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2015年9月30日 (水)

絵に描いた餅が好きな首相

安倍首相は、どうも絵に描いた餅が好きな人らしい。エコノミストたちも、あきれて発言を控えているのが、5年後、GDP600兆円というアドバルーンを上げたこと。極めて実現性は低い。彼は法人税を減税し、海外からの投資を増やし、外需により達成しようと試みているかもしれないが、危うい選択だ。

一体、日本のどの分野に投資させるのか。仮に実現できても、中身のない空虚なものになるだろう。なぜなら、それは円の下落によって達成されるからだ。それは国民に大きな負担を伴う。国連の常任理事国を目指すのと同様、危うい妄想と言える。

そもそもGDPの表示を円ベースで行うのも頂けない。購買力を比較するには、ドル表示で数値目標を示すべきであろう。例えば、民主党政権だった5年前の2010年のGDPは482兆円だが、当時の為替は1ドル80円程度。円表示のGDPをドルに換算すると約6兆ドルになる。

2015年はGDPが円表示で約500兆円とすると、為替が1ドル120円として、GDPをドル換算すれば約4兆ドル。安倍政権で、大幅に国力が落ちていることになる。これを5年後に600兆円を達成しても(可能性は低いが)、為替は大幅に下落している可能性は高い。

仮に1ドル150円になっていれば(国債残高から考えれば十分ありうる)、600兆円達成してもも、ドル換算すれば、現在とほとんど変わらない4兆ドルになる。ただ、その達成可能性は限りなく不可能に近い。ドルベースでみれば、GDPは、さらに悪化する可能性の方が高い。GDP600兆円というのは、明らかに絵に描いた餅だ。アベノミクス思考の限界と言えるだろう。国民を錯覚させる数値目標を挙げるべきでないだろう。

*2015年10月2日追記

報道によると、2016年度より、GDPの計算方法を変更し、研究開発費も加算すると、最大3%増に操作できるという。数字のマジックで、国民や投資家を騙そうとする試みだろうが、誰も、そんな手には乗らない。せいぜい、日本経済新聞が大々的に報じるだけだろう。この新聞は、最早三流紙と多くの人が認識している。

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