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2015年12月12日 (土)

意味がなかった軽減税率論議

軽減税率論議が、政府と与党で延々と論じられてきたが、やっと大詰めのようである。だが財源は不透明なまま。また軽減税率の財源は、選挙前にはテーマにならないだろうが、選挙後、社会保障の削減および新たな増税が検討されるだろう。

そもそも、論議自体、意味はない。仮に、消費税が10%に増税時、食品の消費税が8%に抑えられたとしても、各家計の食費の2%というのは微々たるものだ。また、将来、消費税がもっと上がった時の税体系も不明だ。

それに、安倍政権は物価の上昇を望んでいる。ただ国内消費は低迷している(海外旅行者の消費の伸びは、「輸出」の伸びが増えていると捉えられる)。国内市場は人口減から縮小を続けている。このような状況下、賃金上昇を続けることは難しい。

結局、物価を上げるには輸入インフレしかない。都合の好いことに、円が下落する要因は増えている。となれば、仮に食費は軽減税率を適用されても、それ以外の物価が上昇するから、そのわずかなメリットは、あっと言う間に消えてしまう。わいわい議論するのは馬鹿げている。

さらに、今議論されている内容を見ると、外食を含むようである。となれば、軽減税率を利用して節税しようとする業者が溢れるだろう。税制に新たに穴を設けるようなものである。例えば、商品付き外食が流行るかもしれない。特に、交際費絡みの外食利用では頻繁に使われるだろう。

そうなれば、その分、税収は更にへこむことになる。景気のいい時は、まだいいが、悪化すれば、税収に大きく影響する。それに対して、当局は規制をかけるだろうが、堂々巡りになるだろう。まだ、この程度で済めばいいが、もっと、えげつないことを考える業者も出てくるだろう。

*追記

現在の日本の経済振興策は非常に難しいことを考えると、軽減税率などの論議に時間を浪費するのではなく、いかに国内経済を振興するかの知恵が問われている。政府・与党は選挙のことが気になって仕方ないのだろうが、しっかりとした政治をしないと国民から愛想を尽かされるだろう。

*追記

自公は、軽減税率に「外食」を含まないことを決定したようだ。一応、この面での上記の懸念がなくなり、これは望ましいことだろう。

*平成27年12月15日追記

報道によると、軽減税率の適用を食品「場所」で線引きするという。よって、出前・持ち帰りのテークアウトは軽減税率になる。ということは、食品提供者の店内で飲食しなければ、軽減税率になるということだ。

となれば、フリースペースが流行るだろうな。テークアウトして、近くのフリースペースで食事する。食品提供事業者は店内飲食スペースを小さくして、フリースペースを増やす。極端な例を挙げれば、店の隣にフリースペースを設ければいい。同じ事業者で問題があれば、同業者でフリースペースを作ればいい。そこに飲み物の自動販売機を設置すれば、飲み物の提供もできる。無料の給湯器を設置するのもありかもしれない。

「フードコート」にすれば、軽減税率を受けられないというが、そんなことは区別できない。「フードコート」と言わなければいいことだ。椅子やテーブルが置いてあればダメだというなら、客が持ち込んだことにすればいい。軽減税率に加工品を含めると、こういう事態になる。問題の多い軽減税率。

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