« やはり蚊取り線香 | トップページ | 人生初めて腰痛を経験 »

2015年7月28日 (火)

『明治維新という過ち』を読了

普通は書店で、ぱらぱらと読んでみて、気に入ったら購入するのだが、今回は、新聞広告で、気になって、購入した。その本が、原田伊織著『明治維新という過ち』(毎日ワンズ刊)というもので、先日読了した。副題に「日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」とある。

確かに、学生時代に習った吉田松陰と実際は、大きく異なると知ったのは社会人になってから。学校教育とのズレを感じたものだ。NHKの大河ドラマにも、度々登場するが、それほど上質の人間ではなかったと推定される。そのことを、この著作では、やや過激に表現している。

原田氏自体、彼の先祖が、松陰一派を強く呪っていたのだろうか。原田氏は京都生まれで近江育ちで、直接関係なさそうなのだが、親戚筋に、そういう方がたが居るのかもしれない。それほど、長州の松陰一派に対して、恨み辛みを強く表現されている。

もちろん、歴史的証拠を示しての裏付けを取ってのことなので、ある程度、説得力を持つ。ただ文書というものは、絶対的証拠・裏付けになるものでもない。それでも、長州松陰一派は多くの人々の恨みを買う行いをしてきたことは確かなようだ。

下級武士以下の教養のない、チンピラグループ(この言葉が不適切とすれば、「跳ね上がり者」という言葉が当てはまる)が、明治維新を実行した主体であった。薩摩も、ある意味、そうなのだが、最低限の教養は、まだ持ち合わせていた。だが、長州人には、そういうものもなく、ただ私欲のために、御所を砲撃し、天皇を脅かした。

まあ、ここら辺までは、断片的に知っていたが、この本で、ここまで、論破されると、少し嫌になってくる。彼が言うには、長州のテロリストの源流は、水戸藩にあり、水戸光圀が『大日本史』を著し、それが水戸学を生み、テロ思想の源流ができ、吉田松陰が不幸にも、それを習って、同じグループの人間を煽って、テロを起こさせたという。

そして、教養のない長州一派が中心に、テロを通じて、明治維新を起こし、軍を握ったことで、朝鮮併合、大陸進出という、江戸幕府が継続していれば(*注)、あり得ない行動を起こしたことが、第二次世界大戦の敗北につながり、国土が廃塵に帰した大きな理由と指摘する。

それ以上のことは、本書を読んでもらいたい。多くのことは、概ね同意できるが、やや著者の感情が強く反映されているので、若い人は、それに注意しながら、読み進んで欲しいと思う。長州には、長州の見方があるはずだからである。だが、会津地域の人々は、今もなお、長州に強い恨みを持っていることは、現代でも続いてることを記しておこう。いろいろ考えさせられる本だ。

*注

実際は、幕府の継続は、難しかった。何らかの形で幕府は崩壊せざるを得なかったことは確かだ。幕藩体制は、かなり弱体化しているし、勝海舟などは匙を投げている。

*追記

著者の見方に従えば、現在、中東で問題になっている「イスラム国」がやっていることは、明治維新前後に薩長等がやったことに似ている。「イスラム国」を含めた中東の将来が危ぶまれる。

|

« やはり蚊取り線香 | トップページ | 人生初めて腰痛を経験 »

マスコミ評論及び各種書評」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« やはり蚊取り線香 | トップページ | 人生初めて腰痛を経験 »