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2016年5月29日 (日)

重さが違う広島と真珠湾

今回の、オバマ米国大統領の広島訪問に対して、米国の一部の人々から、日本の指導者も真珠湾を訪れるべきだという意見があるようだ。しかしながら、原爆が投下された広島と真珠湾攻撃では、その意味合いは大きく異なる。

そもそも米国が第二次世界大戦に参戦するには、当時国内から反対意見の方が強かった。しかしながら、当時大統領だったルーズベルトは、欧州(特に英国のチャーチル)からの強い意向を汲んで、参戦の意向を強くしていた。ただ、それには国民に対して強い理由付けが必要だった。

そこで、罠にかけられたのが日本だ。日本をABCDラインで囲い込み、日本の逃げ場がなくなるという、孫子からすれば最悪の手法を取る。日本は、止む無く、窮鼠猫を噛まざるを得ないというような状況に追い込まれていた。

具体的にどのように仕掛けたかは伝わっていないが、日本軍部に対して工作したことは確かだろう。それは日本軍に先制攻撃で真珠湾を襲わせるというものであった。そのために、被害が最小限に収まるように真珠湾に配置した軍艦も大したものではなかった。もちろん、これらは秘密裏に実行される。このことは当然、米国民には知らされていない。

そこに日本軍が攻撃したものだから、当然の如く、米国民は怒る。それはルーズベルトの思惑に十分応えるものであった。これらからすると、戦争を仕掛けたのは、明らかに米国だ。そして、戦争末期に、ルーズベルトの意思を引き継いだトルーマン米国大統領が、厭戦気分が漂う国内に配慮したとは言うものの、日本の広島と長崎に原爆を投下したのは、明らかに人種差別からの発想だ(差別意識は日本が嫌いだったルーズベルトの方が強かったとも言われる)。

昭和20年には、全国200か所以上の日本の都市部に空襲で無差別攻撃していて、結果的に原爆被害者を含めて50万人以上の一般市民が犠牲になっている。このことを多くの米国人は知らない。

当時の米国民からすれば、日本軍による真珠湾攻撃はショッキングなことであっだろうが、これは当時の米国の為政者が作為的に招いたものだ。広島や長崎への原爆投下と全く意味が異なる。そして、原爆投下だけでなく、米軍の残虐なやり方で多くの民間人犠牲者を出していることを忘れてはならない。広島と真珠湾とを同列には扱えない。

*参考

米軍の昭和20年の大空襲等による約50万人の一般市民の被害(ただし、沖縄分は含まず)。実数は、もっと多いとも。

◎東京大空襲 昭和20年3月10日

  死亡者 約8万8千人

  被害家屋 268,358戸

◎大阪大空襲 昭和20年3月13日

  死亡者 3987人

  被害家屋 136,107戸

◎名古屋大空襲 昭和20年3月19日

  死亡者 826人

  被害家屋 39,893戸

◎横浜大空襲 昭和20年5月29日

  死亡者 3789人

  被害家屋 79,350戸

◎神戸大空襲 昭和20年6月5日

  死亡者 3184人

  被害家屋 55,368戸

◎広島・原爆投下 昭和20年8月6日

  死亡者 約14万人

  被害家屋 51,787戸

◎長崎・原爆投下 昭和20年8月9日

  死亡者 約7万3884人

  被害家屋 18409戸

●沖縄・空襲、艦砲射撃や地上戦(参考)

  死亡者 推定約10万人。正確な実数不明。

  それ以上とも言われる。よって、本土の大空襲被害者の数からは除外。

*追記

兵庫県姫路市には、手柄山公園内に、一般市民の戦没者を追悼する中心的な慰霊施設として、「太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔」がある。毎年10月26日には、総務省や全国各地の遺族会関係者が参列して、「太平洋戦全国空爆犠牲者追悼平和祈念式」が行われる。残念ながら、多くの人に知られていない。

 

 

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