について、例年のように、兵庫県立図書館(調査相談課)作成の資料を頂いたので、それをベースに多少、別の資料を付加して、記しておこう。

今年の干支は甲午である。「こうご」と読み、一般には「きのえうま」と言う。干支については、以前に記したので、ここでは改めて記さない。まず、人と馬の文化的関わりについて記してみよう。

馬との文化的関わりは、日本でも古代からあると『日本紀』神代巻に記されている。ただし、一部地域のみに限られたようだ。当時はロバのような馬であろうが、人々の生活に深く関係があり、祭祀儀礼でも重要な役割を果たしていたと推定される。馬は神の乗り物で、神聖視されていた。よって祈願や神祭りに神の降臨を求めて、生き馬を献上していたようだ。

時代が進むにつれて、生き馬に代わって、土で作られた馬や木で馬形型に作ったものを献上するようになり、更に簡略されて、板に馬を描いたもの、すなわち小さい絵馬が登場する。それは、時代とともに、律令制祭祀の崩壊現象として捉えられている。

更に時代が進んで、室町時代中期になると、専門絵師が登場し、彼らは、大型の絵馬を描くようになる。そういうことで、絵馬を掛けるための特定の建物、絵馬堂が成立する。また画題も馬に限らず、舞踏図など、いろんなものを題材にした。それは結果的に日本の芸術画壇の初期の魁と言えるものかもしれない。よって、絵馬堂は、今で言うギャラリーになっていく。

そして、その流れが地方にも普及し、中世の民間信仰的小型絵馬と芸術的色彩の強い大型絵馬が、各地に見られるようになったようだ(*参考)。また仏教との関わりでは、馬頭観音(正式名は馬頭観世音菩薩)がある。本来は忿怒相を示す仏教本来の姿だが、民間には、馬の守り神に変容した。現在では、動物愛護の観音様として親しまれている。

さて、本題の今年の干支の甲午の「甲」は、十干の一つで、十干の第一順位である。文字通り、「かぶと・よろい」の意である。ここから転じて、草木の種子を覆う厚皮を指す。五気では、「木の兄(きのえ)」で、樹木がまっすぐに伸びることを意味する。よって、総合すれば、やっと動き出す始まりと言える。

十二支の七番目の「午」は、方位は南を指し、五気は火気で、その本性は炎上である。また季節は夏を示す。月で言えば、西暦で7月(旧暦5月)で、時刻は正午前後を指すという。文字の意味するところは、「上下に交差して、ものを搗く「きね」を描いた象形文字で、「杵」の原字だ。すなわち、杵のように、上下に交差する意味を持っている。

ただ、十二支では、「忤」の意とする。この文字は、「さからう」とか「つきあたる」と読む。つまり草木の成長のピークが過ぎて、衰える徴候を表しているとする。すなわち、子年から巳年までの陽の流れから、陰の流れに入ったことを示している。

ところで、「午」を、なぜ「うま」と読むのだろうか。残念ながら、その解説はなかった。ただ「馬」という文字は、後漢の許慎の表した『説文解字』によると、「怒るもの、たけだけしいもの。馬の頭・鬣(たてがみ)・尾・四足の形に象る」とあるようだ。考えるに、馬が頭を上下している姿を「午」ということにしたのだろうか。

最後に、甲午の年に、過去に何があったか記しておこう。

574年  聖徳太子誕生

694年  藤原京に都を移す

754年  唐の僧・鑑真が来日

1534年 織田信長誕生(但し、諸説あり)

1714年 江島生島事件

1774年 前野良沢・杉田玄白らによる『解体新書』刊行

1834年 江戸で「甲午の火事」発生。天保の改革始まる。

1894年 日清戦争勃発

1954年 ソニー(旧東通工)のトランジスタ開発

過去の干支の事象に似たことが今年起こるとは必ずしも言えないかもしれない。ただ、干支のことは別にして、この世のサイクルは60年で回っていると言う人もいる。今は平均寿命が延びているから、サイクルは延びているかもしれない。でも、医学の発展で寿命が延びたのは、大きく見れば最近の話。そうすると、やはり60年程度のサイクルで時代を見ていくも無駄ではないと思う。

上記に挙げた例を見ると、甲午の年には、偉人が生まれていると同時に、大きな事件も起っている。今後、数年間は、要注意だということだろう。実際、世界の情勢は何が起こってもおかしくない。アベノミクスに酔っている場合ではない。自然大災害、経済破綻、それに伴う国同士の争いなどが考えられる。世界や国も社会も個人も、それに備えることが求められる。それは結局、自国だけ、あるいは自社だけ、あるいは自分だけ、生き残ろうと考えないことだろう。今年の干支である甲午は、そのように警告していると思う。

*参考 兵庫県内の代表的な絵馬

  ◎廣峯神社(姫路市)の「宝珠図」

    小型の板に画面いっぱいに宝珠を描いたもの。

    兵庫県最古の絵馬(1485年)

  ◎室津賀茂神社(たつの市御津町)の「神馬図」

    狩野元信筆(推定1539年以前)

  ◎春日大社(篠山の黒岡)の「黒神馬」

    篠山藩三代目領主の松平忠国が奉納。

    他に、一族や重臣たちが、絵馬を二十数点奉納している。

  ◎住吉神社(明石市)の「神馬図」

    円山応挙筆(1784年)

    江井ヶ島の市場屋庄助が奉納

その他にも、兵庫県下には、たくさんの絵馬があるそうだ。それは、神社に絵馬を奉納する風習があったからだろう。それも著名な画家が制作している。例えば、狩野元信、円山応挙以外に、曽我蕭白、森徂仙など。

*追記

なお、今年の大河ドラマ「軍師 官兵衛」の主人公、黒田官兵衛は、1546年(天文十五)生まれで、午年生まれだが、甲午ではなく、丙午(ひのえうま)年生まれである。

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