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2015年2月 1日 (日)

鬼が惚れた女~狂言『節分』

早いもので、もう節分の時期。ということで、狂言『節分』を取り上げてみよう。美人の女と女に惚れた随分人間的な鬼が主役。

節分の夜、夫は出雲大社に年取り(節分の夜に年を取ることを祝って行う儀式)に行ったので、美人の妻は留守を守る。一方、蓬莱の国に住む鬼は、節分の夜には、日本に渡っている。今年も、いつものように、はるばる日本に渡って、豆を拾って噛もうとやってきた。

疲れたところに、ちょうど家の灯が見えたので、門前の軒先で、休憩しようとする。更に、近寄って家の中を覗こうとするが、柊(ひいらぎ)で目を突いてしまう(柊イワシは、イワシの臭いで鬼を誘い、柊の葉が鬼の目を刺すとして、邪気除けとした)。邪魔な柊を払い落として、鬼は案内を請うと、出てきた女は、誰もいないので、家の中に引っ込んでしまう。

隠れ笠に隠れ簔をまとっているために見えないことに気づいた鬼は、それを脱いで、再度、案内を請うと、女は、「鬼が来た」と震えあがる。怖がる女に「怖いものではない。何か食べ物が欲しい」と言い、家に上がり込む。怖ろしがりる女から食べ物をもらうが、荒麦(カラス麦のこと)の食べ方を知らずに、捨てたため、女を怒らせてしまう。

そのうちに、女の容色に目を付けた鬼は、何とか自分の妻にしたいものと、蓬莱の島で流行っている小歌などを詠って気を引く。ところが、女は、全く心を動かさない。ついに鬼は泣きだすと、女は、それなら、本当に自分を妻にしたいなら、宝物をよこせと要求。鬼の宝物、すなわち隠れ簔・隠れ笠・打ち出の小槌を全て取り上げた上、「福は内、鬼は外」と豆をぶつけて鬼を追い払う。

まあ、夫の不在をいいことに、言い寄る男たちをからかった狂言かも。でも対応する女性は強い。金の切れ目は縁の切れ目とは、よく言うけれど、女性は現実的。得るものを得れば、男には用はない。女は、男より一枚上。

若い男の皆さんも、目当ての女性にプレゼントを渡したものの、振られてしまうことはよくあるだろう。そんな女性ばかりではないと願いつつ、相手を見極め、慎重に行かないと駄目ですね(笑)。

それにしても、流風も隠れ簔・隠れ笠・打ち出の小槌が欲しいものです。鬼から取る手立てはないものか。でも、やはりまず豆をまくことにしよう。鬼女に言い寄られ追っかけられても困る(笑)。

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