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2016年6月15日 (水)

日本にとって厳しい時代

消費税も、国内経済は、必ずしもよくないが、10%に上げることを延長することは、財政再建を考えれば、望ましくないかもしれない。ただ、日本の消費税率は他国と比べて低いので、まだ上げる余地はあるというものの、消費税を上げるだけで、財政再建ができるというものでもない(*注)。

27年度末で、公債残高が約807兆円。この金額の重みは、やがて国民に圧し掛かってくる。それほど国の状態は危ういのだが、政治家も官僚も呑気で、毎年、赤字国債を発行して、多額の予算を計上している。

本来、赤字国債で賄っている公務員の給料は、最早上げられないのだが、2016年1月20日には、一般職の月給が0.36%、ボーナスが0.1ヶ月分増えることが決定している。これは本来、許されないことだろう。公務員人員カットには反対だが、俸給やボーナスが上げるのは、どうかしている。本来は、俸給を削減し、ボーナス停止が必要だ。それが日本の財政状態なのだ。

他方、基礎年金(国民年金)は、支給が65歳からとなっているが、もう少し経てば、厚生年金も同様に支給が先延ばしになるだろう。更に、厚生年金は支給額がカットされる可能性は高い。更に、いずれ支給上限が設定されることになるだろう。そうしないと、財政が持たない。

医療や介護も、同様だろう。昔は介護費用の負担はなかったが、社会構造の変化に伴い、高齢者への費用が増大している。それをカットするだけではなく、何かお互い助け合う社会に変革していく必要がある。

ところが、国の政策は、必ずしも地域の実情とマッチしないことが多い。国に地方の実情は見えないのに、予算を握り、全国一律の政策を実行している。しかし、社会保障は本来、地方の問題だ。国が一律に物事を決める時代は終わろうとしている。社会保障の自治体権限強化が望まれ、厚生労働省の縮小リストラが必須だ。そうすれば、多くの無駄な政策を省ける。

ただ、このように、公務員の人件費や社会保障を主体に財政支出を細かく削減して、消費税は、ある程度まで引き上げるだけでは、財政再建は不可能の域に入っている。すなわち、これにプラスするような政策が求められる。

それが第三の税、現在の政権が考えている、つまり「インフレ」を起こすことだ。ただ、金融緩和によるインフレは、虚業によるインフレを狙ったもので、これだけでは、あまり望ましくない。本来は、実業の活性化によるインフレが望ましい。

だが、実業によるインフレのコントロールは難しく、よほどしっかり管理しないと、暴走する。「管理されたインフレ」を起こすには、日本銀行の金利を最大3%までに抑える必要がある。それ以上になれば、もうインフレを金融政策で止めることはできない。

逆に、マイナス金利とか低金利であれば、人々の気分は上昇せず、現在の日本では、インフレは起こらない。人々の活動が停滞するからだ。すなわち、人々の欲を刺激するには、基本的に、虚業にしろ、実業にしろ、金利差の利得を得られる仕組みを作ることが、インフレを生じさせることを忘れてはならない。

そうすれば、国にも、相当の税収が吸い上げられる。人々が金を借りても、利ザヤが稼げると思わせる仕組みが求められる。日本銀行は、金利を上げ下げしながら、人々の心理を操る巧みさが大切だろう。財政に配慮し過ぎたマイナス金利政策では、決して財政再建はできないだろう。多くの人が納得する財政・金融政策が望まれる。

*注

安倍政権は法人税の減税を主張するが、現実は、大企業が節税のため、資本金を1億円以下にして、中小企業化を図っている。そうすれば、税率が安くなるからだ。このような実質、「脱法行為」を規制せずして、法人税を優遇する措置は決して認められない。

また、そのような悪知恵を提供する税理士等も罰する法律が必要だ。法人も、国民だから、納税の義務がある。企業の規模は資本金だけで測れないのだから、「脱法行為」を許さない法人税法の確立が求められる。

また、その他の税制に於いても、各種減税措置や租税特別措置も、段階的に廃止が求められる。現在の税制は、「ザル法」だと言われても仕方ない。また、それ以外の補助金政策も大幅に削減・廃止することが必要だ。補助金の仕組みでは、ほとんど成果に結びつかない。せいぜい官僚の天下り先を潤すだけだ。これらを改めない限り、消費税だけの増税は認められない。

*2016年6月24日追記

英国のユーロ離脱で、外部環境は更に悪化する。ただ、円高に振れることは財政再建にとっては望ましい。残された数少ないチャンスを活かして、財政再建に取り組むのもいい。その場合、金融緩和政策は有効ではない。しばらく政策転換が必要だろう。

 

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