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2015年7月11日 (土)

一癡漢のこと

 今回取り上げるのは、痴漢ではなく、癡漢(ちかん)で、愚か者の意。痴漢も同じ意味があるが、日本では主として、「女性にみだらないたずらをする男」の意味で使われることが多い。

さて、先日、悲しい事件があった。40歳の海上自衛隊員が、妻とのちょっとした諍いで、大分の家に放火し、8人中4人の子供が犠牲になったというものである。今の少子化の時代、8人の子供とは、非常に多いと思うが、きちんとした生活設計がなされてたいのか、若干疑わしい。

ところで、『寒山拾得』の中に、次の一文が見える。

我れ一癡漢を見るに しきりに三両の婦を居く

養い得たり八九の児 総て是れ宜しきに随う手だて

丁戸は是れ新たに差えにす 資材もとより有るに非ず

黄檗もて驢の鞦(しりがい)を作す 始めて苦きこと後に在るを知る

訳としては、「私は、一人の愚か者を見かけた。彼は、数人の妻を娶り、その結果、子どもは8,9人作って養っている。確かに、何事も、テキパキと処理している。子供たちの家は、年齢に相応しいものを提供し、住まわせているが、十分な資産があるわけでもない。これは、キハダ(実に苦みがある)を使って、驢馬のしりがいを作るようなものだ。その時になって、初めて、苦いのが後にあることに気づくのだ」と。

大分の例と、妻を複数持つのとは異なるが、快楽の後に、子どもが出来たことは同じだろう。そして、無計画な一時的な快楽は、その後、ずっと大きな負担になり、生活苦を招くのも同じ。現代では、計画的な生活設計は昔と異なり、十分可能だ。それを無視したことから、この悲劇が生まれた根本的原因ではないか。矢張り彼は愚か者だったのだろうか。

*追記

上記の記事は推論で、実際は、どのような事情があったのかは不明だ。ただ、子どもを持ち育てることは、大変なことで、経済的な裏打ちや適切な育成環境がなければ難しい。もちろん、強く意識し過ぎると、現在の少子化につながるのだが。

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