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2015年9月25日 (金)

「やぶ医者大賞」と落語『藪医者』

藪医者と言うと、ニセ医者のイメージ強い。それは呪術を使う田舎の医者をからかって、「野巫」(やぶ)と言ったという解説もある。別の説では、兵庫県の養父(やぶ)に住む名医というものもある。ところが、ニセ医者が、彼を名乗ったものだから、藪医者と言うようになったというものだ。

さて、養父市は、へき地医療に取り組む若手医師(50歳以下)を顕彰する「やぶ医者大賞」を昨年創設している。今年は二人の女性医師が選ばれている。彼女らは共に自治医科大学出身とのこと。

評者は「地域事情に合った工夫と、地域の暮らしを楽しむ姿勢が見られる」としている。こういった催しは、へき地で活躍する医師たちへの評価と共に、これから、へき地で活躍しようとする志のある医師たちへの励ましになるだろう。

他方、落語にも、「藪医者」というものがある。これは、はっきりニセモノの医者。登場するのは文字も書けないので薬の名前すら書けない、とんでももないニセ医師。代わりに絵を描いて指示していた。よって、患者も一向に来る気配もない。

そこで一計を案じて、権助を使って、一芝居することに。権助にサクラにさせて、患者の家から迎えがあったように怒鳴らせる。しかし、権助は、正直で少し頭が足りないから、藪医者の思い通りにならない。例えば、「お隣から参りました」など頓珍漢なことを言う。

いろいろ失敗した挙句、「神田三河町の三河屋から参りました」と、うまく言ったが、その後がいけない。「先月分のお米の勘定を頂きに参りました」でオチ。この落語は、『金玉医者』のマクラになっていたもので、それから独立した話。「金玉医者」は、下賤で、かなりきわどい話で、結構、内容は面白いのだが、お酒の入った場所でない限り、あまり演じられることはない。

いずれにせよ、「養父医者」には診てもらいたいが、藪医者の受診は極力避けたいもの。現代の藪医者は、医師免許は一応持っているから厄介だけれど。でも、医師不足の現代、将来、藪医者が増えることは否定できない。国は、医大の枠を縮小するなどと言っているが、全く馬鹿げている。歯科医を除けば、全く足りないだろう。藪医者を生むのは、国の間違った政策であることを認識してほしいものだ。

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