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2016年5月10日 (火)

岑参の漢詩 『山房春事』を読む

「山房」という文字を使った漢詩としては、以前、良寛の『半夜』を取り上げたことがある(2009年10月19日付)。その内容は次のもの。

  首(こうべ)を回(めぐ)らせば 五十有余年

  人間の是非は一夢の中

  山房五月黄梅の雨

  半夜蕭蕭虚窓に灑(そそ)ぐ

今回取り上げる、「山房」を使った漢詩は、『唐詩選』にある岑参(しんじん)の『山房春事』だ。

  梁園の日暮 乱れ飛ぶ鴉(からす)

    極目蕭条たり三両家

  庭樹は知らず 人の去り尽すを

  春来還(ま)た発(ひら)く 旧時の花

梁園とは、漢の文帝の子である梁の孝王の荘園のこと。ここに平台という楼台を築いて、一流の文士を招いて住まわせ、日々、遊宴に浸ったという。そのことにより、文学の中心地になった。

だが、岑参の時代には廃墟になっていた。「ただ烏が飛ぶだけで、家も二、三軒だけ。庭木だけは、人が最早去ってしまったことに関係なく、春になれば、花を咲かせている」というような内容。裏には、文学界の衰退を嘆いたもののようにも受け取れる。

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