« 消費税増税と便乗値上げ | トップページ | 『忍たま乱太郎ミュージアム』展に行く(姫路文学館) »

2014年4月 7日 (月)

二つの戦後の国会決議

戦後、日本は日本国憲法により、平和の配当を受け続けてきた。憲法に関しては、各種いろんな見解があるが、その事実を忘れてはならないだろう。安倍政権になって、彼を支持する保守勢力が、そのことを否定するかのような発言が目立つ。確かに、保守勢力が主張するように、戦後の国際体制は、歪んでいるようにも見える。しかしながら、今更、言っても始まらないのも事実。終戦後、歩んできた歴史を逆戻しはできない。

そのような世界環境の中で、今更、国を守るのに、集団的自衛権に何の意味もない。安倍政権は、日米安全保障がらみで、国民の意志に反して、憲法を改正せずに、集団的自衛権に突き進もうとしている。だが、国を守るには、日米安全保障を考慮しても、個別自衛権で十分なのに、集団的自衛権という自国の意思に反する戦争に巻き込まれる国家的リスクを背負いこもうとしている(*注)。だが、これが不適当であることは国民は本能的に理解している。

参考までに記せば、日本は、1995年と2005年に二つの国会決議をしているが、国会議員だけでなく、一般国民も、もう一度、読み返していくことは、平和を維持し、拡げていくことを理解することに無意味ではないだろう。日本は、世界に向かって、平和の配当を受けることが、いかに諸国家人民にとって大切か、広めることが第一であろう。次に二つの国会決議の原文を示す。

◎1995年の戦後五十年の衆議院国会決議「歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議」

「本院は、戦後五十年にあたり、全世界の戦没者及び戦争などによる犠牲者に対し、追悼の誠を捧げる。

また、世界の近代史上における数々の植民地支配や侵略的行為に思いをいたし、わが国が過去に行ったこうした行為や他国民とくにアジアの諸国民に与えた苦痛を認識し、深い反省の念を表明する。

我々は過去の戦争について歴史観の相違を超え歴史の教訓を謙虚に学び、平和な国際社会を築いていかなければならない。

本院は、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念の下、世界の国々と手を携えて、人類共生の未来を切り開く決意をここに表明する。右決意する」

◎2005年の戦後六十年の衆議院国会決議「国連創設及び国の終戦・被爆六十周年に当たり、更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議」

「国際平和の実現は世界人類の悲願にもかかわらず、地球上に戦争等による惨禍が絶えない。戦争やテロリズム、飢餓や疾病、地球環境の破壊等による人命の喪失が続き、核兵器等の大量破壊兵器の拡散も懸念される。

このような国際社会の現実の中で、本院は国際連合が創設以来六十年にわたり、国際平和の維持と創造のために発揮した叡智と努力に深く敬意を表する。

われわれは、ここに十年前の「歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議」を想起し、わが国の過去の一時期の行為がアジアをはじめとする他国民に与えた多大な苦難を深く反省し、あらためてすべての犠牲者に追悼の誠を捧げるものである。

政府は、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、唯一の被爆国として、世界のすべての人々と手を携え、各兵器等の廃絶、あらゆる戦争の回避、世界連邦実現への道の探求など、持続可能な人類共生の未来を切り開くための最大限の努力をすべきである。右決議する」

*注

安倍政権では、かつての自民党政権でも考えられなかった「武器輸出三原則」さえも緩めようとしている。2014年4月1日には「防衛装備移転三原則」が閣議決定している。これは明らかに武器輸出を想定したもの。理由は、どうであれ、日本が軍需産業の後押しをしていいものか。平和国家を標榜する日本が武器を輸出すると聞いて、外国人は日本政府に対して不信感を持つようになっている。日本にとって、世界平和を維持発展させることが、ひいては国際世論を味方にすることにつながり、結果的に、それが安全保障になることを忘れてはならない。

|

« 消費税増税と便乗値上げ | トップページ | 『忍たま乱太郎ミュージアム』展に行く(姫路文学館) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事