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2015年2月23日 (月)

『落窪物語』を読了

少し前に、衝動買いしてツンドク状態であった『落窪物語』を読了した。内容は、女性向きに描かれた元祖、継子(ままこ)出世物語というべきもの。残念ながら、現代文ではないため、古文が苦手の私は読むのに、ひと苦労。注解はあるものの、分らない言葉も有り、幾分、解釈に理解に苦しむ場面があり、そこで読書が停止してしまう。更に他の書籍との併読だから、読み終わるのに割と時間を要した。

平安時代後期に書かれたものらしいが、作者は不明。全体の流れからすれば、女性の手によるものだろう。当時の女官の読みものだったかもしれない。継子いじめの物語としては、拙ブログも取り上げた『鉢かづき』とか、『中将姫』とかがある。最終的には報われる話が多い。この『落窪物語』も、娘が帝の女御になり、一家は栄える。

描かれているのは、先妻の娘である主人公(女君)が、継母に一段下の部屋に追いやられ、「落窪(おちくぼ)」とあだ名される。そして、扱いは実子とは格段の差で、まるで下女並み。そんなむごい扱いにも、得意な裁縫の能力を活かして、何とか、やりくりする。それを見て同情した「あこき」というお付きの童女が活躍し、将来の伴侶となる男君との出会いをセッティングして、ここから運命が大きく変転する。

やがて男君は、苦難の女君を脱出させ、手許に於いて、親にも認めさせ、結婚に至ると、女君には強い運が備わっていたのか、家はこれまでにも増して栄えるようになる。そして、描いているのは、女君の人柄。男君は、何かと、女君の実家に復讐しようとするのだが、女君は、あくまでも実家にも、好い影響が及ぶよう、男君を嗜めていること。

それに反して、継母は、どんなに女君が尽くしても、悪口の言い放題。実子たちから、いい加減にしなさいとたしなめられても、一向に改まる様子はない。性根は変えられないということを描いている。全体として見れば、下積み生活を耐えて、凌げれば、未来は開けるということを描いているようにも見える。あるいは、女性は素直な考え方が幸福を招くということを説いている。

*参考

   『落窪物語』 藤井貞和校注 (岩波文庫刊)

 

 

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