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2015年6月 8日 (月)

対中米国外交を考える

米国外交は、基本的に何も変わっていない。基本的に、戦略は、ご都合主義を貫いている。そして好戦的だ。それは国内を、まとめる手段でもある。そして、侵略して(ここでの侵略とは、領土的野心とは限らない。いわゆる経済侵略も含める。いろんな理屈をつけるが、TPPも、その一環である。また同盟国、非同盟国は、あまり関係が無い)勝てると判断すれば条約を結ぶ傾向がある(*注1)。

もちろん、そのためには、国民を一応納得させる裏付けは取る。それが仮に作為的でも。そして、対象国の国民の人心を掴むことに熱心だ。戦後の対日占領政策も、3S政策(*注2)で、国民の歓心を買った。そして、表面的には植民地政策は取らない。それよりビジネスが優先する。すなわち経済的利得が大切なのだ。

そんな中、日本政府は、果たして、米国の対中外交政策を理解しているのだろうかと時々思うことがある。もちろん、流風は外交の専門家ではなく、単なる一般人である。でも、その一般人が首を傾げたくなる外交を展開しているように見える(但し、最近は、米国から警告されて修正傾向にある)。

それでは、米国の対中外交姿勢はどのようであろうか。基本はずっと変わっていないだろう。専門家ではないので、詳しいことは分らないが、基本的に20年前と変わっていないように見える。例えば、20年前の1995年に、ガーデン商務次官が次のように語っている。

一、中国は、20年後には米国に重要な戦略的脅威をもたらす敵対国になる可能性がある(これは20年後の2015年にまさに予想通りだ)。

二、中国の外国向けの言動には誇張があり、中国は言われているほど、良くもないし悪くもない。

三、中国は、かつてのソ連のような封じ込めの対象ではなく、深い関与(ディープ・エンゲージンメント)の対象として、対話を重視する。

四、米国の対中政策で、経済、道徳、安全保障の3つの義務を持っている。

五、中国に行使できる米国の影響力は限られている。

とした上で、米国のアジア戦略は「日米同盟に基礎を置き、アジアの経済力を米国の外交目標に活用していく」となっている。

ちなみに、エンゲージンメントとは、国務省から発するメッセージで、「封じ込めに代わる関与」の意味である。なお、米国は、対外的に、エンテージメントと併せて、安全保障戦略としている。エンテージメントとは、国家安全保障評議会が発するメッセージで、「民主主義の拡大」という意味である。

今後、中国は、覇道を歩むのか、それとも王道を歩むのか。基本的に米国次第であろう。米国の考え方を熟知し、中国の動向を把握する必要がある。周辺諸国は、彼らの言動を一般人であっても、チェックしていく必要があるだろう。

*注記

この記事は、以前にも、同様なことを記した。「米国の対中政策の考え方」(2014年8月22日付)だ。今回は、米国の発言者のデータベースが見つかったので、念のため記した。

*注1

これに対して、ロシアの場合は、条約を結んで侵略する傾向がある。従来の日本政府が、日露平和条約に慎重なのは、そういう点を考えていると思う。油断ならない国だ。甘い言葉を投げかけてきた時が、最も危険だ。

*注2

3S政策とは、愚民政策で、スポーツ、スクリーン、セックスで、国民を骨抜きにすること。これによって、二度と戦争する意欲を無くさせることを狙った。いかにも米国的な見方。戦争が起るのは、領土問題の他に、食糧を巡ってのことが多い。

*追記

安倍政権が、中国を仮想敵国と考えて、安保体制の強化を図るのは、あまり望ましくない。米国でさえ、かなりまえから、競争者ではあるが、中国は最早、敵国ではない。むしろ関係は強化されている。米国の安保関係者に煽られて、やたらと中国を敵視するのは時代錯誤であろう。米国の安保関係者のバックに死の商人が控えていることを忘れてしまっているのだろうか。

巨大になって行く中国が意識に上がるのは、仕方ないにしても、発想の転換が求められる。最終的には、体制を乗り越えて、日米中の同盟関係を築くことだろう。その場合、いかに周辺諸国に配慮するがポイントになる。基本は、外交努力だ。そこが日本の出番だ。

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