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2016年2月15日 (月)

小林惠子著 『古代倭王の正体』を読む

過去に、古代史絡みでは、『風土記』、『古事記』などの風土や古代人の活躍を描いたものは、物語として楽しんだ。また当時の海外を意識して編年体で書かれた脚色の強い『日本書紀』も一応読んだことはある。

ただ、その後、多くの古代研究者たちの著書を読んでも、ピンと来なかったことが度々ある。それほど日本の古代史研究は、一般人には、どこか分かりにくい。研究者の方々も、幻の中に手を突っ込んで、右往左往されているような感じ。それほど、いろんな見解がある。

最近では、従来の古代史から踏み込んだ著作もあるにはあるが、それでも、一般人には、読めば読むほど迷路に入っていく。なぜ、こんなに分かりにくいのか。

多分、それは登場する人物の出自がはっきりしないうえ、時代背景が明確につかめないからだろう。いろんな資料を提示するものもあるが、それが何を示しているものかはぼやけており、もやもやとしたものが残る。

ところで、先日、小林惠子(こばやし やすこ)著 『古代倭王の正体~海を越えてきた覇者たちの興亡』(祥伝社新書)を、やっとこさ読了した(笑)。作者の問題意識は、国内の記紀らに偏重した学会に疑問を持ち続けているようだ。

著者は、もっと大きく捉え、東アジア視点での日本の古代史解明を中国や朝鮮の史書から読み解いていく。従来の古代史書籍よりは、少し理解が進んだ点は、ありがたい書籍だと思う。

ただ、読み辛い本だった。あまりにも多くの人物が登場し、話が前後する。よって、その関係を理解するのに苦労する。それは、地理的勢力図の変化に加えて、系図が示されていないことや、年表の表示がないことによるかもしれない。

あるいは、本来、注記とすべきところを本文にいれてしまうことから、文章が煩雑になり、非常に読みにくいことだろう。更に、著者の想像・推定部分が多く加味されるから、それが、より分かりにくくしている。

もちろん、これは学術書ではないので、そこまで要求してはならないのかもしれないが、記述の工夫は求められる。この本は、古代の躍動感が示されていて、一つの見解として見れば、もっと多くの人に読まれてもいいと思うが、それなりの記述の工夫は求められる。

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