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2015年8月 5日 (水)

防衛省ができて、おかしくなった日本

日本の政治は、戦後、悲惨な戦争で、たくさんの人々が命を失い、あるいはアジアの人々の生命を奪ったことを反省して、日本国憲法を平和憲法と位置付け、世界各地の戦争からは極力距離を置いてきた。

そして、そのやり方は、世界から評価され、現在に至っている。しかしながら、現在、集団的自衛権関係の安保法制をめぐって揺れている。本来なら、あり得ない議論を安倍政権は、滔滔と述べて、強行採決しようとしている。

なぜ、そんなことになったのか。一つの要因に、防衛省の創設が絡んでいるように思える。以前の防衛庁は、総理府・内閣府の外局であった。それが故に、彼らの意見が内閣に強く反映されることはなかった。

現在は、自衛隊出身の防衛大臣であり、その他にも自民党内に自衛隊出身者がいる。悪いことに、党内保守派と結び付き、段々、彼らの発言力が強くなっている。それは周辺諸国との摩擦が原因とも思えるが、それによって、彼らは不安を煽り、我田引水の議論を展開している。「死の商人」がよく使う手だ。

本来なら、外交関係で解決すべきことだが、外務省も、内向きで、関係各国と積極的に関係を深める努力を怠っていることが輪を掛けている感じだ。外務官僚の学者化が、観念論的外交論が主流になり、人間関係で外交現場で交渉する努力を削いでいるようだ。これは防衛省にとって非常に都合がいい。

今更、防衛庁に格下げできないだろうが、戦前の日本は、軍部が政権内で力を握り、軍部を暴走させた。遠い将来、日本が、再度危うくなる可能性は否定できない。また日本の政治に主体性が失われていると言えばそうだが、米国の安保関係者(*注)の日本に対する政策誘導も罪深いものだ。もちろん、それに深い思慮もなく、彼らに迎合する安倍政権の姿勢が問われる。国民としては、一旦、政権をひっくり返すしかないかもしれない。

*注

米国の安保関係者アーミテージ氏の意見を無定見に取り入れている。日米の安保利権も絡んでいるかもしれない。

*追記

将来、どの政党が政権を握っても、自衛隊出身者や防衛官僚出身者を防衛大臣にしてはならないだろう。彼らは、大概、視野が狭く、安倍政権のような結果を招く。更に、防衛省の組織改革で、制服組がのして、文民統制が危うくなっている。

制服組の事務官僚(背広組)に対する不満は分るが、非常にまずい。彼らの支持を受けた自衛隊制服組出身の議員が、大臣になれば、彼らの意向を強く受ける。そういうことを考えれば、むしろ、幅広く高い見識があり、一般国民目線で見ることができる人材を防衛大臣にすればいい。就任してから、防衛課題を学んでも遅くはないだろう。国を守るのは、何も防衛省だけの役割でないからである。

ただ、民主党政権時のように、見識もなく無能な人を大臣にしてはならない。その点に配慮すれば、防衛の専門外の人を大臣にして、国会の論戦の場で、軍事オタクの意地悪な質問で、苦労する場面も予想できるが、国民は、優しく見守ってやればいい。その方が、好い結果を招くだろう。もちろん、大臣に指名されれば、必死で防衛について学ばなければならないことは言うまでもない。

*2015年8月13日追記

報道によると、防衛省は、安保関連法案が通ったことを前提に行動しているらしい。既成事実化を謀っているのだろう。これは戦前の日本軍と同様の動きで、極めて危険だ。すでに文民統制が崩れているようなものだ。いよいよ日本が危うくなってきた。やはり以前の「防衛庁」に戻すべきかもしれない。

*2017年9月28日追記

「希望の党」の小池百合子氏は、防衛大臣経験者故、防衛族だ。よって安保法制関連法に肯定的意見を強くしている。よって、安保法制関連法に反対する議員は、党に入れないとしている。かなり偏狭な考えの持ち主と言える。彼女には高所大所で、外交的視点で、考えることが欠けている。仮に彼女が権力を握るとすれば、嫌な感じがする。

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