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2016年6月26日 (日)

『日本の昔ばなし』を読む

最近、童話に関心が行っている。昔、テレビで『日本昔ばなし』という子供向けの番組があったが、時々視ても面白かったと思う。ただ、子供たちは、内容を本を読むより深くは理解できなかったかもしれないが、それなりに意義のある番組であった。
 
今回、読み始めたのが、『日本の昔ばなし』(関敬吾編、岩波文庫刊)。ⅠとⅡがあって、Ⅰの方は「こぶとり爺さん・かちかち山」、Ⅱの方は「桃太郎・舌きり雀・花さか爺」となっているが、収録されている話は、これらだけではない。Ⅰの方は40話、Ⅱの方は70話収録されている。
 
先日、読み終わったのだが、子供だけに読ませるのは、惜しいぐらい。貧困から来る妄想的な話も多いのだが、含蓄のある話も多い。東北、とりわけ岩手の話が多い。『遠野物語』と併せて読むと、内容は深いものがある。その他では鹿児島の話が比較的多い。
 
ただ、どうしたわけか、関西の話は、ほとんど収録されていない。無いはずはないのだが。その中で、一つだけ兵庫県飾磨郡(現在の姫路市)の話があった。それが「芋をころがす」というもの。
 
内容は、村の者たちが、お寺から招待を受けたが、作法も行儀も分からない。そこで庄屋に相談に行くというもの。庄屋さんに聞くと、「わしのやるように皆すればいい」と言ったので、実際、村人は、そのようにするのだが、何もかも同じようにするから、おかしなことになる笑い話。落語のネタにもなっているようだ。
 
例えば、お箸で芋をつかみ損ねて、転がるが、それもまねた。また庄屋さんは、芋を挟み上げようとしたが、なかなか挟めず、芋は次々と転げまわったので、また、それを村人がまねた。それを見た庄屋さんはおかしくなって、立ち上がり表に出るが、そうすると村人たちも表に出る。
 
庄屋さんは、あまりにも笑い過ぎて、腹が緩んでふんどしが外れた。そうすると、皆も、そのようにする。ただ一人、若い男が、「わしはふんどしがないんじゃ」とわめいて終わり。この話は、単に笑い話に留まらない。人を導くには、トップは言葉を選ばなければならないという教訓を含んでいる。他者を惑わしては決していけないということ。
 
この話以外にも、含蓄のある話ばかりだ。案外、現代日本人は、大人になれば、仕事に追われて忘れがちだ。時々、思い出して、読んでみるのも悪くない。
 

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