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2015年12月11日 (金)

秋厓の漢詩 『武夷山(ぶいさん)』を読む

今回は、秋厓(しゅうがい。秋崖)の漢詩 『武夷山(ぶいさん)』を取り上げてみる。秋厓は、号で、南宋の詩人、方岳のこと。字は巨人。現在の安徽省の農民出身で、出世して進士になり、後に刺史になっている。才気鋭く、詩文にも優れた。

題の武夷山は、福建省にある名山。昔、神人の武夷君が住んでいたと伝えられることから、この名がある。大きな峰が三十六ある。両岸の絶壁から水が流れ、それが分岐し九曲をなす。そこから、「清渓九曲」とも言って、詩に、この言葉が使われている。また、詩に「家」とあるのは、秋厓の家ではなく、朱熹の家を指す。

 家は清渓の第幾峰に在る

 誰か薜茘(へいれい)を牽きて夫容を采(と)る

  漁歌未だ断えず忽(たちま)ち帰り去る

 翠壁一重 雲一重

薜茘とは、蔓草のこと。また夫容は芙蓉のことで、蓮の花。解釈すると次のようになるのだろうか。

「朱熹様の家は、あの谷川のいくつ目の峰にあったのだろうか。あそこでは、誰かが、蔦かづらをたどって、蓮の花を取りに行くのだろうか。漁歌が聞こえてきたが、最後まで聞かないうちに帰る。緑の絶壁は、片方だけ雲がかかっている」くらいか。まるで、絵画を見ている感じ。

今、小さな額に、色紙絵として、水墨画を飾っているが、それに似た雰囲気。そこでは、峰と峰に懸った頼りない橋を魚籠を腰に付けた釣り人が蓑傘を被って、釣竿を水平にして負いながら、前かがみで歩いている。もちろん、日本の山と中国の峻厳な山々と雰囲気は異なる。それでも、山を仰ぎ見た時は、誰でも、何らかの感慨はあるかもしれない。

 

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