« 祝 琴奨菊、大相撲初場所優勝 | トップページ | 『出石焼(但馬のくらしとやきもの)』展を観覧 »

2016年1月26日 (火)

機会損失と売れ残り

産業廃棄物処理会社が、処理を請け負った食品を横流ししたことが発覚して事件になっている。そもそも賞味期限は、消費期限ではないので、廃棄商品が、まだまだ使えると思わせるものもある。

現実、業界の三分の一ルールでは、賞味期限前の商品が処分される。それらは、概ね、安売り店に回って、商材にされる。問題は、それがメーカーが産業廃棄物という認識か、単に賞味期限が迫っているから在庫処分されたものかということになる。

それでは、なぜ、すべて在庫処分ではなく廃棄処分するかというと、それはメーカーの価格政策・流通政策によるものだろう。安く在庫処分したものが市場に流れると、値崩れの原因になるからだ。そこで、そうならないように、廃棄を考える。

この問題の根本は、食品業界の体質の本質が出たものとして捉えられる。以前にも指摘したように、競争の激しい食品業界・飲食業界は、常に機会損失と売れ残りのリスクを抱えている。賞味期限や消費期限は、他の製造業界と比較して短い。

今回のケースの場合の真因は、売れる機会を失うことをなくして、最大限需要分を賄い、利益を極大化しようとする経営者の姿勢が、売れ残りを生じさせることから始まっている。だが、世の中、なかなか経営者の思惑通りには行かない。

結局、ロスを処分する必要に迫られる。社内で生ごみとして廃棄処理するには、余分なコストが発生する。そこで、安く廃棄処理してくれる業者に丸投げしまったところ、彼らは不正に横流しした。彼らが悪いことは確かだが、作り過ぎたメーカーや業者が一番悪い。

業界で、真剣に、この問題に対処しない限り、今後も起こりうる。一部、消費者も安いものを求めることから、こういうことが起こると指摘していたが、消費者は市場に出ない限り、買い求めることはできない。日本のように豊かな社会では、幾分少なめに生産して、「売り切れご免」の仕組みが相応しい。需要が強ければ、それに対応して、追加で作ればいいことだろう。

と考えれば、廃棄処分しなければならないほど生産してしまった失敗ということになる。このことを、業界は、まず改めなければならないだろう。次善の経営が求められる。

|

« 祝 琴奨菊、大相撲初場所優勝 | トップページ | 『出石焼(但馬のくらしとやきもの)』展を観覧 »

経営関連」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/99784/63123518

この記事へのトラックバック一覧です: 機会損失と売れ残り:

« 祝 琴奨菊、大相撲初場所優勝 | トップページ | 『出石焼(但馬のくらしとやきもの)』展を観覧 »