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2014年2月10日 (月)

ゴーストライターが支える世界

某自称全聾音楽家がゴーストライターを使っていたことが明らかになり、マスコミは大騒ぎしている。確かに、全聾が嘘だったとしたら、経歴詐称によって消費者を惑わせた詐欺行為と言えなくもない。ただ、彼がゴーストライターを使ったことは、そんなに問題だろうか。少なくとも、彼はディレクター的な役割を果たしており、自分で作曲が出来なかったとしても、全くの丸投げではないだろう。

「ゴーストライター」が支える世界は、広く世間を見渡せば、多く見受けられる。例えば、日本画の世界は、今は知らないが、昔は、作者が構想を練り、多くは弟子に描かせている。でも、名前は代表者しか残っていない。それは有名な仏像もそうであろう。

現代でも、芸能界では、よく見られる事象だ。文化産業ではないが、流通産業等がオリジナル商品として、プライベートブランドを出している。その商品レベルは様々だが、自社で製造していることはないだろう。自社で企画している場合は、まだいいが、設定価格だけ下請けに提示して、丸投げの場合も多いと思う。彼らの商品には、下請けの名前は記されていない。よって、「ゴーストライター」が支える商品と言えるだろう。

また、多くの大手メーカーも、自社製造以外に、下請けを使っている。これらも極論すれば、「ゴーストライター」が支える商品と言えなくもない。商品を自社で検査している企業もあるが、大抵が問題を起こせば、下請けに責任をなすりつける。本当は、これらの企業がメーカーとは言えないだろう。

もっと分かりやすい例を挙げれば、ファッション商品は、ほとんどそうだろう。有名なブランドファッション企業は企画はしても、デザイン、縫製などは下請けを使っている。また下請けの提案を受けて、市場に出している場合もある。今回の、作曲家とゴーストライターとの関係と非常に似ている。

私達の周りには、「ゴーストライター」が支える企業が作った商品で溢れている。しかしながら、結局は、消費者が価値を認めるかどうかに尽きる。すなわち商品次第ということになる。今回の問題は、某作曲家の詐称とゴーストライターの作った作品そのものに問題があるのだろう。

専門家によると、彼の作品は、西欧の有名な曲をアレンジしたものに過ぎず、オリジナル性もないとのこと。消費者の失敗としては、障害者への同情から商品を購入し、その商品価値を、きちんと見定めていなかったと言うことだろうか。残念ながら、彼らは、ブランド商品というだけで、高い金を出し、商品価値を見定めずに購入する人たちと似ている。

私達は、もっとモノやサービスの価値を正しく評価し、きちんと把握する努力が求められる。モノやサービスが作られるプロセスも大事だが、基本的に結果が大事。全聾の詐称は問題だが、下積みのゴーストライターを大問題にするのは止めようではないか。

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