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2015年12月26日 (土)

シェイクスピアの『ヴェローナの二紳士』を読了

シェイクスピアの『ヴェローナの二紳士』(松岡和子訳。ちくま新書刊)を読了した。松岡和子氏のよる翻訳本は、『テンヘスト』に続いて2冊目。『テンペスト』を読んだ時は、意識しなかったが、松岡氏は、1942年生まれ。ということは、当年73歳。翻訳家であり、演劇評論家らしい。

しかし、従来、彼女の翻訳本は読んだことがなかった。経歴を調べると、1996年から、ちくま文庫の書きおろしとして、「シェイクスピア全集」の翻訳の刊行が始まり、現在に至っているようだ。『ヴェローナの二紳士』は、27作目らしい。

かつて出版されている、岩波文庫とか新潮文庫では、全集ものは出ていないし、一人の翻訳者が全巻というのも挑戦的だ。ただ、翻訳のタッチが統一されるため、シェイクスピア文学を理解しやすいかもしれない。 実際は、『ヴェローナの二紳士』を読んでも、すらすら読める。それに注釈もわかりやすい。

それに、何と言っても、文庫本だから価格が安いから気楽に読める。『ヴェローナの二紳士』は、若干現代的に解釈すると、ジュリアという娘と恋に夢中で仕事には、あまり関心がない男プローティアスと、仕事一途で恋愛経験のない男ヴァレンタインが、まず登場。

そして、ヴァレンタインは仕事のため、ミラノ大公のもとに派遣される。そして、あれほど恋愛に否定的だった彼が、大公の娘シルヴィアと恋に陥る。まあ、こういうパターンは現代でも見受けられる。

ところが、プローティアスの親が、遊んでばかりでは駄目だから、大公様ののところで修業してこいと遣わされる。これが過ちの始まり。ヴァレンタインから恋人だと紹介されたシルヴィアを見て、ジュリアという恋人がいながら、浮気心から横恋慕。そこから始まる悲喜劇を描いている。

この話は、シェイクスピアの作品によくあるパターン。ただ、少し気になる点は、原本に欠けがあるのか、急に話が飛ぶ点があり、話がつながらない箇所がある。また後半、話が急展開するのだが、少し飛ばし過ぎの感もある。それらの難点を除けば、まずまずの面白さと言えようか。

*追記

私の読み間違いでなければ、人物紹介の中で、アントーニオが「ヴァレンタインの父」とあるのは、「プローティアスの父」だと思うのだが。誤植だろうか。

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