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2016年3月 9日 (水)

『貞観政要』を再読

中国の歴史書は人間学を洞察するには欠かせない。欧米の哲学書も参考にはなるが、知識や知恵を得るにはいいが、深い人間関係論を学ぶには、中国の史書には及ばない。ところが、最近の政治家や経済人は、案外、読まれていないように思う。底の浅い人が増えているように思うからだ。

今回は、徳川家康も愛読した『貞観政要』を取り上げてみよう。これは唐の名君、太宗(李世民)と彼を支える名臣とのやり取りをまとめたものである。若い頃、熟読した記憶がある。蔵書を確認したら、『貞観政要』の断片的記事を取り上げたものは所蔵していたが、『貞観政要』自体は、蔵書になかったので、改めて購入。

ただし、全編ではなく、主な話をまとめたものにした。それが『貞観政要』(呉兢著。守屋洋訳。ちくま学芸文書刊)。280篇の内、70篇が紹介されている。指導者の条件、人材の登用、後継者の育成など政治家、経営者には、必須の要件が参考になる。

本著では、次のようにまとめられている。

第一章 治世の要諦

第二章 諫言の機微

第三章 人材の登用

第四章 後継者の育成

第五章 名君の条件

第六章 帝王の陥穽

第七章 学問の効用

第八章 刑罰の論理

第九章 用兵の限界

第十章 守成の心得

内容的には、「守成」にウエイトを置いたものである。創業も大切だが、組織を安定的に運営するには、人間洞察という知恵が求められる。現在の日本も同様で、トップが内外に発信する場合、『貞観政要』の考え方は大切だろう。また若い方も、今から読んでおけば、今後の参考になるだろう。

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