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2016年5月14日 (土)

三船恵美著 『中国外交戦略』を読む

少し前に、三船恵美著 『中国外交戦略~その根底にあるもの』(講談社選書メチエ刊)を読了したのだが、ブログの記事にすべきか多少迷ったのだが、思い切って記しておく。というのは、この本を若い人に読むように薦めるには、少し躊躇したからだ。

著者の三船恵美は駒澤大学法学部教授。専攻は中国外交・国際関係論ということだ。中国を親中でもなく、反中でもない観点で、客観的に分析したと自ら仰っている。確かに通読すると現代中国をあらゆる角度から分析されていることがわかる。

つまり、これは外務官僚が分析しそうな内容とも言える。最初、官僚が書いたものではないかと思ったくらいである。中国が内外に発信していることを時系列的に整理・分析したとも言える。そのことにより、中国の思惑は、確かに明確になっている。

そういう意味では、一般国民にもわかりやすい内容だ。問題があるとすれば、現代中国だけにスポットを当てて結論付けていることだろう。中国は長い歴史の中で、培った思想がある。あまり近視眼的に結論を出してしまうと、誤った判断になりかねない。

日中の関わりは、千年以上。そこで醸成された中国観は無視されている。そういう意味では、この書籍は、極めて米国的観察だ。合理的な見識と言えるが、それで中国の全てが見えるわけでもない。「合理的見識」が必ずしも正しいわけでもない。そこからは見えないものもある。

若い人は、そのことに注意しながら、読んでいくと、それはそれで参考になるのは間違いない。ただ、鵜呑みすることは避けたいものだ。

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