« 愚直は、才気に勝る | トップページ | 60歳以上にNISAは必要か »

2015年1月 9日 (金)

春の気配を感じる歌~志貴皇子

寒椿の赤い花が次々と咲く横で、黄色い水仙の花が、頼りなく咲いている。周囲には、椿、梅、桃、木瓜などが蕾を少しずつ大きくしている。雪深い地域は、まだ春の足音を感じるのは難しいかもしれないが、当地では、寒さは続くものの、やや春の気配が感じられないでもない。

『万葉集』にも、志貴皇子の歌に、春が来た歓びを示したものがある。

   石ばしる 垂水の上の さ蕨の

     萌え出づる春に なりにけるかも

        (万葉集 巻八ー一四一八)

志貴皇子は、天智天皇の第七皇子だが、天武天皇の時代になったため、皇位継承には関与していない。むしろ、幼かったため、天武天皇の庇護を受けて養育されている。自分自身の難しい立場を知っていたためか、本当のところは分らないが、皇位には、一切執着しなかったと言われる。その彼が詠んだ歌の一つが、上に挙げた歌。

意味は、「石の上を水が走って流れて落ちて少し滝になっている。その滝のほとりに、蕨(わらび)が萌えだしていて、春になった気配が感じられる」といった感じ。その観察センスは、まあ、普通でしょう(笑)。

でも、この歌を先人たちは愛し、評価してきた。はっきり言えることは、歌のテンポがいいこと。詠いやすい素直な歌の調べ。多分、志貴皇子の人柄が歌に出ているのかも。春の歌に相応しい。

|

« 愚直は、才気に勝る | トップページ | 60歳以上にNISAは必要か »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 愚直は、才気に勝る | トップページ | 60歳以上にNISAは必要か »